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大丈夫、愛だ ハマり度☆感心した
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●2014年 韓国SBS  全16話
●演出:キム・ギュテ
●脚本:ノ・ヒギョン
●出演:チョ・インソン(チャン・ジェヨル)
コン・ヒョジン(チ・ヘス) ソン・ドンイル(チョ・ドンミン)
イ・グァンス(パク・スグァン) D.O(ハン・ガンウ)
●視聴:2015.8.18-8.29   WOWOW
●Story
ヘスは精神科医。
先輩の医師ドンミンさんとその患者スグァンと同居中。
TVのショーで人気猟奇サスペンス作家のジェヨルとやりあい、自分に色目を全く使わないヘスが理解できないジェヨル。
ジェヨルはトラブルから引っ越しする必要ができ、ヘスたちの家に短期間同居することになった。
けれど、ヘスとケンカになってしまい・・・。
レビュー
1-2話  3-7  8-12  13-16完
心に受けた深い傷はほっておいても癒せない。
理解と愛と治療が必要と語るヒューマンロマンス
このドラマの紹介文などによく”ラブコメ”と書かれているんですが、
ラブコメじゃありません
あくまでも作者の語る通り”ロマンスでラッピング”された”ヒューマンドラマ”。
描かれる内容の重さを明るいタッチで描きだす工夫がされています。

心に受けた深い傷がやがて精神疾患という病として表面化する。
けれどそれは医者の手助けと周囲の理解、そして愛する人たちの協力があれば
治癒できるんだよという温かいメッセージを込めた作品でした。

2014年はD.I.Dなどの多重人格を扱うエンタメ寄りの韓国ドラマが流行(?)していますが、
本作は精神疾患への理解を深めるという意味でもより現実的な側面を込めてあります。

ノ・ヒギョン作家の熟練の手腕で、
女性主人公ヘスの抱える不安障害が恋愛に直結するという設定になっていて、
彼女が治癒するためには避けて通れない恋の相手が男性主人公ジェヨル。
そして本作で描かれるもっとも重い心の疾患を抱えていたのはジェヨルでした。
エピソード中で描かれるその他の精神疾患患者の症状は
実はどれもジェヨルの症状や治癒へのキーとなるようリンクさせてあります。

明るいタッチで描かれ、キスシーンも多く、
性的な話題にもさくっざくっと切り込むそんな大人向けの本作は
複雑な心のひだも表現でき、ラブシーンもこなれた感じで演じられる
コン・ヒョジンとチョ・インソンがぴったりでした。

難しいテーマを16話もの間惹きつける作品の質に拍手です。

ジェボム役のヤン・イクチュンも良かったし、
安定の熟練俳優ドンミン先輩役ソン・ドンイルさんやイ・グァンスなど
張りつめた空気を緩和できるキャスティングや設定もお見事でした。



2015.8.29
16(最終)話まで丁寧に描かれていた

ジェヨルが見続けるガンウという幻視は彼自身を投影したもの。
ジェヨルが兄への罪悪感からその贖罪を得ようとガンウを通して自傷行為を繰り返し、
ガンウを守るという無意識の名目でいずれは事故という自殺に向かっていることは明白でした。
彼の病名は統合失調症。
完治への最大の目安はガンウが幻の存在であることを認めることができ、
その幻を見なくなること。

ジェヨルにとってそれはとても難しい道のりでした。
でも、ドンミン先生の治療によって兄ジェボムが心の平穏を取り戻し、
またジェヨルはジェボムへの罪悪感を少なくしていくことが叶い、
そして、ヘスの深い理解と献身によって、ガンウの存在への矛盾を受け入れたことで
大きな進展を見せました。

障害者の夫を抱えることの大変さを知っているお母さんは
精神疾患を抱えるジェヨルにヘスがその身を捧げることを心配して別れるよう宣告しましたが
1年の歳月を経ても消えない二人の愛は成就。
ジェヨルも病を克服し、仕事に復帰できました。
それからさらに1年後、二人は結婚ののち子宝に恵まれそうです。

辛いこと悔しいこと、腹立たしいことなんかをうまくガス抜きしつつ
分かり合える仲間の助けを借りて生きて行けそうです。

2015.8.22
12話まで専門家の力が要る

主人公の不安障害の原因が恋愛に直結するものゆえ、
物語はロマンスを核に進んでいます。
ヘスの問題はジェヨルのおかげで大きな峠を越え治癒への道を歩み始めました。

一方でジェヨルの方は症状が悪化し始めました。
作家志望の高校生ガンウが架空の存在だと知った友人テヨンによって
ドンミン先生は教授職に就いている元妻とコンサルの結果、
入院が必要な重度のケースだと結論づけました。

すでにガンウの幻覚で交通事故をおこし、
見えないガンウの父に応戦して怪我をするなど実害が出ています。

ドンミン先生はジェヨルの兄ジェボムの願いで行ったアミタール治療で
ジェヨルが義父を刺したのを見ていたと知りました。
義父はまだ息があり、状況的に2年ほどで出所できると踏んだジェボムは
前科のある自分が身代わりになると告げたそうです。

でも蓋を開けてみたら求刑は11年。
あせったジェボムはジェヨルが真犯人だと言い、
ジェヨルはなぜか犯人は兄だと証言してしまっています。

これと同時に当時の担当弁護士から話を聞くことができたドンミン先生は、
なんと義父の直接の死因は放火による窒息死だったという真相を知りました。

火事の前に弟を病院に連れてジェボムが家を出ていたことから、
火を放ったのはお母さんという事に・・・。
お母さんが火を放つところを見たジェヨルが母を守るために兄を犠牲にしたため、
長年の罪悪感と11年もの刑期を終えた兄から恨まれ
刺されたことがきっかけとなって
幻覚のガンウが現れたのだという判断となりました。

ジェヨルが母を守っていると知らないジェボムは
自分を裏切ったジェヨルを許す気は毛頭ない様子。
けれど、ジェヨルは、解離性記憶障害を抱えた母が、
あの日放火したことを思い出さないよう必死に見守っています。

重い症状を抱えているとは自覚していないジェヨルは
兄の事、自分や母の抱えるトラウマを知っても冷静でいられるヘスを
こよなく愛していてプロポーズしています。

でもドンミン先生の見立てで行くと、ジェヨルの治療が為されなければ
行きつく先は自殺という最悪のシナリオの可能性もあるため、
ヘスも遅かれ早かれこのことに向き合わないといけないでしょうね。

2015.8.20
7話まで興味深く見てます

あらすじを記すのが難しいと感じる作品なので簡単に行きます。

ヘスは恋愛、こと、男性とのスキンシップに不安障害を抱えていて
精神科医とはいえ、自らそれを克服出来ずにいます。

ただジェヨルは男女間の距離を簡単に縮めてくるタイプで
自分自身の気持ちをストレートに表現するため、
知らず知らず不安障害を克服できそうな入口に立ちました。
今ヘスはジェヨルの好意に答え、恋人同士となりました。

そのジェヨルは母の再婚相手だった義理の父からの暴力に怯え、
兄がその父を殺害した一連の十代の頃をトラウマに抱え続けています。
兄の殺人は正当防衛によるものであることは家族には当然の事実だったにも関わらず、
裁判では兄に前科があることで情状酌量もなく11年の刑が執行されました。

少なからず兄の言動は周囲に誤解を生じさせ易いものでもあり、
幼少期の環境からある種のパーソナリティー障害が出ているようです。

ヘスの先輩ドンミン先生の、緩いようでいて腕のいい治療で
なんとか治癒してほしい所です。

その事とおそらく関係がると思うんだけど、
ジェヨルは”ガンウ”という架空の作家志望のDVに耐える高校生の
幻を現実のように感じ、現れた時には会話もしています。
自分の高校時代を重ね、助けてほしかった気持ちを
ガンウの味方でいるという方法で追体験しているのでしょうか?

心の傷というものを理解し受け入れあいながら克服できるという
希望を描いていくのでしょうか。

2015.8.19
2話まで独特の雰囲気で

コン・ヒョジンとチョ・インソン共演の本作。
脚本の行間まで表現できてしまう二人の演技と醸し出す存在感が見事。

そして本作の脚本はノ・ヒギョン。
独特の世界観で人生の痛みや後悔を描く作家さんが設定した主人公は
精神科医の女医さんヘス。

猟奇ホラーサスペンスの人気作家ジェヨルとヘスが出会い、
これからそれぞれの心の傷と向き合ううちに愛に変わるのでしょうね。

ヘスは自身”セックス恐怖症”のようなものを抱えているようで、
それは幼いころ母の不倫らしき現場を見たことと関係があるようです。

ジェヨルの兄は殺人犯として服役中で、
お義父さんを殺したのがお兄さんだということでトラウマを抱えています。

ヘスの患者さんの症例などを細かく描く職場ものではなく、
ヘスやジェヨルの人間関係を密に描いていくヒューマンロマンスという感じ。
演技巧者のロマンスを堪能できればいいなと思ってます。