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その冬、風が吹く ハマり度☆雰囲気に酔える
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OST(SBS 韓国版)

●2013年 韓国SBS  全16話
●演出:キム・ギュテ   ●脚本:ノ・ヒギョン
●出演:チョ・インソン(オ・ス) 
ソン・ヘギョ(オ・ヨン) 
キム・ボム(パク・ジンソン)

●視聴:2013.8.16-9.5   KNTV
●Story
オ・スは木の下に捨てられ、施設でス(樹)と名づけられ育った。
度胸と体力を基盤に、弟分のジンソンと共にいかさま賭博で荒稼ぎする根無し草。
けれど捨てた女に裏社会のボスの金を横領した罪を被らされ1年服役。
出所後も横領したという78億もの金を払えと追われる身に。
そんなスにはPLグループの一人息子だったという事故で死亡した同姓同名オ・ス(守)
という弟分がいたが、PLグループの会長亡き後にス(守)を捜しにきた弁護士に
本人と間違われた。
この状況を利用せざるを得ない窮地に立っていたスはス(守)になりきることにするが・・。
レビュー
1-2話  3-7  8-10  11-13  14-16完
生き地獄の中で見つけた愛
愛の前で臆病にそして不器用にもがいた2人の純愛物語
出会い、築き上げた関係がそもそも嘘偽りの幻の上。

視力を失ったうえ、周りに親身になってくれる人がいても
富豪の娘であるがために常に孤独で疑心暗鬼の中。
そんなヨンから愛まで奪ってしまったス。

ただスはどん底の世界を這い回り、今でも生きるか死ぬかの瀬戸際。
それでもヨンを心から愛していたからこそ2人の純愛が切なくて美しいんですね。

この作品はカメラワークが印象的です。
個々のキャラクターの気持ちを伝えるところでは上下が切れるほどのアップで表情を捉えます。
それが見ていてすごく集中させてもらえるんですよね。
つまり、ここぞという心境はチョ・インソンもソン・ヘギョも
表情だけで
表現していると言っても過言ではありません。
だからこそ、インソンの熱演はもうすごいの一言ですし
ヘギョちゃんの美しさは極まっているの一言です。

2人を取り巻くサブキャラクターたちは敵か味方かなかなか見えない展開になってます。
ヨンのすぐそばにいる人たちは各自の事情からヨンに対して
誤解を招く行動を取ってしまっていますが実際ヨンに対しては心から心配し愛してくれる人たち。
常に幸せの中にありながら、互いに不器用過ぎて想いを伝えられていなかったんですね。
スとの出会いがあったからこそ、そのことに気づけた。
っぱり純愛物語です。

さてラストのあの春を迎えるまで、一体どんな経緯があってスが怪我からリカバリし、
ジンソンが無事家族と田舎に行けたのかや
ヨンの病気が手術によってどれくらいよくなってあの晴れやかな笑顔になったのか
具体的に語られていませんがヨンは穏便に会長職を退き、
元婚約者の本部長や皆さんとも和気あいあいと暮らせているようです。

2人を縛っていた金や疑心、恨みや孤独からは解き放たれたようで、
全体的にファンタジー色を感じさせていた本作のラストでは2人の心を表現したような満開の桜。
素敵な映像美でした。


2013.9.5
16(最終)話まで命をやり取りする世界だからこそ

愛し合っていると確認した今は、ヨンの心の傷が深いことをさらに再確認するばかり。
ヨンもまた、手術を前にスとの別れを決意して78億を用意しました。
法定代理人もワン秘書からチャン弁護士に変更し、
長年ヨンのそばで世話ししてきた彼女も解雇となりました。

けれど、ヨンは手術を延期し、世話をしてくれるミラやチャン弁護士を上手に人払いし
一人でリストカット自殺を図りました。
いくらチェ教授が凄腕だとしても手術が成功する可能性を信じられず
また目覚めたとしてもスはいない。そんなことを恐れていたのかもしれませんね。
でも手術に現れないヨンの腑に落ちないメッセージを聞いたスは手首から血を流すヨンを見て絶句。
ただ命は取りとめました。

スを求めているヨン。ヨンのもとになんとしてでも戻ろうと決意を新たにするス。
手術後の希望を胸にヨンは、スへの愛を真っ直ぐに告白し、
スはキム社長への借金を全額返済するために巨額が動く賭場をセッティングしました。

ギャンブラーの力量を発揮したスは勝利。
けれど、家族を人質にとられたジンソンに刺されてしまい・・・・。

翌春ヨンは生きて明るく笑っています。
時々、どこからともなく聞こえるスにプレゼントした鈴つきのブレスレットの音に
耳を澄まし恋しくなる毎日。
行きつけのカフェでフロアの店員から声をかけてもらうのをもう何ヶ月か待っているヨン。
その店員はス。
僅かながら視力が戻ったヨンはおぼろげなスの笑顔に満足。 
2人で歩む夢が叶う第一歩。


2013.9.1
13話までどういう決断をするのか

ヨンの手術を脳外科の世界で高く評価されているチェ教授に執刀してもらうため、
スは宿敵とも言えるムチョルに頭を下げました。
チェ教授は荒れた家から一人飛び出して成功していた人で、弟ムチョルはヤクザの世界へ。
そのムチョルもスに78億の借金を取りたてていながら、
自身も肺がんで余命3ヶ月の宣告をうけています。

チェ教授が執刀を引き受けてくれたものの病状から見て成功率は僅か10%。
余生を穏やかに過ごすよう勧めたチェ教授だけど、
何か助かる可能性のある方法を見つけてくれたようです。

そんな中、スの正体がバレました。
ワン秘書はヨンがスの言う事を聞いて治療を受ける以上スがそばにいてくれることを取ったけど、
ヨンはスを男としてみている自分に恐々とし、愛してさえいることに苦しんでいたため
この嘘は大きな傷になりました。

スは、その昔ヨンの失明が脳腫瘍によるものではないと知りながら目の治療をさせなかったワン秘書と
ワン秘書に口車をあわせた医者を見つけました。
ヨンの手術を最後に、ワン秘書とスにここを去るように言ったチャン弁護士。

手術の前に、ヨンはスに旅行を提案し、両親が別れる直前に行った山小屋へ向いました。
自分が兄じゃないと知っているヨンがどんなに辛い思いをしているか伝わってくる。
とうとう実の兄ではないと自らの口で言ったスとはもう別れるしかなく、
それはそれでやっぱり辛いヨンです。

スから、オレの事にはもう関わらず、家族と愛するヒソンをつれて田舎に行けと言われたジンソン。
借金の返済を諦め、命を差し出すことを選択したスを捨て置けなくて
ジンソンはギャンブルで78億を作るため、友達からまとまった金を借りました。
でもこの金はスの死を待っている張本人キム社長が出どころ。

金に困ったものが返済のために多重債務に陥る心理をついて身動きできなくさせるヤクザたち。
いくら義理堅くても、ジンソンに何かあったらスがどれくらい苦しむか・・・
もう完全な赤信号がともった窮地からジンソンだけでも救いたかったはずだよね。

2013.8.30
10話まで生きる目的ができたかも

ヨンを愛しはじめたスは、もう引き返せない道に入り込んだことを自覚しました。

孤独に耐え常に気丈に振舞いながら、心の底から自分を必要としているヨンがいとおしい。
そんなヨンが今脳腫瘍が再発し命が危ういと知って何かががらりとかわりました。

スの持っていた薬が動物の安楽死に使われるものだと知ったヨンは
それを持ち込んだスの企みと、それを自分が飲むことを妨害したスの本心が見えなくて苦しいところ。

ヨンは、脳腫瘍の手術も治療も拒否。
たとえ成功しても再発の可能性が高い状態で過酷な治療をするより、
残された人生を受け入れたいと考えるヨンは、イ本部長との結婚を急いでます。
スがここを去る前に美しい自分の姿を見せたいんだよね。
でもヨンを愛しているとは考えにくく、他に女がいるイ本部長にヨンを託すなんて出来ないス。

スに対する執着を断ち切れないソラは彼がPLグループの御曹司ではなく
清澤洞のギャンブラーと呼ばれた孤児の方だとワン秘書に匂わせました。
スがいたらしいという施設を捜すワン秘書。

スの正体がばれるのは時間の問題となってきました。
正体がばれてもヨンはスを受け入れるかな?男として彼を愛すようになるのかな?
もし愛し合っているとしてもヨンの病状からみて末永い幸せは望めそうもなく・・・。
切ないね。

2013.8.29
7話までスの心はもう

ヨンの心の中にある生への絶望を感じ取ったスは、同時にヨンの寂しさが理解できた。
身の回りの世話から会社の経営に関する業務まで全てを取り仕切ってくれるワン秘書に
ヨンが不信感を抱いているのは、
幼い頃失明の危機に見舞われたとき、治療をしてもらわなかったことや
愛する母と兄と別れなければならなかったのはワン秘書が父の愛人だったからという理由。
ヨンが密かに撮り溜めてきたセルフビデオのメッセージを見て一つ一つヨンの本心を知っていく。

スは、19の頃愛する女性に自分の子が出来た事を知って彼女を拒絶、
その後バイク事故で彼女を亡くしています。
過去の傷を今でも抱える詐欺師のスの心を理解し受け止めてくれるヨンに涙するス。

ヨンはスの本心から出る自分への優しさを確実にキャッチしていて、
3ヵ月後スがヨン元を去る事を常に覚悟している様子。
でも甘え、頼り、何よりも金が目当てだとしてもスを信じたいという切なる思いはほとばしる。
知らぬ間にスはヨンを愛し始めています。

スとヨンの仲が近づけば近づくほど気に入らないのは3人、
まずヨンの婚約者イ本部長。抱える秘書と交際していながら
ワン秘書の後押しでヨンと婚約しようとしています。
女がいながらヨンと結婚しようとしているのを知ったスはイ本部長を警戒中。

そして二人目がヒソン。
亡くなったスの恋人の妹。ヒソンもまたスを愛していて、
姉への償いを理由に他の女のもとに行くことを阻止しようと必至。

3人目が女優のソラ。
このソラがスを刑務所に送り、出所してなお78億もの借金地獄に落とした女。
ソラもまたスを愛していて、自分が海外で活動する間他の女に取られまいとして考えたのが
スを女のいない刑務所に送り、その後借金で手も足もでなくすること。
どうやったって、ソラはスにとって捨てても良い女でしかなかったため、
いざソラを捨てようとして憎さ百倍、彼女からとんでもない報復を受けて今の状態に。

スへのこだわりが人一倍大きいソラの存在を知ったイ本部長は公の場でスにあわせるつもり。
スが御曹司のスなのか、詐欺師のスなのかはっきりさせたい考えです。

2013.8.17
2話までなるほど独特の映像美

佇まいが絵になる、と、ヘギョちゃんを撮影したカメラマンのコラムを読んだ事がありますが、
このドラマのカメラワークというか、構図はもともと俳優のアップが多い韓国ドラマの中でも、
さらに顔に「寄って」独特の雰囲気をかもし出しています。
ヘギョちゃんもインソン君も、その佇まいが実に絵になっています。

さて、身寄りのないオ・スが何とか生きてきた裏社会で、つまらない女に嵌められ
逃げようのない借金地獄におちてしまいました。

生きる望みがなくとも、生きたいと望んだスは、
PLグループ会長の一人息子だったという亡き弟分のス(守)になりきって
借金78億をこのグループから得る計画に着手しました。

今遺産相続の権利を持っているのは盲目の妹ヨンただ一人。
彼女の近くにいるのは父会長の内縁の妻だった元秘書と婚約者と弁護士。
弁護士さんは亡き会長の血のつながった息子であるスを捜していた人。
何か裏があるかも知れないけど、ないかもしれない。

元秘書は一緒に住んでいるもののヨンには懐かれておらず。
会長亡き今となっては彼女の立場は不安定。何か身を守る策をきっと練っているはず。

そしてヨンの婚約者との間には愛は一切なさそうで、突然現れた兄と名乗るスを警戒しきり。
今のところDNA鑑定などの決定的な関係確認は行われていないためうまく本物として入り込めた。

でも鍵となる当の妹ヨンはこれまで一人で寂しい思いをしてきたこともあり
兄にぶつけたい愛と憎さがある様子。

「お金が目当てなら私をホームから電車に突き飛ばして」と死を望むヨンに、
生きることへの悲しい陰を感じて共感を覚えたス。
2人の間にかすかに生まれた”感情”が今後このドラマを色のある世界に変えてくれそうです。