2018年のインド映画「ガリーボーイ」。
昨年日本で公開され、視聴した方々の高評価の声を聞いていて気になっていた作品でした。
インドのヒップホップ界で成功をおさめた実在のラッパーのストーリーは、テンポの良さと胸に迫ってくる主人公の物語プラス音楽の魅力にあふれていて引き込まれたまま見終わりました。
今回、ちょこっとだけ私の感じたところを語っておこうと思います。
作品情報

2018年 インド
監督・脚本:ゾーヤー・アクタル
チャンスをつかめ!(2009)
人生は一度だけ(2011)
ボンベイ・トーキーズ(2013)
慕情のアンソロジー(2015)
Dil Dhadakne Do(2018)
ガリーボーイ(2018) 他
キャスト
ランヴィール・シン(ムラド)
アーリアー・バット(サフィナ)
シッダーント・チャトゥルヴェーディー(MCシェール)他
冒頭あらすじ
ムラドは貧民街に暮らす大学生。
裕福な家庭の運転手をして家族を養う父親からの身勝手で暴力的な行動に涙を呑む母親を見てつらい思いを抱えていた。
使用人の子は使用人にという父の言葉が、すべてを諦めて奴隷になれと同義語だったムラド。
その苦しさを吐き出すために、浮かんだリリックを書き留め始めた。
大学のジャンボリーで見たMCシェールのラップパフォーマンスに心を奪われ彼に歌ってほしいと思ったのがきっかけだったが、そのことで、ムラドに才能があることが分かるのだった。
予告編
配給元TWINの日本語字幕付き予告編がこちら
このムラドの境遇と成功物語の持つ夢の大きさには、格差が当然とされ、宗教的歴史的に差別が根強く残る地ゆえの影響が比例していることがよくわかる予告編となっていますね。
ガリーボーイ に感じた魅力
大きな岐路に立った時のムラドの選択
人生で岐路に立った時、「これをしなかったことで後悔するか、しないか」が究極の確認ポイントとなると私は思っています。
しかし、そういう時ほど、したことで後悔する可能性をついつい考えてしまい選択自体が怖いことも往々にしてあります。
現実的には「選択しないこと」や「現状維持寄り」を選ぶことの方が多いのが人生。
ムラドは、さまざまな条件が揃っていたこともあって夢に賭ける方を選んだと言えますが、自分の実力を信じる決断を下したムラドの姿に魅力を感じるんです。
誰にでもできることではないからこそ魅力的でした。
才能を見出され開花する姿に胸が熱くなる
私にはいくつかツボにはまるストーリーがあるのですが、まさにこれ。
本人も気づいていなかった才能をわかる人に見いだされ、磨かれ開花していく姿にはいつも涙が止まらなくなるんですよね~
映像に勢いとスピードが、世界観にガツンと来る音楽が
冒頭でも言いましたが、「ガリーボーイ」という映画はかなりの情報量が盛り込まれたストーリーとなっています。
- 格差・差別の渦中にあるムラドの現状
- ラップとの出会い
- 才能の片鱗と未熟さ
- 友情・恋
- 人生が変化することへの恐怖と希望
- 音楽そのもの
- 一大岐路での選択
などが密度濃く描き切られています。
そこに、ムラド自身の心情とリンクしたガツンと来るリリックや音楽がちりばめられていて、しみじみ監督のゾーヤー・アクタル監督の力を感じてしまいます。
ガリーボーイ とは
インドの社会問題を明確に盛り込みながら描いた
実在するインドのヒップホップラッパーの熱い成功物語
ハマリ度は
4
人権・経済格差といった社会問題を直視して描きながら、魂の叫びのようにラップを通して思いを言葉にしていく一人の才能ある青年の姿が魅力的な映画でした。
ムラドの恋人サフィナの考え方も、既成の常識を脱却しようとしていたものでした。
彼女の破天荒なキャラクター本当に説得力があって面白かったです。(面白いとは(笑))
劇中のOST&MV
2.1億回再生の「♪~俺の時代が来た」
大物ラッパーNASの前座と賞金をゲットできるコンテストで遺憾なく力を発揮したムラドのシーンで使われた曲のMVが2.1億回再生されていました。
Apna Time Aayega | Gully Boy | Ranveer Singh & Alia Bhatt | DIVINE | Dub Sharma | Zoya Akhtar
MVから本作の映像の持つ勢いと迫力がわかりますよね。
もう一曲、劇中初めてのMV撮影をしたムラドたちのシューティングシーンも視点や編集が面白かったのですが、そのままMVになっています。
それがこれ
Mere Gully Mein | Gully Boy | Ranveer Singh,Alia Bhatt & Siddhant | DIVINE | Naezy | Zoya Akhtar
他にも劇中使われていた曲など公式アカウントにありました。
それにしても、再生回数5億回とか6億回とか、9億回の動画もあるんですよね~
インドの音楽業界すごいなぁ~!