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ザ・コール 韓国映画 視聴感想 パク・シネ主演サイコスリラーNetflixオリジナル

ザ・コール

コロナ禍、多くの映画が劇場公開を断念するケースが相次いでいますが、そうした作品の公開先としてNetflixが選択されることも多くなりました。

本作、「CALL」(邦題:ザ・コール)もその一つ。

劇場で映画が公開されなかったのは残念だっただろうとは思いますが、国外の映画ファンのひとりとして、全世界同時配信の中でいち早く気になる作品が見られるのはうれしいことではあります

早速視聴してみて感じたところを語っていきたいと思います。

作品情報

配信:2020.11.27 Netflix全世界配信 →Netflix番組ページ

監督・脚本・キャスト

演出・脚本:イ・チュンヒョン

短編映画「身代金(Bargain)」(2015)
ザ・コール(2020)
短編映画「ハートアタック」(2020)

脚本:カン・ソンジュ

キャスト:

パク・シネ(ソヨン)
チョン・ジョンソ(ヨンスク)
キム・ソンリョン(母)
イエル(ヨンスク養母)
ペク・ホサン(父)
オ・ジョンセ(イチゴ農家)
イ・ドンフィ(警察官)
オム・ジェヨン(幼いソヨン) 他

新鋭の実力派新人監督イ・チュンヒョン

1990年生まれのイ・チュンヒョン監督は、本作パク・シネと同い年で、まるで俳優かと思わせるルックスでも注目を浴びました。

ただ、実力はお墨付きであることが分かるのが、イ監督の初長編映画「ザ・コール」が、「お嬢さん」や「毒戦-BELIVER」といった作品を送り出したYONGFILMであること

演出だけでなく、脚本にも携わられるという点からも、イメージを映画にされていく手腕を感じます。

すでに、次回作のタイムスリップファンタジーロマンス「ハートアタック」がイ・ソンギョン主演で韓国発の動画配信サービス「Watcha」で配信されているという情報もありました。

「ハートアタックは」スマホですべての撮影を行ったそうで、iphoneで映画「ハイ・フライングバード」を撮られたスティーブン・ソダーバーグ監督を連想してしまいました。

新しい挑戦を続ける若手監督の今後の活躍が楽しみですね。

冒頭あらすじ

母の不注意のガス事故で幼いころ父を亡くしたソヨンは、末期のガンに侵されて入院中の母につらく当たっていた。

実家に戻ったソヨンは、携帯電話を失くしたため、古いコードレス電話を引っ張り出してきたのだが、その電話は昔この家に住んでいた1999年に生きる20年前の女性ヨンスクとつながっていた。

ヨンスクはガス事故からお父さんを助けてくれたのだが、ヨンスクは想像もしない一面を見せるようになってくるのだった。

予告編

サイコスリラーであり、20年前につながる電話というSF要素。

躍動感のある映像と鬼気迫る俳優陣の演技など、インパクトある映画であることが感じられますね。

ザ・コールの魅力と個性

顔の見えない相手の善意と打算が引き起こすスリラー

助けを求める20年前に生きるヨンスクからの電話を受けたソヨン

普通の感覚を持つものならば、それがいたずら電話ではないと分かれば助けてあげようとするのはごく自然なこと。

友だちのいなかったヨンスクがソヨンの唯一最大の後悔である20年前の父の死を止めてくれたのもきっと善意から。

ただ、ヨンスクがその後、ソヨンとのすれ違いが元で境界性人格障害によって危険な人物へと変貌していくんです。

相手の悪意に対して、時空が立ちはだかるために対処のしようがないという恐怖のジレンマが緊迫感を増すサイコロジカルスリラーでした。

チョン・ジョンソ鬼気迫る演技の真実味

「バーニング劇場版」(2018)で知名度を上げたチョン・ジョンソ。

本作はホラー初挑戦だったという主演の人気女優パク・シネがフォーカスされがちですが、「ザ・コール」はチョン・ジョンソの鬼気迫るヨンスクの投げかける恐怖に呼応する形でソヨンの葛藤とストーリーが進んでいきます

ヨンスクのキャラクターが常識と非常識の間を利己的にゆらゆらと行き来する空恐ろしさがチョン・ジョンソによって高められていたからこそ活きた

「ザ・コール」は、チョン・ジョンソという名優枠の女優さんとの共演で、さらに魅力の幅を広げたパク・シネが堪能できるという映画でもあったと思います。

映像による見せ方に惹きつけられる

テンポよくつながれていくカット、同じ家でありながら、20年前のヨンスクのいる家と現在のソヨンのいる家の細かな違いを作り込んだ美術やセット。

終始中だるみが一切なかったのは、脚本だけではなく、映像の面白さもありました

CGの使われ方も効果的で、その一方、衣装やヘアメイクといったアナログな部分でのヨンスク、ソヨンの差異を表現するなどの工夫がまた効いています。

ちなみに、ヨンスクには血塗られた赤が似合い、自分で買ってきた洋服は彩度強めの赤だったりアニマル柄といった強さが。

ソヨンはお父さんがいた幸せだった時はパステルカラー、そうでないときはアースカラーのくすんだ色味といったように。

目から伝わる情報の多さとソヨンの世界が過去の影響で目まぐるしく変化しつつ展開するも視聴者が置いてけぼりを食わないというのが魅力でした。

ビハインド映像を

Netflixから、制作陣によるビハインド映像が出されました。

映画を見ていて私が感じたあたりを、やはり制作陣は意識されていたそうで、それはちゃんと視聴者に伝わっていたわけです。

とても興味深い内容でしたので是非!

ザ・コール とは

助けを求める20年前の女性とつながった電話
善意と狂気に翻弄されるサイコロジカルスリラー

ハマリ度は

 3.5

予想以上に引き込まれて見終わりました。

ここ数年、苦手だったホラーやスリラー系の作品に良作が多く、見る機会が増えてきたことから、苦手なのに引き込まれた作品には強い魅力があるということも分かってきました。

印象に残る豪華な助演陣の布陣もあり、劇場公開されなかったことできっと残念に思われている方々も多いでしょうね。

音楽も良かったですしね~

ザ・コールは今すぐNetflixで観られます

Netflixザ・コール

ここから後半はネタバレがあります
ご注意ください。

ネタバレ感想

互いにとって致命的な“武器=時間”で殴り合う

親しくなった友人関係ですら、状況が変化したときにすれ違ってしまい相容れない仲になることもある。

それが、姿の見えない相手だったとしたら…。

お互い助けあい、救い合った相手となったヨンスクとソヨン

時空を超えた友情ともいえる特殊な関係が成立します。

ただ、片方の状況が劇的に幸福へと傾いたとき、善意は羨望から憎しみへと容易に変化してしまいました。

  • ソヨンはヨンスクのいる時間で何が起こるのか未来を知っている
  • ヨンスクは、自分のしたことで未来が変ることを知っている

お互いにとって致命的ともいえる“武器”を握っている二人の攻防が激しくなるのは必然でした。

まさか、ヨンスクが生きていれば連続殺人鬼となるなんて、ソヨンには知る由もありませんでした…。

結末は…

ヨンスクが、幼いソヨンを含め、ヨンスクに関係する人に手を下せば未来は変化していく。

それゆえに、ヨンスクに殺害されたお父さんはもう戻らない。

そしてソヨンは20年前に何が起こったのかを、現在の自分を見て知るしかありません

お父さんとソヨンを探しにやってきたお母さんが、あの日、ソヨンを守るためにヨンスクと共に二階から転落した

お母さんに守られてソヨンは助かった。それは確か。

目覚めたソヨンはお母さんを探して走り回り、お母さんが生きていたことを知ってホッとするのですが、エンドクレジット直前であの家の地下室で目覚めたソヨンのシーンが!

ラストのラスト、あの意味は?!

あの意味を考えてみたのですが、やはり、ヨンスクは転落では命を落とさず、ソヨンは囚われのに身になった可能性があります。

つまり、かれこれ20年、あの家の地下にいたことに。

おおもとの状況も含め、ヨンスクによって変化した未来をすべて記憶しているソヨン。

お母さんが助かりヨンスクから解放されてめでたしめでたしとなる夢を見ていただけという解釈を私はしました。

命を奪われるという重大なピンチから女性を救ったはずが、まさかの連続殺人鬼となる女だった…、なんて残酷な展開。

堂々たるSFサイコロジカルスリラー。

みなさんはあのラストどう捉えられたでしょうか?

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