WOWOWオリジナルドラマ「ダイイング・アイ」を見終わりました。
原作は東野圭吾の同名小説。
主演は三浦春馬、高橋メアリージュン。
謎めいた雰囲気の演出が効いていたサイコロジカルサスペンスで、久しぶりに見た三浦春馬君の演技に惹きこまれて最後まで見終わりました。
本作を見た感想などをちょこっと語っていきたいと思います
ダイイング・アイ 作品情報
放送
2019年 WOWOW 全6話 番組ホームページ
原作:東野圭吾「ダイイング・アイ」
演出・脚本・キャスト
演出:国本雅広
アイシテル~海容~(2009)
デカワンコ(2011)
僕とスターの99日(2011)
僕のヤバイ妻(2016)他
脚本:吉田紀子
恋を何年休んでますか(2001)
Dr.コトー診療所2006(2006)
映画「涙そうそう」(2006)
映画「ハナミズキ」(2010)
WOWOWドラマ「片想い」(2017)他
キャスト
三浦春馬(雨村慎介)
高橋メアリージュン(岸中美菜絵/瑠璃子)
木村祐一(小塚洋平)
淵上泰史(木内春彦)
松本まりか(村上成美)
柿沢勇人(岸中玲二)
生瀬勝久(江島光一)他
演出・脚本はベテランペア
これまで手掛けられた作品を調べてみるとヒット作・話題作が並ぶ大ベテランのおふたり!
原作者の東野圭吾さんも、本作の映像化は難しいと思っていたとWOWOWの公式サイトのコメントでおっしゃっていますが、WOWOW製作でなおかつこのお二人だったからこそ映像化できたんでしょうね。
冒頭あらすじ
バー“みょうが”のバーテンダー慎介は閉店間際にやってきた男性客に退勤後襲われた。
生死をさまよう手術を受け、無事目覚めた時には記憶を一部失っていた。
慎介は、襲ってきた男岸中の妻美菜絵が亡くなった1年半前の交通事故の加害者だったという。
その岸中も慎介を襲ったあと自殺していた。
仕事に復帰した慎介は、美しく妖艶だが何か生気を感じない不思議な女性客の目が忘れられないのだった。
ダイイング・アイの見どころ
謎の女瑠璃子
慎介の店に現れた瑠璃子と名乗る妖艶な女。
彼女の目からは拒絶できない光を発する瞬間があり、慎介に積極的に近づいてくる瑠璃子からは逃れることはできないのです。
瑠璃子には一体どんな意図があるのか?謎に引き込まれていくことができました。
ファンタジーのような独特の演出
慎介を襲い自殺した岸中はマネキン作家。
亡き妻美菜絵を思い続け妻に似せたマネキンを作っていました。
また、慎介の店の近くの洋服店のショーウィンドーに並ぶマネキンは、慎介などが通り過ぎるとその瞳が動くんです。
何か人知を超えたものの存在を感じさせました。
交通事故に対する周囲の曖昧な態度
慎介は岸中に襲われ交通事故の記憶を一部失いました。
何があったのか知りたい慎介に対し、バーテンダーとして慎介を育ててくれた銀座のカクテルバーのオーナー江島や今の勤務先みょうがのママなど具体的な返事を避けているような感じ。
あの事故には何か慎介が思い出さないほうがいい何かがあるようでした。
ダイイング・アイとは
失った事故の記憶とその真相
罪と償いの狭間を描くサイコロジカルサスペンス
ハマリ度
3
最近視聴頻度が減っている日本ドラマを久しぶりに楽しみました。
三浦春馬君もひ~っさしぶり。
年齢も芸歴も上がり、その演技も厚くもありシャープでもあり、つまり満足でした(^^)
私は初めての俳優さん方も多かったですが、みなさんの存在感もあってしっかりしたクオリティーの作品になっていました。
話題作があればまた日本ドラマも積極的に見ていきたいです。
ここからはネタバレがあります
ご注意ください
ネタバレあらすじ
日本ドラマ視聴は最近では「孤高のメス」のみ。
久しぶりゆえに出演者さんたちがとても新鮮でした。
本作に出ておられた私のお初だった俳優さんたちは、ミュージカル畑で有名な(らしいです)柿沢勇人さん、ダンディイケメンキャラ枠で有名な淵上泰史さん、そして劇団EXILEの小野塚勇人さん、そして高橋メアリージュンさん。
高橋メアリージュンさんは経歴を見るとモデル出身の美人さんという以外でもいろんな媒体に出演されているんですね。
彼女を認識させていただいたのが今回初でしたが良かったです!
事故の状況
美菜絵さんが亡くなった事故には2台の車が関係していました。
一台目は最初に雨の中自転車を走らせていた美菜絵さんに接触した慎介の乗った車、そしてもう一台は接触で方向を失った美菜絵さんを圧死させてしまった車でした。
事故の真相
慎介は瑠璃子に監禁され小塚刑事に救出されたのですが、この高級マンションの持ち主は大手建築会社。
事故を起こしたもう一台の車の運転手だったのはこの建設会社に籍を置く木内という男でした。
実は事故の日運転をしていたのは上原建設令嬢で木内の婚約者ミドリ。
木内はミドリをかばったのでした。
それと同時に、慎介も江島から「3千万でお前が運転していたことにしてくれ」と取引を持ち掛けられ、ひきうけていました。
贖罪の機会を見つけたミドリ
事故の時、死にゆく美菜絵さんの目を見たミドリは正気を失いました。
素直で純粋だったミドリは罪の意識に押しつぶされ、その罪の償い方を見つけたのが残された美菜絵の夫岸中への協力でした。
妻に似たマネキン製作に取り組むも人間のようなマネキンは作れず絶望した岸中。
ミドリは自らが美菜絵になろうと整形し瑠璃子と名乗るようになったのでした。
身代わり契約が生んだ悲劇
慎介は江島の運転していた事実を隠す代わりに3千万円を得た。
けれど、襲われて事故の記憶を失ったために江島は慎介が運転していたことにできれば3千万は取り戻せると考え、同棲していた慎介の彼女成美に金を探すよう依頼していました。
しかし多額の借金を抱えていた成美は持ち逃げしてしまい、ついにはつかまって江島に命を奪われてしまっていました。
結末
慎介を殺害すれば口止め料も必要ないと部屋で待ち伏せし襲撃してきた江島。
そこにやってきた瑠璃子。
瑠璃子と江島はもみ合いになり、瑠璃子は3~4階の部屋から突き落とされ命を落としました。
駆け付けた小塚刑事に江島は逮捕されました。
瑠璃子=ミドリは死を望んでいるようですらありました。
ネタバレ感想
犯した過ちをつぐなう機会を奪われ破滅したミドリ、罪を免れようとして重罪を重ねついにはもう戻れないほどの重い裁きを受けることとなった江島。
愛する人を守りたい思いと合意の上の契約だったとしても、それが生んだ結果は悲しく残酷なものとして描かれていました。
全6話の中で、ミステリーやサスペンス要素がうまくストーリーを進めていて最後まで良い感じに引き込まれてみることができました。
ただ、一点だけ難を言うとしたら、事故シーンのリピートの多さ!つらかった…
もう少し減らしても十分伝わったんですが、必要だったのかな?
マネキンの目が動くあの演出は、ミドリが美菜絵に取りつかれたとしか思えない言動をとることになった説明のつかない不思議な理由としての意味合いを感じさせました。
フィクションとしてのサスペンスをより補強していたように感じました。