2018年アメリカBBCで放送された海外ドラマ「キリング・イヴ」シーズン1を見終わりました。
本作のイヴ役でサンドラ・オーが第76回ゴールデングローブ賞主演女優賞を獲得しています。
シリアスさにウィットを盛り込んでくるサンドラ・オーの魅力はサスペンススリラーでも健在で、むしろ増してさえいるようで面白かったです。
それでは今回も本作の作品情報やシーズン1を見終わって印象に残った魅力など具体的に語っていきたいと思います。
ネタバレあらすじや結末に関しては後半にありますので、前半はネタバレなしでおよみいただけます。
作品情報
原作:「コードネーム・ヴィラネル」Luke Jennings
放送:2018年 BBCアメリカ
シーズン1 | 2018年 全8話 ←今回ココ |
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シーズン2 | 2019年 全8話 |
シーズン3 | 2020年 4月~全8話予定 |
シーズン4 | 制作予定あり |
脚本:フィービー・ウォラー・ブリッジ
舞台脚本も書かれていて、女優さんでもあります。
キャスト
サンドラ・オー(イヴ・ポラストリ)
ジョディ・カマー(ヴィラネル)
フィオナ・ショウ(キャロリン)他
冒頭あらすじ
イヴはMI5で働く職員。
殺人事件の目撃者の保護を担当していたが、殺害手口の鮮やかさやなど事件そのものへの調査欲が抑えられず独自に調べを進めていた。
しかし、目撃者は犯人に殺害されイヴは解雇された。
イヴの捜査のセンスを買ってスカウトしてきたのはMI6ロシアデスクのキャロリン。
犯人はここ数年間10か国をまたいで暗躍する殺し屋で、イヴは極秘チームによる捜査を任されることになった。
二人の魅力的な主人公たち
主人公はMI6のイヴとプロの殺し屋ヴィラネル。
ジョディ・カマー演じるヴィラネルは暗殺者として超一流だけれど、エキセントリックなかわいさを併せ持った独特のキャラクターでした。
欲望に一直線で、これって純粋なのかも?と思わせられるほど。
原作の題名にはまさにヴィラネルの名が付けられています。
一方のイヴは、クールとすら感じるこの暗殺者への興味が捜査の熱意となっていて、度胸と行動力で彼女に迫ります。
シニカルなユーモアのあるイヴと笑えないユーモア満載のヴィラネル。
強さだけではない個性が光る主人公たちでした。
予告編
日本語字幕版がなかったので、イギリスBBC Threeの予告編を共有させていただきました。
イヴ「あなたがサイコパスだってわかってる」
ヴィラ「サイコパスにサイコパスって言わないほうがいいよ、イラっと来るから」
イヴ「あなたはイラっと来た?」
―ヴィラネル唇を突き出してうなずくー
緊迫感あふれるシーンで場を仕切ってしまうヴィラネルと、決してヴィラネルには呑まれないイヴという二人の関係性が見えるシーン。個性的ですよね!
本作の魅力
ヴィラネルの自信
鍛え抜かれた暗殺の技と的確な現場状況判断力、そして優れた言語能力で上層部からの殺しの依頼は間違いなくやり遂げるヴィラネル。
彼女は暗殺の過程のスリルを楽しんでいて、絶対に捕まらないという自信も持っていました。
彼女の後ろにはどんな組織があるのかどんな目的で彼女ほどの凄腕の暗殺者をあちこちで活動させているのかも見どころの一つでした。
イヴとヴィラネルの関係性
二人の関係は犯人を追う側と追われる側なんですが、ヴィラネルは逃げるどころかイヴにどんどん接触してきます。
それぞれ違う意味で執着しあい追いかけあっている二人。
少し変わっているけれど一般人枠のイヴと軽々と人を殺めるサイコパスのヴィラネルの二人の関係性が実にスリリングでした。
キリング・イヴ シーズン1とは
MI6のイヴとガーリー・サイコな殺し屋ヴィラネル
緊張感とシニカルユーモアが共存する独特のサイコスリラー
ハマり度は
3
とにもかくにもサンドラ・オーの独特の存在感とあの表情がめちゃくちゃ生きていました。
相対するヴィラネルはヤバい子ではあるんですが憎めないところもあってこちらも個性的。
強くて怖くて獲物に食らいついたら離さないところが共通している二人でした。
例えがあれですが、ルパン三世と銭形警部みたいに、追いつ追われつして相手を理解していく中で二人の間にだけ育つ関係性みたいなものがあったような気がします。
シーズン2放送予定ということなので、チャンスが来れば見ますね!
ここからはネタバレがあります
ご注意ください
ネタバレあらすじ
ヴィラネルはイヴが好き
小さな子供の初恋みたいな表題↑をつけてしまいましたが、ヴィラネルがイヴに執着する理由の一つは「自分を見つけてくれたから」。
勝ち試合を続けてきたヴィラネルにとって、勝っているのは自分だということを知ってほしかったのではと思います。
もう一つは、「イヴの髪型が好きだから」。
イヴはヴィラネルが愛する女性のタイプにドンピシャでした。
ヴィラネルを使っていた組織とは
ヴィラネルが当時好きだった女性教授の夫を殺害した罪で服役中、ロシア諜報部に目をつけられ暗殺者として育てられたことが分かりました。
「世界の秩序を正す」という誰のための世界なのか謎ながら、大義ある権力組織に守られながら大手を振って殺人が犯せるヴィラネルはのびのび育ったと言えるでしょうね。
イヴのヴィラネルに対するスタンス
MI5時代の上司で友人だったビルを追跡中にヴィラネルに殺害されていて、なんとしてでもヴィラネルを捕まえるというのがイヴの目的。
ロシア諜報部はヴィラネルに迫るMI6を避けるためヴィラネルを任務のついでに収監させました。
けれどイヴは諜報部の長ヴラドを動かす重大な証拠と引き換えにヴィラネルをイギリスに引き渡してもらえるよう手を打ちました。
イヴがヴラドに渡したものとは
ヴィラネルを担当していた諜報部コンスタンティンさんがMI6ロシアデスクのキャロリンとつながっていたという証拠となる手紙でした。
入手経路はキャロリンの息子(=MI6極秘チームのリサーチ担当元ハッカー)君。
つまり浮気の証拠だったという代物なのですが・・・。
ヴィラネルについての情報はイギリスにわたってはいなかったという点から、コンスタンティンさんもキャロリンをそこそこ利用していた可能性はあるわけです。
ただ、このせいで内部事情を知り尽くしているコンスタンティンさんは組織から命を狙われることになり、殺し屋としてヴィラネルが動員されるという皮肉な展開になってしまいました。
結局コンスタンティンさんはヴィラネルに任務遂行されてしまいました。
シーズン1の結末
コンスタンティンさんから止められていた仕事を勝手に遂行していたせいでヴィラネルのパリの住まいをイヴが特定することになりました。
ヴィラネルの部屋で対面した二人。
イヴにとっては敵であり、ヴィラネルにとってはゲームの相手のよう。
イヴはヴィラネルを完全に油断させたタイミングでナイフを突きつけました。
「あなたには刺せない」と言われ、「刺せる」と腹部にナイフを押し込んだイヴ。
流血騒動になりまずいと分かって手当できるものを探している間に逃走されてしまいました。
ヴィラネルは大けがを負ったまま姿を消しました。
イヴはヴィラネルのパリの部屋に行く前にキャロリンからはMI6を解雇されてしまっています。
ヴィラネルは相性の良かった担当者コンスタンティンさんのいない状況でどうするのでしょうか。
シーズン2ありきの最終回でした。
さいごに 感想
キリング・イヴは個性の立った二人の主人公が存在感とキャラクターの魅力で物語を推し進めるドラマでした。
二人の関係がどういった方向に進んでいくのか、圧倒的な行動力と罪悪感ゼロのヴィラネルを相手にどこまでイヴが対応していくのか見ないとなと思えます。
題名が「イヴを殺すこと」という、ヴィラネル目線ですもんね。
好きだったイヴに刺されたことがヴィラネルにとってどういう意味を持つのかシーズン2を見てみないと分からないのがポイントですね。