2018年韓国ケーブルTV局MBNとDramax放送の「魔性の喜び」を見終わりました。
邦題は「恋の記憶は24時間~マソンの喜び」となりました。
女性人気の高いチェ・ジニョクと、ヒロインとしてお見掛けしたのは初めてだった愛らしいソン・ハユンが主演のラブロマンス。
女性がロマンスに求める要素はほぼ網羅されていたのではと思うような物語を肩ひじ張らずにさらりと楽しめました。
今回はチェ・ジニョクさんの過去作について少し触れながら、私の感じたところを主観的に語っていきたいと思います。
前半はネタバレなしでお読みいただけます。
作品情報
放送
2018年 韓国MBN・Dramax 全16話
演出・脚本・キャスト
演出
キム・ガラム
アン・ジスク
脚本
チェ・ジヨン
キャスト
チェ・ジニョク(コン・マソン)
ソン・ハユン(チュ・キップム)
イ・ホウォン(ソン・ギジュン)
イ・ジュヨン(イ・ハイム)他
チェ・ジニョクの出世作は2013年の「九家の書」
私が初めてチェ・ジニョクを知ったのが、セックスライフも含めた大人の女子たちの赤裸々な恋愛模様を描いたtvN「ロマンスが必要」シーズン1(2011)でした。
このドラマでヒロイン(チョ・ヨジョン)を好きになりそういう関係になる年下の御曹司役でした。
ベッドでババっと白いワイシャツを脱ぐシーンを斜め下から撮ったセクシーな姿が目に焼き付いているんですが、このころから長身で甘いマスクを持つグッドルッキングガイ:チェ・ジニョクの魅力がありました。
そして、知名度を上げたのがスター制作陣とイ・スンギ&スジ共演で大注目だったドラマ「九家の書」で演じた神獣ウォルリョン役でした。
主人公が生まれることとなる人間の女性とのロマンスを見せた美麗な神獣ウォルリョン役のチェ・ジニョクの魅力にメロメロになった女性続出でした。
それ以降、ヒット作「相続者たち」のイ・ミンホの兄役をはじめ、印象的な助演や主演をされています。
冒頭あらすじ
人気スターチュ・キップムは撮影で訪れていた中国海南でスタッフとはぐれ、危険な目に合うところを韓国人脳神経外科医コン・マソンに助けられた。
好意が芽生え、二人は3時間の間に恋におちていた。
スタッフと合流したキップムは半時間後にマソンと会う約束をしたが彼は現れなかった。
マソンはキップムを陥れようとしていた怪しい男を追っている最中事故に遭ってしまったのだった。
それから3年後二人は再会するがマソンは後遺症である記憶障害のためキップムを覚えていなかった…。
予告編
二人が出会ったあの日、二人にとってそれぞれがその後の人生を左右するような重大事件に遭った様子が見て取れます。
その後再会するのに3年の月日がかかり、二人がもう一度恋におちていく様子や試練も待ち構えていることがわかる予告編となっています。
恋の記憶は24時間~マソンの喜び 個性と魅力
スタイリッシュなチェ・ジニョク見放題
主観的過ぎるポイントかもしれませんが(笑)、財閥御曹司かつ知的で温厚、ユーモアもあるマソンというキャラクターを演じたチェ・ジニョクはそのナイスバディを活かしに活かしたスーツ姿を見せてくれました。
カジュアルなジャケット姿や、素敵なスリーピースなど、全編完璧に着こなしていて眼福でした。
キップムの強さと優しさにうるうる
ヒロインキップムは歌も演技の才能もある人気スターでしたが、ある事件に巻き込まれ芸能界で仕事ができなくなってしまいます。
家族のためにくじけずに生き抜こうとするキップムが、3年間音沙汰がなかったマソンと再会した後も涙を拭きながら自分の道を歩む姿が印象的でした。
だからこそ、マソンの抱えていた障害を知った後のキップムの覚悟と思いがぐっと伝わってきました。
いつもなら私はヒロイン目線でロマンスを楽しむのですが、今回はマソン目線で物語を見ていたと気が付いたほどキップムは素敵な女性でした。
原題「魔性(マソン)の喜び」の意味
本作は主人公コン・マソンとチュ・キップムの物語。
そして、キップムの意味は“喜び”。
劇中、ある品物にキップムのお父さんが「マソンのキップム」と名前を付けるのですが、お父さんの二人の関係を温かく見守る気持ちと、実際にマソンにとってキップムが何ものにも代えがたい幸せの象徴であることが伝わる素敵な名前でした。
邦題ではサブタイトルに残っていますが、「マソンの喜び」は本作の本質を現した良い題名だったなと思います。
恋の記憶は24時間~マソンの喜びとは
運命の人と出会った日、人生を左右する事件で引き裂かれた二人
記憶を失っても心が覚えている 優しいロマンス
ハマリ度
2.5
前半は、どことなく既視感やテンポの加減もあって今一つストーリーに手ごたえを感じずに見ていました。
けれど、中盤を過ぎていよいよ事件の核心に迫り、またマソンの家族の事情に関するエピソードが動き出して視聴がはかどりました。
私のハマリ度は中くらいでしたが、物語に対する好感度は結構高くて、いうなればちょっとベタなストーリーや演出も登場人物たちに似ていてとても好印象でした。
重すぎず、複雑すぎない、でも切なさとトキメキのあるロマンスが見たい時にはとても良い一本だと思いました。
このあと後半では、ネタバレあらすじや感想、OSTについて語っていこうと思います。
ここからはネタバレがあります
ご注意ください
ネタバレあらすじ・感想
二人を引き裂いた事件
1.マソンが遭った交通事故
マソンはキップムと一旦別れたあと、二人の思い出となる花のタトゥーを入れに入った店でキップムに何かしようとしている男たちに出会いました。
心配になってあとをつけたマソン。
しかしその途中マソンはトラックにはねられてしまいました。
マソンが追っていたのはキップムの事務所の社長キム・ボムスとキップムの体を狙っていた俳優ミン・ヒョンジュンでした。
それ以降、マソンは目覚めるたびに前日までの記憶を失う記憶障害を抱えることとなったのでした。
2.ミン・ヒョンジュン変死事件
キップムはマソンと会えず、強引に誘われて行ったバーでミン・ヒョンジュンにクスリを盛られ気を失ってしまっていました。
気が付いたときキップムはホテルのベッドの上。
警察がせわしなく動き、床には息絶えたミン・ヒョンジュン。
キップムはミン・ヒョンジュン殺害の容疑者とされてしまったのでした。
もちろん無実。
ヒョンジュンは麻薬の過剰摂取で亡くなっていたのでした。
事件も証拠不十分で嫌疑は晴れているのですが世間のイメージはグレーのまま芸能人として生きるのは厳しくなってしまったのでした‥。
記憶は失っても心が覚えている
キップムに3年ぶりに出会った時、マソンはキップムのことを認識していませんでしたが彼女のことは翌日になっても記憶に残っていました。
あの日恋におちたマソンの心に強く焼き付いた愛する人への想い。
心が覚えていた記憶でした。
マソンはキップムと再び恋におち、3年前のことを催眠療法で引き出すことに成功しキップムの嫌疑を完全に晴らすことに成功しました。
しかし、それと同時に、マソンはあの日の交通事故が偶然ではなく、信じていた身内による計略だったと知ってしまうのでした。
病状の悪化と別れの予感
母のように思っていた叔母がグループ後継者である自分の死を願っていたこと、その事故を仕組んだのが信頼していた主治医ユン先生だったことはマソンにとって深い深い悲しみでした。
そんなマソンを抱きしめ、明るく受け入れてくれるのがキップムとキップムの家族でした。
病状は深刻な状況へと進行しており、治療法を探すのも、すべてを忘れていくことも含めてキップムを巻き込みたくなかったマソンは静かに国を去りました。
結末
マソンの行方は分からぬまま1年。
しかし、マソンは昔住んでいたボルチモアで偶然にもユン先生に出会い、治療を続けていました。
グループは私利私欲のないいとこのギジュンがまっとうな企業として生まれ変われるよう推し進め、倫理観のない叔母姉妹は逮捕、会長だった叔母は引退しました。
ユン先生はマソンから託された研究資料をもとに治療を続けてくれたようで、経過は悪くない状態。
ソウルに足を運んだマソンは偶然キップムに出会いました。
初めて出会ったように挨拶はするけれど、最初から全力でマソンを受け止めるキップム。
そしてマソンはすぐに恋におちた。
前日までの記憶を失って目覚めるマソンは、毎日キップムに恋におちる。
二人はもうその月だけで4回目の結婚式を挙げています。
素敵なOST
本作も素敵なOST曲に出会えました。
一つはキップムが歌手ということで、彼女の歌という設定だったこの曲
イ・ユンジン「GOODBYE キップムver.」
柔らかい歌声がキップムの歌手としての実力とイメージを演出した素敵な曲でした。
もう一曲はなんと、チェ・ジニョクが歌った曲
チェ・ジニョク「忘れようとした愛」
*ClsQさんのファンメイドMVを共有させていただきました
ラストシーンの身内で挙げる結婚式のように、ドラマもみんなで作られた印象がありますね~。
さいごに
二人が1年後に無事再会できて本当に良かったと思えたエンディング。
マソンが去ったままだったとしたら、二人の幸せな時間は本当に少なかったですもんね。
ただ、病状が今後どうなるかは分からず、一日一日を大切に全力で相手を愛して生きていく二人の姿に愛することの本質を感じさせられました。
温かさ というものを物語の芯として描かれていたこの物語は、その対となる冷たさがストーリーを際立たせていました。
視聴後感がより幸せなものになるよう演出されていた優しいロマンスでした。