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剣と花 ハマり度☆好みの映像美
DVD-BOX 1


DVD-BOX 2
●2013年 韓国KBS  全20話
●演出:キム・ヨンス   ●脚本:クォン・ミンス
●出演:オム・テウン(ヨンチュン)  
キム・オクビン(王女ソヒ)  
ノ・ミヌ(ヨン・ナムセン)
キム・ヨンチョル(栄留王)  
チェ・ミンス(淵蓋蘇文)  
オン・ジュワン(蔵(ジャン))
●視聴:2014.1.20-3.21   KNTV
●Story
唐からの圧力に対し、強硬手段を取るべきだと考える淵蓋蘇文と対立した栄留王。
二人の攻防は静かに、そして水面下では熾烈を増していた。
武術の腕は一流だが、庶子として生まれ、都に出てきても後ろ盾がないヨンチュンは
実父淵蓋蘇文に拒絶されて進む道を見失いかけた。
ちょうどその頃出会った美しい王女の言葉に光を見出したヨンチュンは
難関を突破し宮廷武士として王女の警護を預かることに。
宮廷では、武を好まぬおとなしい王子を次期王にすることに不満の声もあがっていた。
レビュー
1-4話  5-8  9-12  13-16  17-20完
高句麗末期の猛者淵蓋蘇文の息子と
廃位された姫とのロミジュリ風悲恋
カリスマたちの演技と、こだわりの照明・美術・そして音楽。
映画のように重厚で、時代の雰囲気を醸し出す情緒ある映像美のなかで
この世で幸せになる方法はおそらくないであろう主人公たちの悲恋が描かれていて
ついつい最後まで見てしまいました。

特に、電気がない時代の情緒を再現してあるのがかなり私好みのツボで、
月明かりをイメージしたものや格子の向こうで揺れる影などが印象的でした。
ちょうど長く続いた国家が滅びゆく退廃のロマンも含んでいたから、
尚更こういう美術がハマるんでしょうね。

複雑な立場にありながらも愛する女性を守り抜こうとする主人公をオム・テウンが演じ、
数限りない感情を微妙な部分も含めて表現。
また時代のカリスマを演じた淵蓋蘇文役のチェ・ミンスもまた、
大きくあらわさずに母国愛も家族に対する愛の感情も表現する、という高度な演技を披露。

ヒロインの王女を演じたキム・オクビンは、感情表現が素直で情熱的な前半と、
謀反で愛する父王を殺され、愛する男性を心の底では愛しながらも
生き残った先王の直系の王女という使命を背負いそれをまっとうしようとする
王女を抑制を効かせて演じました。

これで脚本やストーリーの細部がもっと丁寧に練られていたらと思えてならないところ。
様式的な美にこだわったために逆に演出上に”?”が生まれてしまうという
雑なところが多々あるんですよね・・・。
舞台演出でならありかもしれないけどドラマだと違和感がある、というような感じ。

高句麗が滅びる序章となる時代をフォーカスしてあるので、
かろうじて維持している際どい情勢をぶっこわしちゃう悪役がいます。
それが淵蓋蘇文に王位に据えてもらったポジャン王と、
自己愛のために権力を欲した淵蓋蘇文の嫡子ナムセンでした。

ナムセンを演じたノ・ミヌは狂気のプライドをほとばしらせていて印象的でしたが、
本作のキーパーソンたちの演技の鍵は”感情を抑制を効かせながらも表現”していたこと。
演技の方向性が違っていると感じさせたのは演出の問題だったのかしら?


2014.2.21
20話までそれしかないよね・・・

クムファ団に捕まっても生還したり、王女が王のジャンと手を組んで淵蓋蘇文を
手にかけようとしたとき単独行動でいち早く父を守り、刺客を倒さずにのがしたヨンチュンを、
クムファ団の内通者である証拠だと言い張るナムセン。
なのに父淵蓋蘇文はその都度ヨンチュンを不問に付すから不満が高まる。

愛する母に王女を託したヨンチュンを監視していたナムセンは、
王女を捕まえる折にヨンチュンの母を手にかけた。
王女を拷問にかけることをためらうヨンチュンのために淵蓋蘇文はさりげなく場を切り上げ、
3日後に処刑する、と告知しておいて王女を脱獄させた罪を追求せずまた問わなかった。

ヨンチュンに対する信頼はこの数年で確実に積み上げられてきた。
王女に対するヨンチュンの気持ちを知っていて、
それは自分が愛したヨンチュンの母への思いを重ね合わせれば理解でき、
また父を裏切るという性急な結論へと飛躍しないという信頼がある。

唐との戦にヨンチュンとともに淵蓋蘇文が出征している間、
ナムセンは父の後継者という地位すら危ういことで父を見限り、
父を復讐に燃える王女に殺害させ
王女を玉座に座らせて自分が夫となり、王と同様の権力を手に入れようと画策し手筈は整えた。

けれど王女はもうこの復讐の幕を下ろそうと考えていました。
そのためには反乱の象徴となる自分が消えるしかないという結論で。
王女であるという縛りを解いてただ私とともに生きてほしいと懇願するヨンチュンに
応えられそうにない王女。

予定の場に現れながら淵蓋蘇文を討つことなく、ただ私は復讐を終わらせると宣言した王女。
すでに王も王女の意向を受けて、ナムセンの企みは簡単に頓挫。
しかし怒りに任せて王女を殺そうとしたナムセンの剣を代わりに受けたヨンチュン。
そして、刃向うと見せかけてナムセンの剣を自ら受けた王女。

王女が死を選択している以上、王女のいない人生を選択することはもう出来なかったヨンチュン。
生涯を共にする、という願いは、人生の最後をともに迎えるという形でしか叶えられなかった。

その後数年で淵蓋蘇文は世を去り、高句麗は滅亡。
王ジャンもナムセンも唐の支配のもとで国を守りきることはなかった。

2014.3.8
16話まで正体を知られて

ムヨンが趙義府に来てから、獄で不審火が出て政治犯が逃走する事件が発生。
そこにはクムファ団の団長だったソサボンもいて、市井に紛れたソサボンは潜んでいた仲間と合流
王権を王女に取り戻す前に、まずは権力をむさぼる淵蓋蘇文を倒す作戦を準備。

兄ヨンチュンの陰で一手に父淵蓋蘇文の後継者としての立場を握りたいナムセンが功を焦り
クムファ団がまいた罠にはまって多数の趙義府精鋭たちを死なせてしまった。
その戦闘の最中、ヨンチュンをとっさにかばって矢を受けたムヨン。

でもムヨンを介抱しようとしたヨンチュンはムヨンが女であることを知り、
そしてそれが王女だと気づきました。
王女の目的はうすうす気づいているヨンチュン。
ただ宮中でムヨンが女だとばれてしまっていることから、一刻も早く逃げるよう温情をかけた。
でも、王女に身の危険が迫っていると焦ったクムファ団の団員が
もしものためにヨンチュンの母を拉致。
罪のない人を巻き込むことを良しとしない王女は心を痛め、
一刻も早く人質交換という形で母を返そうとしました。

ヨンチュンも調べを進めており、人質交換の折に手薄になるクムファ団本拠地を
部下の部隊に制圧させています。
とりあえずは自分が人質になるつもりで王女と出向いたヨンチュンは捕まり、
王女によってヨンチュンの母は逃がされました。

一方、ムヨンが王女だったと知ったナムセンは、兄と王女の過去の関係を持ち出し、
ヨンチュンがクムファ団と内通していたと父に報告。
しかも、先にヨンチュンの母の居場所を突き止めていたから、
王女に逃がされた母をその部下が捕まてしまったかも。その方が危ない。

今でも他の誰も愛せないほど愛し合っていた二人だから、
こうして関わり続けることで消えたはずの思いがまた光り始めちゃってる感じです。
父から裏切者とみなされたら、もう王女側につくしかないかもヨンチュン・・・。それもいいかも?

2014.2.19
12話まで王女の再起

淵蓋蘇文の謀反によって栄留王は殺害され、
王に国を守る努力を怠ったという罪を着せ民衆の前で死んでなお火刑に処せられた。
戴冠されたジャンは、しかし、全ての権力を「大莫離支(テマクリジ)」という
強大な新地位を作り上げた淵蓋蘇文に取られ、
王とは名ばかりの、ただ前王を廃位するためのかかしに利用されただけでした。

復讐を誓った王女は、王の秘密部隊クムファ団とともに卒本へと退避し
任務でやってきた淵蓋蘇文を討つチャンスをつかみきれず失敗。
そのうえ多くの仲間が死に、団長は収監された。
生き残ったクムファ団の元で武術の技を磨きながら、復讐の爪を研ぎ続けた王女は
3年後、ソ・ムヨンとして王宮に所属する機密情報部「趙義府」へと任官がかなった。

王女が死んだと聞かされ墓をみたヨンチュンは、愛するものを守り抜けなかった自分の弱さを実感。
王女とその家族を謀反によって殺害した父淵蓋蘇文よりも強い権力を持つため父に詫びを入れ、
以来父の元で仕事を着々とこなし、今では庶子でありながら淵家の長男として認められるまでに。
情報部「趙義府」の副総官として、父の嫡子ナムセンを総官に仰いでの任務をこなしている。

そこへ現れたのは、王女に瓜二つのソ・ムヨンという新人。
調べを進めるヨンチュンよりも先に王女であることに気づいたのは失意の操り王ジャンでした。

またヨンチュンを兄と一応呼びながらも、
武術でも仕事上でも嫡子であるという以外勝てるところのないナムセンは
劣等感と嫉妬心でもだえています。
ヨンチュンが父に目を掛けられるのが許せないみたいで、何らかの屈折した行動に出そうです。


2014.2.9
8話まで展開はゆっくり

主人公たちが出会い心躍ったシーンで流れた変な曲があれから流れることはなく、
シリアスな展開に突入。
こうなると、このドラマのサントラや渋い映像美、そして”間”が生きていると感じられます。
この雰囲気は好きだし、アクションや静寂シーンなど見せ方が上手いものの
ストーリー展開はシンプルかつゆっくりで情報量が多くないのが特徴です。

斬首刑を絞首刑に切り替え、首が絞まりきらないよう細工された絞首縄と
一時的に脈が小さくなるという薬を使ってヨンチュンを生かしたジャン。
ジャンは生まれてから国のためにあらゆる努力をしてきた王の甥。
彼の努力と資質を真っ向から評価してくれた淵蓋蘇文への返礼ともいえるが
恩を売っておくのも悪くないという打算もある。

王子の立太子の式典で現王を倒す策謀を進める淵蓋蘇文側と
その策を掴んだ王の隠密部隊クムファ団の返り討ち作戦が同時進行。
ただ、式典が始まる前に王子が落馬して下半身不随となる大けがになり式は中止。
淵蓋蘇文の謀反は頓挫したかにみえたけれど、
王が次期王として皇位継承順位にある男子ジャンではなく王女を指名したことから
ジャンは淵蓋蘇文側へ寝返ってしまいました。

王子が乗った馬に毒薬が盛られていたことから、
命じた淵蓋蘇文を追求し今度こそ倒そうと決めていた王。
けれど、ジャンの裏切りにより王は淵蓋蘇文に殺害され、王子もまた殺害されてしまいました。

命を取り留めたヨンチュンは変わらずずっと王女を一番に案じ続け、
王女を不幸にする父淵蓋蘇文とは進む道が相反してしまいます。
愛し合い求めあいながらも、父を殺害されてしまった王女が
はたして淵蓋蘇文の息子ヨンチュンを許せるのだろうか?でももう王女は一人きりです・・・。


2014.1.30
4話までカリスマ揃いで独創的

第一話の印象はね、黒を基調とした重厚感のある映像美と壮大なサントラが
カリスマ俳優たちのオーラと存在感でさらに引き立つ心地よさ。
なのに、
肝心の二人の出会いのシーンは変な演出で萌えるどころか唖然となり吹き出す始末。
しかも時々変に軽いエレキギターの曲が挿入されてドラマのムードがぶち壊しに。

もうこの地点で、今後変な演出が多用されるようなら見るのやめようとすら思ったんだけど、
それでもそれ以外のところでどうも惹かれて見始めることに。

栄留王と淵蓋蘇文は外交政策において意見を異にし、それがために対立を深め熾烈を増してきました。
そんな政情の中恋に落ちてしまったのが栄留王の娘王女ソヒと淵蓋蘇文の庶子ヨンチュン。

大人しい弟王子よりも王に向いていると栄留王に言わしめる文武両道で
決断力と情を持ち合わせた聡明な美人王女は町で出会ったヨンチュンに一目ぼれします。
自分に好意を見せる女性が王女だと知ったヨンチュンは彼女の勧めもあり宮廷武士の難関を突破し
晴れて王女付の護衛に。

父淵蓋蘇文から捨てられ受け入れてもらえないヨンチュンは自らの運命を切り捨てて
新しい道で生まれ変わりたかっただけなんだけど、
近くに居すぎるために、淵蓋蘇文との関係が無かったことにはできませんでした。

淵蓋蘇文側のさる貴族が王子暗殺を企て、
暗殺者が毒薬を仕込もうとしたところを阻止したことがきっかけで
ヨンチュンは淵蓋蘇文の血を分けた子であることが周知の事実となり、
また、仕官前に裏稼業から引き受けた移送人質の暗殺犯だったことを、
当時剣を交えたジャンに看破されてヨンチュンは死罪を言い渡されました。

既に特別な想いが生まれていたヨンチュンと王女。
でもどんなに手を尽くしてもヨンチュンを救いだせなかった王女は、
ヨンチュンの絞首刑を見守ることしかできないのでしょうか。

でも淵蓋蘇文はヨンチュンのお母さんの肖像画をひそかに廟堂に隠し持っていますよね。
もしかして本当に愛していたのは彼女だったけど、身分が違うために結ばれ無かったんじゃ?
ヨンチュンを受け入れなかったのも、淵家の人間となっても
幸せになれるはずがないことを解っていたからかもね。
淵蓋蘇文役のチェ・ミンス、栄留王のキム・ヨンチョル、そしてオム・テウン
彼らの目力、表情、立ち居振る舞いすべてからカリスマオーラ出てます。