HOME海外ドラマのあしあと>ホロウ・クラウン
ホロウ・クラウン
嘆きの王冠

Note
放送:イギリスBBC
シーズン1 2012年 全11話 / シーズン2 2016年 全8話
レビュー
シーズン2


HOME海外ドラマのあしあと>ホロウ・クラウン>シーズン2
ホロウ・クラウン
嘆きの王冠 シーズン2
The Wars of the Roses
ハマり度舞台を堪能した気分
DVD-BOX
●2016年 イギリスBBC 全8話
●原作:ウィリアム・シェイクスピア 戯曲シリーズ
●出演:
ベネディクト・カンバーバッチ(リチャード3世)
トム・スターリッジ(ヘンリー6世)
アンドリュー・スコット(ルイ11世)
ジュディ・ディンチ(セシリー・ネイヴィルヨーク公爵夫人)
●視聴:2016.12.4-12.7 衛劇

●イントロダクション:
フランスにイギリス領土を確保した英雄ヘンリー5世が逝き、
幼きヘンリー6世が即位したのは生まれて9か月。
以降17年間叔父のグロスター卿が摂政として王を支えてきた。
しかしヨーク公爵リチャードは、わが家門こそが王にふさわしい
と声を上げ始めたのだった。
S2レビュー
1-4話  5-8  完
イギリス王朝の一時期を描いたシェイクスピア劇のTV化
映像・展開・キャスト、引きこまれて堪能できた
ランカスター朝とヨーク朝時代の王権を巡る争い「ばら戦争」の頃を描いた戯曲。
これを現代の技術でTVドラマ化した力作でした。

あのシェイクスピアの戯曲ということで、キャラクターはかなりデフォルメされ
展開もスピーディー。
戦闘シーンや惨殺シーンもあるものの、それより迫力に惹かれてラストまで
かなりの勢いで見進めました。

前半描かれたヘンリー6世は、カリスマあふれる強気王とは真逆の
弱弱(よわよわ)のキャラとして表現され、
ベネディクト・カンバーバッチ演じたリチャード3世はかなりずる賢く
やり口が汚いキャラとして描かれています。

あくまでも物語であって、歴史に埋もれた真相や人物像までは描き切れないのでしょうが、
意図されたキャラクター設定を体現しきった出演陣たちの皆さんは素晴らしいですね。
本当に舞台を堪能した気分です。

シーズン1もあるようですが、気が向いたら見てみようかなと思っています。


2016.12.7
S2 8(最終)話まで血生臭い権力争い

エドワード4世が即位し、ヨーク朝が本格的にスタート。
しかし、エドワードは美しい未亡人エリザベスを王妃に迎えると勝手に発表したことで、
フランス王ルイ11世の妹を王妃にという縁談をフランスへと運んでいた重臣ウォリック伯は
面目を失って大憤慨の挙句、エドワード4世を見限って
当時ルイ11世の庇護を受けていたヘンリー6世の王妃エリザベスと王子に鞍替えしました。

一時、エドワード4世の下の弟リチャードの差し金で、上の弟クラレンスと4世が仲たがいし、
クラレンスがウォリック伯側についたものの、兄弟愛で復帰しています。

このころからリチャードは陰で暗躍をはじめており、クラレンスを死なせたあと
エドワード4世が病で世を去った後にはすぐさま、腹心バッキンガム公と組んで王位につきました。
王位継承者であった甥たちエドワード4世の息子王子たちを殺害して。

リチャード3世が誕生したものの、
利害で協力関係にあった腹心のバッキンガム公をないがしろにし、身内を殺害し、
無理矢理王妃にしたアンも殺害。信望も政治的手腕もなかったリチャード。

フランスからリチャード2世に遡るランカスター派のリッチモンド伯ヘンリー・チューダー
が軍勢を起こし、ボズワースの戦いでリチャード3世は破れた。

数々の恨み、呪いを受けた非道なリチャード3世の物語。

2016.12.4
S2 4話までテンポの良さ

時々演劇的なセリフや演出が見られるとおもったら、
シェイクスピアの戯曲シリーズをTVドラマ化されたものでした。
そのため、展開運びがスピーディーでありながら、
全8話をかけてじっくり描けているという感じに。

4話までで描かれたのは、優しいけれど王としては弱いヘンリー6世の時代。
現王の祖父ヘンリー4世がリチャード2世から王位を奪ったという論調で
ヨーク公爵リチャード・プランタジネットは
われらこそが王にふさわしいと声を上げ始め始めました。
有名な「ばら戦争」の勃発です。

ヘンリー5世が領地を拡大したフランスでは
有名なジャンヌ・ダルクがイギリスからの領土奪還の戦いを進めていました。
ジャンヌ・ダルクとの戦いには勝ったものの、権力を掴もうとしていたサマセット公爵が
フランスのアンジュー公の娘マーガレットを王の妃として推薦したことから、
領地はフランスの都合よく返還となってしまいました。

おまけにマーガレット王妃とサマセットは男女の関係を続けており
王は忠実な側近であった叔父グラスター卿を王妃らに失脚させられ
操り人形のごとき状況へと変化してしまいました。

弱き王と奸臣らが治める国を立て直すという大義も掲げて
ヨーク公爵リチャード・プランタジネットは戦を経て勝利をおさめ、
ヘンリー6世の死後に王朝をリチャードへと譲渡するという約束がなされました。

しかし黙ってはいないのが王子を産んでいるマーガレット王妃。
マーガレットは軍を率いてヨーク公爵邸に進撃し主リチャードを謀反人として殺害しました。

残されたリチャードの3人の息子たちは当然ながら立ち上がり、
長男エドワードを主として再び戦いに挑み勝利を収めました。
誕生したエドワード4世。
ヘンリー6世は獄につながれ、
マーガレット王妃と王子はフランス王太子の庇護のもとへ逃げおおせました。
TOPへ