2014年、ジャンルドラマに強いケーブルTV局OCNで放送されたクライムアクションサスペンス「バッドガイズ」(原題:悪い奴ら)。
主演にはキム・サンジュン、マ・ドンソク、パク・ヘジン、チョ・ドンヒョクといったシブい顔ぶれをそろえている点で本気度がうかがい知れるキャスティングでした。
2015年に見た時の感想も絡めながら改めてご紹介しようと思います。
今回も後半でネタバレあらすじ・感想を語っていきたいと思います。
前半はネタバレなしでお読みいただけますよ。
バッドガイズ~悪い奴ら~作品情報
放送・演出家・脚本家・キャスト
放送:2014年 韓国OCN 全11話
スピンオフシリーズとして別キャラクターたちの「バッドガイズ2~悪の都市~」がOCNで2018年に放送されています
演出:キム・ジョンミン
バッドガイズ(2014)
身分を隠せ(2015)
平日午後3時の恋人(2019)他
脚本:ハン・ジョンフン
バンパイア検事(2011)w/ヤン・ジナ
バンパイア検事2(2012)
バッドガイズ(2014)
元カレは天才詐欺師(原題:38師機動隊)(2016)
ミッシングナイン(2017)w/ソン・ファンウォン
バッドガイズ2~悪の都市~(2018)
ダーリンは危機一髪(2019)他
キャスト
キム・サンジュン(オ・グダク)
マ・ドンソク(パク・ウンチョル)
パク・ヘジン(イ・ジョンムン)
チョ・ドンヒョク(チョン・テス)
カン・イェウォン(ユ・ミヨン)
カン・シニル(ナム・グヒョン)他
本気が伝わるクライムアクション
脚本のハン・ジョンフン作家はジャンルものがお得意の作家さんで、手堅いクライムサスペンスを書いてこられた方。
そして、本作の日本での初放送は2015年WOWOWで、私はその時に見ました。
激しい暴力シーンやグロい殺害シーンなど手抜き一切なしの作風だったので、海外ドラマのクライムサスペンス系に慣れた視聴者の方が楽しめると判断してのWOWOWだったのかな?という印象を受けたことを覚えています。
2015年ころの韓国ドラマの視聴層はどちらかといえばロマコメやファミリードラマを好む大人の女性が多いと判断されていたからかもしれません。
実際、最初の2話はこれでもか!という連続殺人の場面が出てくるし、登場人物たちの不協和音もあって少々疲れるほどでした。
しかし、本作が本格クライムアクションを見せようとしている気迫は十分に伝わってきていました。
本国放送時の予告編
本国の第一話予告アクション編(35秒ほど)はこちら。
キャラクターたちのパワフルさが垣間見える予告編になっています。
冒頭あらすじ
娘を殺した犯人を恨み続けるグダクは過剰捜査ゆえに”狂犬”とあだ名がついた常識はずれな刑事。
グダクは、信頼する上司ナム警察庁長から
「連続殺人の捜査中に担当刑事だった息子を刺して殉職させ逃亡した犯人がいる。いかなる手を使ってでも奴を捕まえてくれ」
と頼まれた。
グダクは長期刑で服役中の3人の囚人を捜査チームに入れることを条件に引き受けるのだった。
コンセプトは凶悪犯で凶悪犯を捕まえる
グダクがナム庁長に連続殺人犯逮捕に集中する条件として出したのは、重罪の長期刑受刑囚である以下の3人を、減刑を条件に自分の捜査チームに加えることでした。
- 暴行・拉致・監禁で服役中の伝説の暴力団組員 パク・ウンチョル
- すご腕殺し屋 チョン テス
- 連続殺人犯サイコパス イ・ジョンムン
腕力・戦闘力・犯罪心理など、それぞれの持つ特徴を生かそうという意図が見えるセレクト。
けれど、何か他にもわけがありそうにも見えました。
戦闘シーンがすごい
2015年に視聴したときの4話あたりでの私の感想には“ほぼ戦闘シーン!”と書いています(笑)
ちょうどそのあたりのエピソードは一般人を拉致して臓器を取る超悪徳臓器売買グループの摘発でした。
この特殊なチームでないとこの組織に食らいつくのはまず無理!というすごいシーンの連続でした。
ともに戦ううち、徐々に彼らの間に連帯感が見えてくるのですが、その頃には物語にぐいぐいと引き込まれ始めていました。
それぞれのエピソードも豊富
チームで摘発に動く事件をいくつか描きつつ、各人物たちの過去や服役することとなったエピソードなども描きこまれていきます。
多くの人物エピソードを積み重ねていく手法は、エモーショナルな韓国ドラマの定石を外さないところ。
見終わるころには、彼らを“凶悪犯たち”という一面的なくくりでは見られなくなっています。
ほんとに、適材適所のキャスティングでしたし。
バッドガイズ~悪い奴ら~とは
凶悪犯を逮捕するために集められた凶悪犯たち
独特の個性と魅力があるアウトロー刑事もの
ハマり度は
4
見終わってみると、なんだか良かったな~とジワる作品でした。
グロい血みどろ殺害シーン、暴力シーンがあるので苦手な方はご注意くださいね。
冒頭1・2話は本作のテイストに慣れていないのもあってかグロくて重めでしたが、そこを過ぎると落ち着いてきて物語がどんどん進み始めましたよ。
ここからはネタバレがあります
ご注意ください
ネタバレあらすじ・感想
私怨がすごすぎて判断が曇るひとたち
”家族を殺された、犯人はそいつに違いない!”そう思ってしまったらそうとしか思えなくなってしまった人たち。
人間だもの激しい感情で目がくらむのは仕方がないよ、という感じが韓国ドラマの刑事ものを見ているとときどき透けて見えるときがあるんですが、ダメです警察はくらんじゃ。
冤罪注意ですよね~。
本作では連続殺人犯のサイコパスとして服役しているジョンムンが再三命を狙われます。
遺族からの恨みを買っていたからなのですが、中盤を過ぎてなんとグダクが娘を殺害した犯人としてジョンムンに死をもって償わせようとしていたことが分かります。
けれど、ジョンムンは真犯人ではなかった。
そんな衝撃の事実が判明するのです。
黒幕
無実の人間を犯人に仕立て上げ、仕立て上げるために哀しみと恨みを抱えた遺族をたきつけ操る。そこまでした黒幕とはなんと内部の人間オ検事でした。
オ検事は妻を連続殺人犯に殺害されていて(犯人に家族を殺害される人多すぎる…泣)、犯人を逮捕し法にのっとり自らの力で服役させることに成功していました。
けれど、刑務所の中で罪を償うことも改心する風もない犯人をみたといいます。
オ検事は、本当の罰とは大事な人を無力に奪われること。
だから奴に自分が味わった苦しみを味わわせることが正義だとまで曲解を進めそれを実行することに大義を見出していました。ただの復讐でしかないのに。
妻を殺した犯人の妻を、連続殺人犯による殺害に見せて殺害させたオ検事。
その連続殺人犯に仕立て上げられたのがジョンムンでした。
証拠不十分で釈放されたジョンムンをグダクに逮捕させるためグダクの娘もターゲットにしたオ検事。
グダクの目を曇らるためだったということでした。 ひどい話だ全く。
最高の三人衆
凶悪犯3人衆は途中、連帯感が生まれたなと感じる瞬間があって、その絆にちょっとグッとくるところがありました。ブロマンス好き派。
マ・ドンソク
粗暴だけど優しくて力持ちなキャラクターがすこぶるうまいマ・ドンソク。
見終わってみて、よくジョンムンを守ってくれたよ(実際無実の人だったし)ありがとうね!という気持ちになりました。
チョ・ドンヒョク
もう風貌から動きまで、暗殺者役ぴったりというチョ・ドンヒョク。ほめてる←
パク・ヘジン
サイコパスではあるけれど犯罪に手を染める人ではないジョンムンをパク・ヘジンがとても繊細に過不足なく演じていました。
途中、本当に連続殺人犯なのかも???とも思えたし、いやいや殺したみたいなことやっぱり一回も言ってないよね?って思ったり。
そういうストーリー上の曖昧さまで演じていたパク・ヘジン。
いろいろと思い返すと語りたくなりますが、本作の面白さは映像に宿っていました。
興味のある方はぜひ見てみてくださいね!