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サークル 繋がった世界 ハマり度☆なかなか面白かった
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●2017年 韓国tvN  全12話
●演出:ミン・ジンギ
●脚本:キム・ジニ ユ・ヘミ他
●出演:キム・ガンウ(キム・ジュニョク)  
ヨ・ジング(キム・ウジン)  イ・ギグァン(イ・ホス)
コン・スンヨン(ハン・ジョンヨン)
●視聴:2017.11.23-11.30  
●Story
好奇心旺盛な双子ボムギュンとウジンはある夜、郊外の林で謎の光に追われた。
光から現れたのは未知の物体、そしてその物体は若い女になった。
約10年後兄ボムギュンは若い女を連れて出た父が失踪したことで宇宙人である女を探し続け、
ウジンは将来のために奨学金を得ながら大学に通っていた。
その大学にあの若い女を見つけてしまい・・・。
レビュー
感想  ネタバレあらすじ
現在と20年後の彼らのストーリーを並行して描く
ヒューマンな味付けが韓ドラらしい近未来SF

2017年と2037年、二つの時代を各1話の前半・後半で描きながらストーリーが進行する近未来SF。

2017年。
強い光に追われ、光から現れた謎の生物体に遭遇した幼い双子の兄弟。
女の姿に変化した生物体とともに暮らし、ある日彼女と出かけた父が戻らなかったことから、
双子の兄ボムギュンは父を奪った女を探し続けています。

約10年後、ボムギュンは当時と何一つ変わらぬ姿の彼女を見つけ、
弟ウジンの大学で頻発する自殺が彼女に関係あると確信して調査を始め失踪してしまいます。

2037年。
体に人々の興奮をコントロールすることができる高額なチップを入れることで
犯罪ゼロの都市が可能となったと謳うスマートシティが存在する。
しかし、このスマートシティには人の記憶を操作することができるという後ろ暗い一面が見え隠れする。
運営の基盤を提供しているのが一般企業ヒューマンビー。

この企業の闇に斬り込もうとしているのは、20年前双子の兄弟の片方が失踪し、
自分も記憶を失ってしまいイ・ジュニョクと名乗ってその消息を追う刑事。


4話ほどで、視聴者の思い込みを覆す展開があり、物語の複雑さと意外さに引き込まれ、
また、ことの真相に迫るたびにSF的な面白さが見えてきました。

その人がその人たる理由に”記憶”がある。
科学技術の進歩が招く近未来の問題の一つの警告のようにもとれる面白い物語です。

そもそもキャスティングが良い。
キム・ガンウさんヨ・ジング君出演しているという点でまず見てみようと思えたほど
2人の演技が安定していて好き。
実際、良かった。

いつも通り備忘録としてネタバレを下記に記しますが
構成がよくできているので先にドラマを楽しんでほしいです。













~~以下ネタばれ~~


女の姿をした生物体はまるで真っ白のキャンバスのように、
ウジンたちとの暮らしのなかで一つ一つを覚えていき、
彼女は母のいない双子たちに慕われてピョルと名付けられました。
しかしある日ピョルはお父さんに連れられて外出して以来、
お父さんともども子供たちのもとには戻りませんでした。

2017年
ピョルにそっくりな女がハン教授の娘ハン・ジョンヨンだと知ります。
けれど、大学で頻発していた謎の連続自殺事件を追うボムギュンが失踪し、
ウジンはジョンヨンと共に事件を捜査しはじめ、そこに新技術の人体実験があったと知ります。
その首謀者がまさかのジョンヨンの父。

ただし人体実験はある特別な技術資料が手に入ればする必要のないもの・・・。
その技術とは、ピョルがお母さんを恋しがるウジンのために作ってやったという
記憶を映像として再生できるというシステム。

ジョンヨンは教授のもとに行ったときにはすべての記憶を失っており、
娘だという偽の記憶を植え付けられながら記憶回復させようと必死の父を見てきました。
ウジンと出会い自分が誰なのか知ろうとするうちに、
自分から技術を引き出したいためにそばに置き続けた教授の思惑が見えてきました。

実際、ウジンたちの父は子どもたちが聞かされていた貿易業ではなく、
脳科学を研究するハン教授との共同研究者でした。

技術の素晴らしさと背中合わせに、ピョルの技術は今後人類にとって
良くない影響を及ぼすというウジンの父教授の話を理解したピョル自身が
記憶を消すことを願いました。
ウジンの父もまた、ピョルの記憶を消し、ピョルに関する資料もすべて廃棄。

けれど、それが欲しかったハン教授とヒューマンビーという研究資金源の企業から狙われて
結果殺害されていました。

ハン教授の不正な臨床実験の蚊帳の外だったパク教授が巻き込まれ、
ウジンたちの味方になってくれて、手助けされながらようやくたどり着いた真相
それは驚愕でした。

けれど、技術に関してのすべてが廃棄されていたとはいえ、
ピョルがウジンに渡したあのシステムがウジンを認識して作動したために
ハン教授は誰もなし得なかった新技術を手にする欲に駆られ、
ウジンとシステムの核となる小さな”キューブ”を奪いました。

ウジンの犠牲で人体実験の被検体とされたボムギュンの命は救われました。


2037年、
刑事イ・ジュニョクはヒューマンビーがスマートチップを埋め込まれた市民の記憶を
操作しているという確信のもと捜査を続けていて、
同時に2017年の双子失踪事件も追っています。
ジュニョク自身が記憶を失っていて、映像で見たウジンの記憶を持っています。

すでに12話に亘って少しずつ描かれた2017年のストーリを
先に書いたのでおよそ全容は見えているでしょうが、


ヒューマンビーの会長は平和な都市を実現させるために、住人のもつ負の記憶を勝手に消去していました。
人によっては深い悲しみや喪失感、またある人は犯罪や犯罪被害の記憶など、すっぽりと抜け落ち、日常における感情の高ぶりもチップによる制御によってコントロールされていました。

けれど、このシステムが起動するにはウジンの生体反応と
ピョルが作ったシステムの核が必要で、それを自前で再現することはできずにいます。
つまりウジンが死んでしまえば動かないシステム・・・。

ウジンは逃亡中に交通事故に遭い、瀕死の状態でパク教授に拉致され、
その後息絶える直前に、まだ承認されていないクローン技術によって複製されていました。

ヒューマンビーの闇に迫ったジュニョク刑事は、
思い出の場所を回った折に自分がボムギュンだと気づきます。
ブルーバードとしてウジンとの約束を守り姿を隠して活動していたジョンヨンと合流し、
謎のヒューマンビーの会長がパク教授だったと知ります。

システムが動いているならウジンは生きているかもしれないと救出に向かうジュニョク達が
出会ったのは20年前と変わらない姿をしたクローンとして生まれたウジンでした。
ただ、事故に遭うまでのすべての記憶を持っていても弟と認めるのは難しかったジュニョク。

感情もあり、身を賭してボムギュンを守ろうと死地に向かったウジンの記憶と共に
存在する彼をウジンとして受け入れ共に生きることにしました。

人々の幸せを謳いながら欲だけで動き、汚れ仕事を部下に押し付けるトップを
引きずり下ろすことができたジュニョク達。

問題の根源である”キューブ”を高層ビルから投げ捨てたウジン。
教授はキューブを追って飛びました。
まるで童話のような悪人の最後、だけど、欲に駆られてしまった末路としては鮮明でよかったです。

ラスト、ニュースで強い光がある地方都市で目撃されたと報道があります。
ピョルと出会ったあの時と同じ状況らしいその光の正体は謎のまま。
不思議な技術を作れたピョルは本当に宇宙人だったのかもしれない。

年を取らないジョンヨンとウジンは末永く幸せになりましたとさ、ってなるかと思ったけど、
そんな安直なことではないかも。
物語の根源となる謎の高度技術=ジョンヨン宇宙人説でいいのかも。