新年度も始まり、疲労や花冷えで体調崩しやすい時期ですね。
韓国ドラマでひととき現実逃避したいなと感じる時良くありますが、今回は命がけのファンタジックオカルトロマンスと呼べる2016年の「魔女宝鑑」をご紹介したいなと思います。
主演はユン・シユンとキム・セロン。
黒魔術や呪術といったファンタジックな要素を盛り込んだストーリーを朝鮮時代を舞台に描かれている結構シリアスなドラマでした。
2016年11月に視聴してなかなか引き込まれた当時の私の感想を交えながら本作の個性や魅力などを語っていきたいと思います。
演出・脚本・キャスト
放送:
2016年 Jtbc 全20話
演出:チョ・ヒョンタク
危機一髪!プンニョンマンション(2010)
親愛なるものへ(2012)
君を守る恋(2013)
イニョプの道(2015)
魔女宝鑑(2016)
SKYキャッスル(2018)→ケーブル局ドラマ歴代視聴率1位に

シム・ナヨン
魔女宝鑑(2016)
十八の瞬間(2019)他

脚本:ヤン・ヒョクムン
ミュージカル・映画・ウェブ漫画などの分野で活躍する脚本家さん。
SBSドラマ「絶対彼氏。」(2019予定) 原作は日本の同名漫画
キャスト:
キム・セロン(ヨニ)
ユン・シユン(ホ・ジュン)
イ・ソンジェ(チェ・ヒョンソ)
ヨム・ジョンア(ホンジュ)
チェ・プンヨン(クァク・シヤン)
チャン・ヒジン(シム氏)
演出は2018年大ヒット作の監督
チョ・ヒョンタク監督が本作のあとに演出された「SKYキャッスル」はあの人気作「トッケビ」の視聴率を抜いた2018年の大ヒット作として話題になりました。
演出された「イニョプの道」も「魔女宝鑑」もかなりシリアスな題材を扱っているという部分やクォリティーの高い演技力を俳優さんに課していたという部分が共通しています。
演出は映像面やカメラワークなど多くを含んだ作業だとは思いますが、演技面での演出力が高い監督さんなのではと感じました。
冒頭あらすじ
世継ぎを切望する大妃と王妃は、黒魔術を扱えるホンジュの霊力を使って女官が授かった胎児を王妃のおなかに移した。
子を奪われた女官は「生まれた子は17歳で呪いによって不幸になる」という呪いを残して息を引き取った。
生まれた子は男女の双子。
ホンジュは王子の呪いをすべて姫に移し、昭格署の長ヒョンソのみができる特殊な術で姫を焼くことで王子を救うことにした。
しかし、ヒョンソは姫を殺さず呪いを解く方法を探し続けることにしたのだった。
予告編
複雑でファンタジックな展開が分かる約3分の予告編となっています。
見どころ・魅力
私のハマり度を上げた俳優さんたち
2017年の段階で若干16歳、名子役の冠をもつキム・セロンが主演を張り、成人女性までを見事に演じています。ほんとに驚き。
相手役を演じた30歳のユン・シユンもまた、少年から20代前半の青年役までを若々しく演じ二人の実年齢が14歳差だったとはとても思えませんでした。
どの回を見ても難しい演技を要求されていることがわかるシーンの連続。
サウンドやカメラアングル、編集やCGなどで仕上がったシーンを私たちは見せてもらっていますが、それらがない現場での演技はかなり難しかったはず。
世界観を作り上げる彼らの技量をまたもやひしひしと感じる作品でした。
ユン・シユンが演じたのはあのホ・ジュン
邦題の副題にはしっかりと~ホジュン、若き日の恋~と付きましたが、ユン・シユンが演じたのは「東医宝鑑」を記したことで有名な名医ホ・ジュン。
彼の若かりし頃をファンタジックに創作した脚本でした。
シリアスでオカルトチックでしたが、一方で切なくて温かい味のある物語でもありました。
オカルトファンタジー時代劇
ホラーが流行りの昨今ですが、本作はオカルトと時代劇にロマンスを合体させたチャレンジングな設定でした。
王室への呪いが発端となって展開する命がけのロマンスで、韓国ドラマ得意のドラマチックな展開でした。
ただ、根底に流れるテーマは人間の弱さと愛の強さでした。
黒魔術に頼り抜け出せなくなってしまう人々の存在は、醜い負の感情や弱さから簡単に心を蝕まれてしまうことを表現しているようでした。
本作では誰かを守り、許しそして犠牲になろうとする人々が諦めずに戦う物語でした。
魔女宝鑑 とは
呪いを背負って生まれた姫
国を揺るがす呪術師との闘いと命がけの愛
ハマり度は
3.5 ひきこまれました
私のハマり度の割合度順位傾向として
- 1番にストーリー
- 2番目に演技
- 3番目に演出
- *ただし、キャラ落ちしたらプラス☆1 という感じかな~
本作はこの2の演技が突出していて、私の心に響いたことから星1個分上乗せされたという感じです。
助演の昭格署長役イ・ソンジェさんや黒魔術師ホンジュ役のヨム・ジョンアさんは間違いない演技上級者さんたちでした。
それ以上に今回はセロンちゃんを評価したいです。
このドラマ地点で16歳ですよwww
これから映画・ドラマで活躍する彼女をどんどん見られそうで楽しみです。


ここからはネタバレがあります
ご注意ください
ネタバレあらすじ・結末
物語の発端は呪い
黒魔術を使って子どもを王妃のおなかに移したホンジュ。
子を奪われ殺された女官が死ぬ間際に残した王室への呪いが発端でした。
事後対応としてホンジュは呪いのすべてを姫に移し焼き殺し、世継ぎとなる王子を助けようとしました。
けれど、ヒョンソは姫を密かに結界を貼った山奥で守り続けながら、呪いを解く方法を探し続けていまいた。
17歳になれば呪いが発動してしまう。
呪いをとく方法を記した“魔医禁書”をヒョンソが手に入れた時には、姫ヨニは結界を出てしまい17才を迎えてしまったのです。
呪術師との戦い
ヨニに呪いを解かれてしまうと、術を使った自分の身があぶないホンジュとの戦いに発展していきます。
王室のため、国のためという大義ももはやなくなり、ヨニは狙われ、過酷な戦いが待っていました。
結末
ヨニが呪いを解くために行ってきたのは108の人々の切実な願いをかなえることでした。
叶えられると一本づつロウソクの火が灯っていく。
最後の一つは愛するものの犠牲によって灯され国は平安を取り戻します。
ジュンは愛するヨニのために魔医宝鑑に記されていた“犠牲水”を飲むと決めていました。
けれど、飲んだのはヨニ。
愛するものの犠牲が果たされろうそくが灯り呪いは解けました。
ホンジュは呪いが返ってきて倒れ、怨念を消し去るためにヒョンソさんはホンジュを抱えて三昧真火の中に入りこの世を去りました。
ジュンのその後
呪いは解け、王室・国は平安を取り戻し、生き残ったジュンは医官の道へ。
王様の信頼も厚く、ジュンは医術や心の平安を助ける調剤などを「東医宝鑑」に書き記し続けました。
40年後、老境に達したジュンは「東医宝鑑」を仕上げ、王宮に届ける道すがら
ヨニと出会った日のように、山の向こうに上がる凧を見つけ追います。
そこには恋しいヨニがあの頃の姿のままで出迎えてくれました。
若かりしジュンに戻り、再会を笑顔で喜ぶ二人の姿。
幻想的なラストでした。
さいごに
ロマンスと銘打ってはあるのですが、比重としては呪術を扱うホンジュとの厳しい戦いが多かったように感じます。
私は難しくも迫真の演技を繰り広げる俳優さんたちについつい引き込まれて見ていた部分もあるのですが、甘いロマンスは若干少なめだった印象です。
とはいえ、愛し合うヨニとジュンの深い思いは十分に描かれていて、決してあきらめずに戦い抜いた善き心を持つ人々の活躍を楽しめるシリアスなストーリーでした。
興味のある方は2話くらいまで見てみてもらえれば好みかどうかわかるかと思います。