韓国ドラマ

ムーブ・トゥ・ヘブン:私たちは遺品整理士です 視聴感想 故人の遺した思いを届けるメッセンジャーグル 秀逸な語りが胸を熱くする

2021年Netflix制作ドラマ「ムーブ・トゥ・ヘブン:私たちは遺品整理士です」。

全10話、あっという間でした!

主演は味のある実力派新人として知名度を上げてきたタン・ジュンサンと、安定の主演俳優イ・ジェフン。

訳ありの叔父と、アスペルガー症候群の甥が遺品整理というビジネスを通じて心を通わせていく物語。

彼らが受ける依頼の一つ一つが深く濃く掘り下げられていたことで、フィクションでありながら、”事実は小説より奇なり”とつい思わせられました。

ドキュメンタリーのような”意外性”と”切実さ”を込めて描かれていたことが、逆にリアリティを感じさせたようでした。

そして何よりも、案件とリンクし、奇跡と後悔の積み重ねであることを示しながら語られていくグルとサングの人生の過去と現在が胸に迫りました。

作品情報と、私の感じた魅力と個性につてい語って行きたいと思います。

作品情報

2021年 韓国制作 Netflix 全10話

演出・脚本・キャスト

演出:キム・ソンホ

映画「犬どろぼう完全計画」
ムーブ・トゥ・ヘブン~私たちは遺品整理士です(2021)

脚本:ユン・ジリョン

  • 花より男子(2008-09)
  • プロポーズ大作戦(2012)
  • エンジェル・アイズ(2014)
  • ムーブ・トゥ・ヘブン:私たちは遺品整理士です(2021)他

キャスト:

タン・ジュンサン(ハン・グル)
イ・ジェフン(チェ・サング)
チ・ジニ(ハン・ジョンウ グル父)
ホン・スンヒ(ナム)

”主な若手ゲスト”

クォン・スヒョン (EP5)
スヨン (EP5以降随時)
イ・ジェウク(EP5以降随時)
ケビン・オー(EP9) 他

新鋭人気若手俳優タン・ジュンサン

タン・ジュンサンは子役として活動し、主にミュージカルで知名度を上げてきた若手俳優さん。

本作のキャスティング後に放送された 「愛の不時着」の大ヒットで、北朝鮮の可愛い末っ子兵士ウンドンとして先に有名になりましたね(^^♪

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Netflixで配信が始まっている「ラケット少年団」でも主演として出演されています。

落ち着きのある確かな演技力で、人気若手俳優の仲間入りをされましたね!

冒頭あらすじ

故人の部屋を清掃する「遺品整理士」業を行っているジョンウと息子グル。

アスペルガー症候群のグルは、故人の生前の思いを汲む真心を込めた仕事をするジョンウに倣い、手順だけでなく仕事の意味も覚えていた。

だがジョンウは病を患い他界。

グルの後見人として弟サングを指名していた。

刑務所帰りで借金を抱えているサングは、3ヶ月グルと生活し仕事をすれば正式な後見人としてグルの財産を自由にできると知り同居を始めたのだが……。

予告編

グルの仕事ぶり、そしてその姿を見るサングの目が温かい予告編ですよね。

3話あたりではまだサングはそんな表情はしていません。

トゲトゲし、生き方の定まらなさと抱えているマイナスにイライラしています。

いつかこんな表情をサングは見せてくれそうです。

ムーブ・トゥ・ヘブン に感じる魅力と個性

意外性と切実さを深く描き、ドキュメンタリーのようなリアリティに

実際にあったエピソードなのではないか、と思わせられる、意外性と切実さの込められたエピソードたち

フィクションでありながら、まるでドキュメンタリーかのような錯覚を起こさせる深い物語たちで、一つ一つの案件に胸がぎゅっとつかまれました。

これは、名作米ドラの「コールド・ケース」のように、依頼案件の相手がすでにこの世にはいないという前提が感じさせる悲しさと取り返せないものへのさみしさが常に横たわっている切なさがあったからなのではないでしょうか。

美化させ過ぎないバランスを保ちながらも、誰かが気づいていれば、もう少し関われていればと感じさせる故人の切実な思いを、もう取り返せない時間の中にグルは見出します。

”思い”を見つけることで何かが救われていく感覚に胸が熱くなります。

グルは、故人の声に気づき、伝えることに手を抜かない、優秀なメッセンジャーとしての役割をプロフェッショナルに果たしてくれるんです。

この世を去った方々の思いを汲むグル

もう話すことはできない故人の声を、彼らの残したものが教えてくれる。

グルは小さな変化や違和感に気づくことのできる子で、お父さんは、グルのその性格を亡くなった方の”思い”に繋がるようリードしていました

特に、遺品整理士に依頼してくるケースはほとんどが同居家族のいない方。

直接語れなかった事も、残されたものから見える行動と思いを紐づけていくヒューマンドラマが秀逸です。

専門職ものであり、濃いヒューマンドラマ。

どのエピソードにも引き込まれました。

訳ありの叔父とアスペルガー症候群のグルが心を通わせるまで

エピソードは、グルたちが引き受ける依頼案件を中心に展開していきますが、グルとサング自身の物語が案件とリンクさせながら描かれていきます

それらが、不幸な偶然と奇跡と後悔の積み重ねであることを示しながら語られていくふたりの過去と現在が胸に迫りました。

この世を去った後に残された”思い”と”愛情”にこそ、その人の人柄が見える。

サングの血のつながらない兄ジョンウへの慕情と恨みは、グルを愛してきた兄の姿を通して自分への愛情を知ることで変化を見せます。

愛情と思いやりでつながったサングとグルの姿を通して、故人がつなぐことのできるものがあるとも伝えていました。

父がグルに残した温かさにぐっとくる

第1話はグルと父であるジョンウの物語。

彼らがどうやって暮らしていたか、どういう思いを互いに抱き、どんな言葉を掛け合っていたかをじっくりと見せてもらえます。

アスペルガー症候群を持つグルの生きづらさを知っていて、グルの個性がどうすれば生きるのかを考え抜き、その個性が仕事で活かせるよう育てていました。

幼なじみのナムの言葉を借りれば「グルは純粋で優秀で優しいたぐいまれな人物。世の汚れたものから守ってあげないと!」と思わせる人物なんですよね。

ゲストロールキャスティングの秀逸さ&ケヴィン・オ

カメオ出演でドラマに華を添えるゲストロールもありますが、本作のゲストロールは、エピソードをより深く理解し引き込むことができる秀逸なキャスティングがなされていたことに大拍手を送っています。

主だったゲスト俳優さんは、先ほどキャスティングリストのところに記入したのですが、この面々のキャラクター再現度はとても高く、見ていて大満足でした。

特筆キャスト ケヴィン・オ

出典:IG @kevinoh_

なかでも、EP9の海外へ養子として送られ国籍変更がされないままに強制送還されてきたマシューを演じたケヴィン・オは、その流暢な英語と哀しみの表現が迫真で、今後、英語話者の役をもっと見せて欲しいと切に感じました。

世界を股にかけて活躍する音楽家や芸術家、ファッションデザイナーやモデル・俳優など、Netflix作品ならば限りなく需要があると真剣に感じました。

ちなみに、ケヴィン・オは2015年スーパースターK7で優勝し、翌年デビューされた実力派シンガー

最近だと、2020年Jtbcのドラマ「場合の数」のOSTにも参加されています。

「Kevin Oh Falling Slow 場合の数OSTより」

ムーブ・トゥ・ヘブン:私たちは遺品整理士ですとは

故人の”思い”を汲み伝えるメッセンジャーグル
どれも稀有で特別なエピソードの温かさと切なさに泣く

ハマリ度は

 5

ヒューマンドラマとしては満点といっていい、素晴らしいシリーズ

1話から涙腺崩壊、毎話はらはらと泣かされ、温かい気持ちにさせられました。

2021年の今だからこそ語るべき人権に関するテーマを持つエピソードや、社会の理解やセーフティーネットから取りこぼされてしまう人々の悲しさとくやしさも取り上げています。

幸運・不運を分けることになる出会いと状況など、考えさせられ身につまされる部分も多いドラマでした。

グルの才能が無限に広げるドラマの世界

アスペルガー症候群の専門職と聞いて、すぐさまアメリカドラマとしてリメイクもされている「グッド・ドクター」が浮かんだ方も多いと思います。

グルの注意力の高さから、事件性のある現場での作業で決定的な証拠を得たというエピソードもありました。

”故人”の事情は千差万別ゆえに、グルの物語がシーズンを重ねて無限に描き続けられるだけのポテンシャルのあるドラマだとも言えます。

実際に、もっと見たい!と思っていたところで続きがあるかのようなエンディングでした。

監督・主演ふたり・実際の遺品整理士さんとの対談インタビュー

ドラマの中では語り切れなかった思い、メッセージと言ったものなどを、演出をされた監督やキャスト、そして実際の遺品整理士さんの声を聞きながら対談されているインタビュー動画がありました。

日本語字幕が出せますのでぜひ!

ムーブ・トゥ・ヘブン:私たちは遺品整理士です は今すぐNetflixで視聴できます。

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