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ハマり度☆④感無量 | ||
●2018年 韓国tvN 全16話 ●演出:キム・ウォンソク ●脚本:パク・ヘヨン ●出演:IU(イ・ジアン) イ・ソンギュン(パク・ドンフン) ●視聴終了:2018.9.8 |
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出口のない人生のどん底のなかで、義理と柔らかい人情で結ばれた人たちが 互いに癒され生きる力を得る。 「未生」の監督が描き出した哀しみと癒しの物語 |
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この作品は「未生」のキム・ウォンソク監督による演出であったからこそ描き出される哀しみと癒しがありました。 どの登場人物も人生のどん底、そこから抜け出す方法も見つけられず、何とか今を生きるのに精いっぱいという状況。そんな中新たな出会いによって変化を始めます。 辛く悲しい現実を抱えた人たちがもう一度生きようと思える人生悲喜劇をほんのりとした柔らかい温かさで包んで見せてもらえました。 本作は社内の派閥闘争にドンフンが巻き込まれたことが発端でジアンと関わることになり、互いの最悪の境遇を知ってしまいます。ドンフンとジアンは互いの哀しみの意味を理解できるゆえにそれぞれが最も守りたいものを守ってあげようとします。 「救われる」という言葉がしっくりくるそんな行動。 作中、善意だけでは誰かに手を差し伸べるのは3回までが限界と言います。 けれど互いに救われていく本作の人々の間には”人情”という名の強い思いやりが存在しました。 特に幼くして親の多額の借金と病弱な祖母を抱え追い詰められ時に暴力を受け、周りには無視するものか敵しかいない環境の中でまるで手負いの獣のように誰も信頼することができなくなったジアンにとって、最も守りたいものを守る手助けをしてくれたドンフンという一人の大人の存在がいかに大きかったかがわかります。 現実を受け入れるがゆえにどん底から這い上がれなくなっていたドンフンとジアンに対して、 ドンフンの兄弟たちや友人はどん底の元となった現実から目を背け続けることで抜け出せなくなっていました。過去の自分と向き合うしかなくなる、そんな出来事によって心に変化が生じていきました。 時間が必要だった部分もある。 今だったからこそ意味があったと言える部分もありました。 苦しくつらいことの中でもがく姿と救われていく人々の姿をほのかな温かさで描き出した本作は本当に深かったです。 監督・脚本が素晴らしかったと同時に、演じた彼らの味わいが素晴らしかった。 IUのジアンは難しい役だったにも関わらず、本作をを話題作にしたのは彼女の力。 ジアンが救われていく信頼できる人を演じたのは温かさと優しい声の持ち主イ・ソンギュンだから。 そして本作をクオリティーの高いものにしたのは名バイプレーヤーであるドンフンの兄弟役のお二人だったように思います。 不祥事で降板したオ・ダルスの代役で上がった兄役のホサンさん、あまりにしっくりしていてね~ それから本作で大発見だったのは私の初だったギフン役ソン・セビョクさん! 巧い俳優さんまだまだいるんだな!と愕然としました。 舞台や映画畑で活躍されていたバイプレーヤーさんのようです。ドラマは初? いくつか映画見てみようと思っています。 一番心に残っているのはやっぱりジアンの境遇。 子どもの頃に出会う身近な大人の影響の大きさと責任。 演じたIUとチャン・ギヨン、二人の演技もすごく良かったなぁ |