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ハマり度☆⑤ 自覚してなかったけどハマってたな |
Netflix |
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●2018年 韓国tvN 全24話 ●演出:イ・ウンボク ●脚本:キム・ウンスク ●出演:イ・ビョンホン(ユジン・チョイ) キム・テリ(コ・エシン) ピョン・ヨハン(キム・ヒソン) ユ・ヨンソク(ク・ドンメ) ●視聴終了:2018.10.4 |
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亡国の危機を憂い果敢な人生を選んだひとりの女性と 過酷な人生を選んだ者たちの覚悟と生きざまを描いた力作 |
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列強諸国が世界へと乗り出し、アジア諸国とも通商などを求めて動き始めていた朝鮮末期。 これまでの身分制度は崩壊し、戸惑い疲弊する民をしり目に政府は内政も外交も上手くゆかず、 強国について生き残りを図ろうとする者たちが国をも売ろうとするような状態。 そんな中で国を守ることに命をかけることを誓う義兵と、大切な人を守ろうとする者たちを描いた物語。 西洋と朝鮮、日本文化が入り混じる衣装や風景、街並み、小道具。 韓国語、日本語、英語、フランス語などが飛び交い、中心的キャストの生い立ちや背景がそれぞれ詳細に描かれ、彼らの思いや夢、時代の混迷を壮大で美しい映像美と豪華なアーティスト陣によるOSTで表現されていて見ごたえがありました。 1話1時間越え、後半に行くにつれて1時間30分を目指して放送時間が伸びていくかのような尺のなかで無駄のないシーンが繰り広げられます。 私は人物たちの感情もとり逃せない、物語の展開も見逃せないと集中するあまり、毎話見終わるたびにその濃さに体力が消耗するような感覚でした。 「国を守る」という大義を抱いたヒロインが主人公でしたが、この物語の核は大切なものを守ろうとする者たちの犠牲の心。深い愛を抱いた者たちの愛し方の違いが生むそれぞれの物語に引き込まれました。 さて、舞台となった時代的に日本の描かれ方がどうなるのか見続けられるのか当初不安はありました。しかし本作はそもそもフィクションであること、そして偏りはあるもののヒールは全体的にデフォルメの激しい超極悪人に描かれていて、あくまでも主人公たちの追及する正義の対極に位置する者たちというくくりの描き方だったと受け止めることができました。 ドラマが始まる前に公開されたOST曲第一弾のパク・ヒョシン「The DAY」、もう何度聞いたか。 最も好きな曲です。作中でも効果的に使われていました。 断片的なシーンがつなげられたトレーラー(予告)的なMVになっているのでネタバレの心配はしなくてよいと思います。 あと、メロマンス「GOOD DAY」 ペク・チヨン「See You Again」 他にも心に残る曲が沢山。 ぜひ聞いてみて欲しいです。 ~ネタバレあり~ ヒロインを愛する3人の男たちが選ぶ道、彼らを愛しつつ自分の道を行くことを決意する女。 それが”誰かへの愛”であったり”国を守ること”であったり時には”過去に対する贖罪”であったりするのですが、ヒロインが固く決意し選び取った道を行く以上、物語から垣間見える「サッドエンディング」は避けられないものでした。 ヒロイン エシンはたとえ険しい道でも、国を守るという義を抱いて命をかけて生きると決めた良家のお嬢様。 ユジンは両班キム家の奴婢として生まれ両親から命と引き換えに逃がされアメリカへとわたりアメリカ軍大尉として朝鮮の地を再び踏んだ米軍人。 ヒソンは裕福だが信望のない家門キム家の一人息子であることを嫌気して日本留学を引き延ばして十数年やっと戻ってきたエシンの許婚。 もう一人、ドンメは白丁という下層の身分で幼い身で両親に捨てられ日本の武侠界で力をつけ朝鮮で支部を任され戻ってきた男。 時代の過渡期を描いてあると同時に、身分制度を含めた古い因習や求められた女性像から脱却した考えを持ち、強い意志で生きようとするエシンを愛さずにはいられない3人の男たち。 彼らはエシンを一日でも長く生かし、彼女のゆく道を支えることに人生を捧げるという愛を貫きます。 深い愛を湛えながらエシンを見つめる彼らのまなざしからは時に見えない血が流れ出ているようでいてまた微笑みが漏れ出ているようでいて。そういう言葉にはない感情表現が映像で描き出される”間”というものから伝わってきました。 そして忘れたくないもう一人の人物がキム・ミンジョンが演じた工藤陽菜。 アイデンティティーを奪われながらも立ち上がり彼女のやり方で戦い続けた、強いけれどか弱い女性本名イ・ヤンファ。最初キム・サランがキャスティングされていたのですが彼女が降板してキム・ミンジョンとなりました。 陽菜の魅力はこれまで難しい役も演じてきたキム・ミンジョンだったからこそ余すところなく表現しつくしてくれたように感じます。ドンメとの身長差も良かったし。 このドラマの生みの親キム・ウンスク作家さんと監督イ・ウンボクさんは「太陽の末裔」「トッケビ」で組みヒットを飛ばしたペア。「太陽の~」は悪くないんだけど全く乗れず大ヒットを横目にリタイアしたのですが、「トッケビ」は良かった。 今回また新たな次元へと移ったのではとすら思うほどでした。 さて、私は本作でわけもわからずただただ惹かれドンメを追っていました。 日本刀をさした着流しの浪人姿、剣の腕も高く、銃も撃つ。 彼は日本へとわたる前、追われているところをエシンに助けられたことがあり、ドンメを人間として見てくれたただ一人の女性を一途に思い続けました。 時折見せるドンメの行動があまりに不器用でなぜそんななのか全く理解できなくて。 でも最後にはちゃんと伝わってきました。 愛が報われることはないけれど、彼女の人生の一部でありたい彼の切実な思い。 「ただ俺はそこにいるだけ」「俺をまだ生かしてる」劇中そう呟いていた彼の言葉の意味がはっきりしました。 もう一つドンメに惹かれたのは、ユ・ヨンソクがやさぐれた影のある役で明らかに演技の幅がもっとあるという新境地を見せてくれたと感じたから。 プロの方はどうおしゃるかわからないのですが、私の印象では日本刀での殺陣や着物・下駄での歩き方、走るときの腰の位置など演技や役の作り込みがとても良かったように思います。 これまで彼の出演ドラマ・映画をみてスタイルが良く色白で品のある顔立ちが映える役が多かったのですが、実は彼に適した役が他にもあるんだという気づきがありました。今後幅広い役を演じる機会が増えることを楽しみにしています。 それから主人公ユジン・チョイを演じたイ・ビョンホンの力量に敬服しています。 「常に正しい選択をする」ブレないユジンは熱い思いを抱いていつつも穏やかで余裕があって広い視野でものをみる頼もしい人物。製作費も莫大で絶対にコケられない作品でのイ・ビョンホンが受け持った役割は果たせたんじゃないでしょうか。 各国入り乱れる複雑な時代を果敢に描いてみせた「ミスター・サンシャイン」は見ごたえがありました。 壮絶な最後を遂げた人たちだけど、思い返せば彼らの笑顔が浮かんでくる不思議。 感想書いてみてわかりました、自覚なかったけどかなりハマっていたようです。 |