2004年から2010までおよそ7年にわたってアメリカCBSで放送された人気シリーズ「コールド・ケース」がAmazonにて有料ですが配信されています。
かなり前にファイナルを迎えた作品なので知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「コールドケース」はこの後お話しする、楽曲の権利上DVD化は望めないというドラマゆえに、配信でいつでも見られるようになっているというのはとてもありがたいことです。
今回は、私が2006年から2011年までに見た時の感想を振り返りつつ本作の魅力を語っていきたいと思います。
作品情報
放送・シリーズ
放送
アメリカCBS 全7シーズン
シリーズ
シーズン1 | 2004年 全23話 |
---|---|
シーズン2 | 2005年 全23話 |
シーズン3 | 2006年 全23話 |
シーズン4 | 2007年 全24話 |
シーズン5 | 2008年 全18話 |
シーズン6 | 2009年 全23話 |
シーズン7 | 2010年 全22話 |
*シリーズはシーズン7でファイナルを迎えました
クリエイター・演出・キャスト
クリエイター:メレディス:スティーム
コールドケース
ブリッジ~国境に潜む闇~
製作・演出:ジェリー・ブラッカイマー
CSIシリーズ
ルシファー他
キャスト
キャスリーン・モリス(リリー・ラッシュ)
ダニー・ピノ(スコッティ・バレンズ)
ジョン・フィン(ジョン・スティルマン)
ジェレミー・ラッチフォード(ニック・ヴェラ)
トム・バリー(ウィル・ジェフリーズ) 他
そもそもコールド・ケースとは
「コールド・ケース」とは、迷宮入りしてしまった未解決の凶悪犯罪事件をさしています。
ドラマの舞台となるのは「時効」のないペンシルベニア州フィラデルフィア市警の殺人課。
リリー・ラッシュと上司・同僚らが新たな情報や証拠をもとに再捜査していく1話完結型の物語です。
コールドケースの魅力と個性
珠玉の名曲たちが彩る時代感
「コールド・ケース」の魅力の一つは音楽。
扱う事件が発生した年のヒット曲が劇中効果的に使用されています。
使用させてもらうだけでも許可を得るのに大変な努力をされたそうで、そのため、著作権上の理由からDVD化がされる見込みは本国でもありませんでした。
全7シーズン配信でいつでも見られるなんてありがたいですね!(Amazonプライムで有料となっていますが)
ジェリー・ブラッカイマーの演出センスが光る
コールド・ケースを初めて見た時の印象は「スタイリッシュ」
先ほどお話しした音楽とのケミストリーが素晴らしいことに加えて、映像がカッコイイんです。
黒を効かせた色彩やコントラストの効果が生かされていること。
そして、事件当時と現在の関係者たちをオーバーラップさせる演出など視覚的な部分から感情に訴えかけてくる工夫がされています。
中には、かなり古い時代を扱った時代もあり、時代考証や社会風景などにも注意が払われていてとても興味深い部分も。
編集などのテンポの良さなど、大人気CSIシリーズを手掛けられていたジェリー・ブラッカイマーの得意なジャンルでもあったと感じました。
熟練のプロの技と鮮やかさ
刑事ドラマですが、アクションや銃撃戦などのシーンはほぼありません。
S4で派手なのが一度あったくらいかな。
聞き込みと取り調べの積み重ねでテンポよく畳みかけるように解決していきます。
証言を取るのも吐かせるのも、捜査のポイントを見つけ出すのもプロの技を持っているリリーたちだからこそ。
決して相手には巻かれないし、巻かれたふりをしながら失言や告白をサクッとすくい上げていく。
チームプレーの部分と個の実力の部分、それぞれが生かされていました。
主人公リリーの魅力
リリーのアプローチからは、犯人と犯罪に手を染めない人々との差はほんの紙一重であり、犯罪を犯した人は「人間」として重大な過ちを犯したんだととらえている様子がうかがえます。
だからこそ、常識では理解できない犯人の動機や証言がうまく引き出せるようでした。
自白させるのがうまいのが「クローザー」のブレンダなら、リリーは人情落としのプロという感じかな。
コールドケースとは
凶悪未解決事件を紐解くチームの活躍
時代時代を象徴する楽曲と事件解決をヒューマンに描く
スタイリッシュな刑事もの
ハマリ度は
全シーズン通してみて、
4
アクションだけでなく、仕事に影響しまくるような恋愛の要素も限りなく排除されていたのかと思えるほど事件がメイン。
もちろんそれぞれに抱えるプライベートの問題は描かれていました。
ですが、そこは目撃者や関係者から証言を引き出す彼らの人間味とプロフェッショナルさに反映させてあり、とっても効果的でした。
それがシリーズ長続きの秘訣だったようにも思えます。
あ~本当に好きな面々だったんですよ私。
特にあのリリーの不器用さと、仕事はできるんだけどどこか薄幸な美人さが・・・。
余韻の残る、けれどキレのいいドラマ。
おススメです!
Amazonプライムビデオで有料配信されています(2022.3.5現在)
ここからはネタバレがあります
ご注意ください
さいごに結末などを少し
リリーはFBIから声をかけられていたのですが、行くかどうかは想像の世界。
クスリと暴力でボロボロになっていた犬猿の仲だった妹を助け、妹の赤ちゃんを受け入れることにしたリリーに新しい人生の扉が開いたのは確か。
チームのメンバーにも転機が訪れていて、今後このメンバーで仕事をしていけるかどうかは分からないんですが…。
でも、まだ今でも彼女たちはフィラデルフィア市警のどこかで着々とひとつずつ確実に未解決凶悪犯罪を解決に導いていると思えるようなさりげない最終話でもありました。
本当に余韻の残る、でもキレのいいドラマでした。
おススメです