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欧州戦線を描いて評価を得た「バンド・オブ・ブラザーズ」の製作者 トム・ハンクス、スティーブン・スピルバーグ、ゲイリー・ゴーツマンが描く、 実話に基づいた太平洋戦線の物語。 TVドラマでは異例の総製作費200億円をかけ、よりリアルに描く超大作。 |
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●2010年 アメリカHBO 全10話 ●製作総指揮:トム・ハンクス スティーブン・スピルバーグ/ゲイリー・ゴーツマン ●出演:ジェームズ・バッジ・デール ジョー・マゼロ ジョン・セダ ジョシュア・ビトン ●視聴:2010.8.14-9.20 WOWOW ●Story 1941年12月の真珠湾攻撃を皮切りに、翌年夏には日本軍はオーストラリアのすぐ近くまで勢力を伸ばしていた。 アメリカ海兵隊は、太平洋を守ることを任務とし、南太平洋にあるソロモン諸島の離島ガダルカナルに上陸した。 先に拠点を築いていた日本軍のゼロ戦機によって乗ってきた輸送艦は撃沈され、食料や武器の多くを失っていた。 |
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レビュー 1-2話 3-4 5-6 7-8 9-10完 |
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生々しい戦闘シーンを3人の実話を基に描く大作 帰還後までを描く事で戦争の意味を真摯に問う |
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深い余韻のなかでしばらく動けなかった。 こんな状態の中で、あの時代に私たちの先祖や太平洋を隔てた国アメリカの若者たちが くじけそうな心を保って生き抜こうとしていたのかと思うと、胸が詰まる。 そして、退役や負傷帰還があり、自国が比較的安定しているアメリカ軍に対し、 生きて帰るわけにはいかないと自分に言い聞かせていた日本の兵の強いようでせつな過ぎる精神に更に胸が詰まる。 中身については後ほど、まずはドラマとしての特筆すべき点を。それは戦闘シーンの映像。 これまでにはない新しい撮影方法とカメラワークを取り入れたという本作は、実際に海兵隊の訓練を事前に受けた上、火薬埋まる砂浜などを俳優達が自ら移動しながら演技したことで生々しさが表現されました。 まるでそこにいるかのような音、爆風を感じられるようなカメラ位置。 戦闘での兵士達の思いや動揺、恐怖や過酷な環境での心の叫び、そんなものも細かな演出と脚本の中で過不足なく描かれました。 いくつかの戦場を描いてあるが、視聴中迷子にならないでストーリーについてゆく事ができました。 荘厳で一切邪魔をしないのに印象的なBGM。製作という意味では高い水準を維持したまま極めてバランスの良いドラマとなっていました。 さて、内容。 つらいシーンはたくさんありました。反射的に目をつぶってしまうようなリアルさに戸惑ったり・・。 日本兵の表現や演出が果たして正しい調査の上描かれているかはひとまず別問題として、 このドラマは米兵の立場から描かれているものの、日本を侮辱的には描いておらず、 冷静に、どれほど過酷な戦争だったのかを描く事に留めてあるのが最後まで見られた理由だと思えます。 特に、彼らの帰還後までを描く事で、死と隣り合わせで人殺しに明け暮れ、仲間の負傷や死を見続けるという実際に戦争をしに行った兵の虚無感を浮き彫りにしました。 先に帰還し自分のすべき事を見つけたレッキーや、戦争につきものの英雄として勇敢なる死を遂げたバジロンと心に刻まれた大怪我を直すまで前には進めないだろうユージーンの三者三様のエピソードを経てドラマは閉じます。 ただただ戦争というものがいかにむごく残酷なことか、ちゃんと想像できなかった私に伝えるに十分なドラマだったと記します。 ![]() 戦争を知らない私は当時の日本の教育や思想も同時に感覚として身についていない。 だけど武器類も足りず人材を粗末に扱ってしまうことになりながらも、劣勢に転じてなお勝ちを信じた日本のプライドに複雑な思いがよぎる。 国が始めてしまった戦争は、負けるわけにはいかなかったんだろうけど、なぜ始めようと決めてしまい実行に移すか・・・ どうせ決めたのは前線になど出ない一部の人たち。始めない方法を捜すべきだったと切に思います。 戦争を選択すべき理由なんてどこにもないことを再確認させられます。 |
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2010.9.20 10(最終)話で⑤帰還後を描いて深みが増す・・ パヴヴで補給の後、ユージーンたちは勢力域を狭めた日本本土のすぐそば、沖縄に上陸していました。 非戦闘員である民間人(島民)も普通に行き来する中で戦闘が行われ、民間人が通るときには撃つのをやめるという事も。 しかし、それを利用して民間人に爆弾を巻かせる方法を取る敵に戦意がくじけそうになるもの、奮い立つもの。 ユージーンは降伏しない敵に対する怒りを募らせる事で戦意を維持しつつ生きようとします。 だけれど、瀕死の老婆に撃ってくれと懇願されたがそうはしなかったユージーン。 自分の中の暖かいものがまだあると感じた瞬間だったようです。 ユージーンたちが終戦を知らされた8月15日、数日前に都市がなくなるほどの新型爆弾が使われたとの情報・・。 それは原爆だよね・・・(泣) 勝ったというものの実際のところは経験した死闘と恐怖は心に残り、命をかけてした経験の数々はこれからの人生に有益とは言えない。 さきに帰還し療養所にいたレッキーは記者として復帰し、思い続けて心の支えになったヴェラと幸せを見つけます。 7ヶ月の結婚生活の後戦死したバジロンの勲章をお父さんに渡すリーナ。あの勇敢で素敵だったバジロンを思うと涙が・・。 そして、PTSDに悩むユージーン。 就職しようにも身に着けたことは砲撃の腕と殺人だと感じているユージーンは夜うなされます。 帰還できた自分とできなかった仲間の差を思えば心が沈み、激しかった太平洋戦で生き抜いた海兵隊員であると誇る事もしたくない。 この頃の人たちは、強くてしなやかな心を持っていたのではないかと思える。 乗り越えて自分の人生を見つけ、生きたのだから。 |
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2010.9.17 8話まで④この迫力・・・ バジロンーーー! まず、ぺリュリュー島での激戦の最中ユージーン達は山側まで侵攻し、険しい地形の中で抗戦してくる敵兵に悩まされます。 そんな最中に、隊の心のよりどころだった隊長を亡くします。 侵攻するもそこは敵味方の兵の無残な死体があちこちに残るまま・・・。ユージーンの心の何かが少し壊れたような・・(涙) そして戦時国債の広告塔としての任務を与えられたバジロン軍曹は、海兵隊として前線での任務をどこか渇望している。 新兵訓練官として働いた後、愛する人と出会い結婚したが、数ヵ月後の退役を延ばして新兵達と共に戦場へ。 そこは激しい戦闘が繰り広げられていた硫黄島。 激戦とおびただしい死者を出したことであまりに有名なこの硫黄島で、バジロンは銃弾に倒れました・・・。 そして次回9話は沖縄・・・。 民間人が巻き込まれるこの戦闘をこれまで同様リアルに描くのだろう。正直見るのを躊躇してます。 だけど、あまりに戦争の事を知らなさ過ぎる自分に愕然としているのも事実。 あくまでも米兵側の視点で描かれてはいるものの、決して日本を侮辱した描き方ではないので救われています。 |
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2010.9.13 6話まで④激戦・・・ 3人の方の実話を中心に描いたというこの「パシフィック」のうち、最後の主役ユージーン・スレッジが派兵されてきました。 幼馴染のシドニーと同じ海兵隊を志願したユージンは寄港地パヴヴで再会します。 シドニーが帰還するのに逆行してユージーンはパラオ諸島にある小さな島ぺリュリューに上陸。 ここは海岸からすでに激戦で、上陸するやいなや銃弾や爆撃で次々に負傷し倒れていく仲間を横目に見ながらの必死の前進。 無事海岸を抜けても、そこには守りを固める日本兵との激しい戦闘繰り広げられる飛行場。 飛行場の向こう、山側に構える日本軍を抑えるため、海兵隊第一師団らは遮蔽物の少ない飛行場を横切ることに・・・。 ここが恐ろしく厳しい・・。 狙われやすいため、次々に撃ち込まれる砲弾や爆弾に当たらないのは運次第とも言えるほど・・・。 飛行場は奪取したが、精神を病む仲間もおり、待機中に恐怖に駆られて叫び出しやむなく黙らされる仲間も・・。 敵兵に悟られ皆殺しに会うわけにはゆかず、やりきれない思いも・・・。 飛行場横断中に無線機と衛生兵を求めて逆戻りしたレッキーは爆風に飛ばされ負傷し、負傷兵として船上の人に。 島では激しい戦闘が続き、仲間がまだあそこにいることを思いながら、連隊の仲間ランナーと共に帰国することになるみたい。 米兵達の虚しさ・恐怖を余すところなく描きながらも、一方で次第に押されて縮小していく日本の様子も見えます。 武器や艦船・医療・人権意識の差もあり、精神論だけではないシステムがある。兵の帰還休養なども挟む米軍。 開戦して2年目の1944年9月を描くぺリュリューの回では、 日本軍の勢力はガダルカナル、ニューギニア近辺から撤退させられすでに大幅に縮小してきています。 |
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2010.8.31 4話まで④どこをとっても目が離せない バックに流れるホルン(?)の遠いような勇壮なBGMが、一気に「パシフィック」の世界へと引っ張ってくれます。 あの激しいガダルカナルでの接近戦や死闘を生き抜き、多くのものを失った彼らは、南下してオーストラリアのメルボルンでのつかの間の休息時間を得ました。 ガダルカナルでの射境線を守り抜いたバジロン軍曹は勲章を受け、戦争の費用を捻出するために国債販売の広告塔としてアメリカへと帰還しました。 一方のレッキーは地元のギリシア系の女の子と家族ぐるみで付き合ったものの、あなたが死んだら悲しいから別れるといわれる。 明日の希望を描けないまま、レッキーは12月、ニューブリテン島のグロスター岬へと移動する。 密林の中を偵察と野営で凌ぐものの、最初に出会ったっきり敵軍は現れず。降り続く雨に撃たれ続け精神を病む仲間も。 その後、パヴヴ島へと移動したが、気が滅入るばかりの面々。レッキーは夜尿症になり診療施設へ入院。 そこでは疲れ果てて心を病み、生きることに絶望する仲間や、強迫観念に取り付かれ戦線復帰は不可能な仲間も。 レッキーは今も戦い続ける仲間のもとに戻る事を希望するのだった。 |
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2010.8.15 2話で④戦場にいるかのよう!すごい 海兵隊第一師団に所属する第一連隊の新兵レッキー、第7連隊の軍曹バジロンらはガダルカナル島に上陸、 すでに数度の日本軍との激しい戦闘を生き残ってきた。 10月になって、第一師団は日本軍との射境線を維持するため、最前線に移動し おびただしい死者を出しながらも境界を守り抜き、彼らは英雄となりました。 彼らの働きは評価され、別の師団(陸軍?)にここを任せてひと時の休息の時間を得られそうです。 レッキーは詩を書いている様子から文学青年のようです。だけど、なかなか度胸もあるし冷静。 そしてバジロン軍曹は、見た目は優しそうなんだけど、誰よりも頼りになりそう!判断速いし! 純粋にアメリカンドラマとして見てはいるけど、日本軍との武器の違いや戦い方の違いを見るのはちと辛いものがあります。 命知らずで勇敢な日本兵として描いてあるんだけど、人海戦術のように戦線に躍り出ては撃たれる様子はむごい・・・。 だけど、病気で命を落とす方々がいた一方で、こうして激戦に身を挺して突撃して道を開いていたのも本当かもしれない・・・。 今日8/15にははいろんなことを思いながら、戦争ドラマを見ています・・・。 |
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