韓国ドラマ「ナインルーム」視聴感想

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ナインルーム

2018年秋tvNで放送されたファンタジックサスペンス「ナインルーム」を見終わりました。

主演はキム・ヒソン、キム・ヘスク、キム・ヨングァン

ベテラン&大ベテランの競演にドラマが締まる!そんな感覚を受けながら最後まで惹きこまれてみることができました

今回も私の感じたところを主観的に語っていきたいと思います。

目次

作品情報

放送

2018年 韓国tvN 全16話

演出・脚本・キャスト

演出:チ・ヨンス

お嬢さんをお願い(2009)
ビッグマン(2014)
純情に惚れる(2015)
高品格の片思い(2015)
ナインルーム(2018)他

脚本:チョン・ソンヒ

グッキ(1999)
ファッション70’s(2005)
ソウル1945(2006)
王女チャミョンゴ(2009)
近肖古王(2010)
客主(2015)
ナインルーム(2018)他

大ベテラン脚本家チョン・ソンヒさん~!

私がチョン・ソンヒ作家の作品で見たのは、若きキム・ヘス主演のグッキ(1999)とイ・ヨウォン主演のファッション70’s(2005)の2作品。

どちらも、ラストまで分厚くハードな試練の中を生きぬく登場人物たちの姿をヘビーで入り組んだ人間模様を絡めて描き切るドラマでした。

本作「ナインルーム」もまさにそういった作品でした。

ただ今回はファンタジックな要素が加わりさらに展開が複雑化していたという部分がより今のトレンドを感じさせました。

冒頭あらすじ

SHCグループを筆頭に富裕層を顧客に持つ法律弁護士タムジャン所属の美人若手エース ウルチ・ヘイ。

勝率100%、高額報酬、そして恋人はSHCグループ会長の弟で医師のキ・ユジン。

ヘイはすべてを手に入れ人生の絶頂だった。

そんなヘイが昇進のためにひき受けたのが模範囚として保釈審査にたどり着いた死刑囚チャン・ファサの保釈を阻む任務だった。

予告編

勝率100%のためにいかなる手をも使う敏腕弁護士ウルチ・ヘイと34年間服役し続けてきた死刑囚チャン・ファサの魂が入れ替わって展開する物語の始まりが分かる予告となっています。

ナインルーム の魅力と個性

ベテラン女優の競演に震える

16才から芸能活動をスタートさせ数々の映画・ドラマでヒロインとして活躍し続けている1977年生まれ現在42才のキム・ヒソン。

そして、キム・ヒソンが生まれる前の1975年から女優活動をスタートさせている大ベテランのキム・ヘスク(63才)。

この二人による火花散るほどの演技対決に最初からゾクゾクさせられ通しでした

無実を訴え続けてきたチャン・ファサ

SHCグループ会長の婚外子チュ・ヨンベを殺害した罪で死刑判決を受け、34年間刑の執行はないまま服役してきた稀代の悪女と呼ばれたチャン・ファサ。

けれど、彼女は一貫して無実を訴え続けてきました。

監房内でも信頼が厚く模範囚となったほどのチャン・ファサが、ここに来て保釈申請すら弁護士事務所から送り込まれたヘイの策によって無下に却下されようとしていました。

チャン・ファサの事件には一体どんな真相が隠れているのか、どうすればそれが明かせるのかぐいぐいと惹きこまれていきました。

不思議な現象が投じた一石

刑務所内にある接見用の部屋「9号室」。

倒れたチャン・ファサに、駆け付けたキ・ユジンが除細動器で蘇生を図っている最中、ヘイはファサに覆いかぶさるように転倒。

目覚めた時には二人の魂は入れ替わっていました。

チャン・ファサとウルチ・ヘイそれぞれがこの状態をどう受け入れ行動していくのか、また、この出来事には一体どんな意味があったのか一つ一つの出来事を積み重ねながら真実に向かって進んでいくストーリーでした。

アイデンティティーの重み

本作ではそれぞれの登場人物が自らのアイデンティティーを追い求め続けていたというのが大きなテーマだったように感じました。

詳細はネタバレのところで語りたいと思いますが、自分自身の尊厳を守り抜こうとする者、羨望や嫉妬から望むアイデンティティーを手に入れようとする者たちの葛藤と残酷なまでの因果応報の物語でした。

ナインルームとは

アイデンティティーを守ろうと苦悩した人々
不思議な力が一石を投じた因果応報のヒューマンサスペンス

ハマリ度は

4

起承転結がはっきりとわかり、今何がどうなっていこうとしているのかちゃんと物語について行けるよう構成されているサスペンスでした。

  • チャン・ファサが死刑囚となった事件の真相
  • この事件に隠されたある重大な理由と事実
  • 関係者たちが選択していく行動の一つ一つが生み出す結果

そういった物事が同時進行しながら結末へと向かっていくんです。

9話あたりが起承転結の“転”の始まりとして新たな局面がやってきて視聴スピードが加速しました。

魂が入れ替わるというファンタジックな設定に頼りすぎることなく、登場人物たちの心情と状況がじっくりと描かれていました。

その分、ラストのファサやヘイたちの思いが強烈な印象を残してくれました。

ファンタジックな要素のあるシリアスなサスペンスかつヒューマンなドラマ、良かったですよ!

ポニーキャニオン
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ここからはネタバレがあります
ご注意ください

ネタバレあらすじ

サスペンスドラマはネタバレ厳禁ですよね。

ここからは、事件の真相や隠されていた真実など、一つ一つ思い出しながら書き残しておこうと思います。

ネタバレだらけですのでご注意ください。

少し長くなりますので、必要のない方は感想まで飛ばしていただければと思います。

魂を入れ替えたモノ

9号接見室でファサとヘイの魂が入れ替わった時、行われていたのはキ・ユジンによる除細動器での心肺蘇生。

鍵はこの“除細動器”でした。

1984年、ユジンが生まれたナビジャム産婦人科に隕石が落下し、生まれ落ちたばかりのユジン以外生んでくれたお母さんを含め分娩室にいた者たちは亡くなっていました。

この時ユジンのそばにあったのがこの除細動器。

電源が入っていなくても時折動作するこの不思議な除細動器はユジンに反応していたといえました。

チャン・ファサが34年ぶりに知った真実

保釈申請を卑劣な方法でヘイに潰されたファサ。

しかし、ヘイの持っていた事件の資料映像からSHCグループ会長キ・サンがファサのよく覚えているあのチュ・ヨンベであると知りました

自分が殺人で裁かれた亡くなったはずのチュ・ヨンベは一体誰だったのか、

なぜチュ・ヨンベがキ・サンとして生きているのか。

ファサは、ヘイの体を得て塀の外に出ることができた理由が、この事件の陰謀を暴けるよう神様がくれたチャンスだと解釈しました。

キ・サンはいったい?

小学校卒業後シカゴに留学していたSHCグループ会長の後継者キ・サンは運命のあの日、退社後人のいなくなった会社の金をもって逃げようとしていたヨンベと鉢合わせしました。

ヨンベは会長の婚外子であることで厭世的になり、会社の金をもらって恋人ファサと共に遠くへと旅立つつもりでした。

しかし、一時帰国していたサンともみ合いになり、サンが転落死してしまった。

キ・サンはずっと留学していたため成長したサンの顔を誰も知らないことから、会社を守るために会長がヨンベにサンとして生きるよう命令したのでした。

以降、チュ・ヨンベ死亡として処理するために真実を知る関係者すべてを抱きこんでいき、殺人犯としてファサが選ばれたのでした。

キ・サンにそっくりのユジン

ユジンはずっと会長の婚外子として、キ・サン(実はヨンベ)の義理の弟として生きてきました。

しかしユジンはまさにキ・サンの子でした

実質上の後継者はユジン。

会長はそれを知った上で、ヨンベから守るために自分の子だと嘘をついていたようです。

ヨンベが溺愛する息子チャンソン

人身事故を起こし裁判となっていた事件や、ヘイが嫌疑をかけられた殺人事件もどれもチャンソンが意図して行っていたことが後半分かって衝撃が走りました。

両親を愛し、子犬のように甘え上手でかわいい財閥御曹司チャンソン。

しかし彼は、シカゴでキ・サンのことをよく知る人に会ったことで、それが父ではないことを知ってしまいました。

ひき逃げ事故で亡くなったのはキ・サンの顔を知る人でした。

チャンソンは自らの手で、父がキ・サンでないと知る者たちの口を封じようとしていたのでした。

事態が大転換していった後半

9話でユジンが事態を知り、除細動器のことを不思議なビジョンで知ったことがきっかけでヘイとファサの魂を元の体に戻せました。

キ・サン会長相手にうまく立ち回ったつもりのヘイでしたが、体にファサがいた時のことが原因で結局は疑われ切り捨てられました。

ファサの事件の真相が見え、ファサの余命わずかな末期がんが見つかり、そしてチャンソンの行動の意味が分かった。

ヘイは過去に揉みつぶされたファサの無実が証明できる証拠を改めて入手し、強大な敵を相手に再審請求へと乗り出しました。

悔い改めたヘイと裁判の行方

手に入れた自分の地位や富は誰かの真実を捻じ曲げて勝ち取った勝率100%。

ヘイは、ユジンがいかに大切な人かわかったときには自分はもう彼に相応しくないほど薄汚れていると感じるほど悔い改めていました。

ファサとの関係はより深まり、病状の悪化により別れが近づいているからこそ無罪判決を勝ち取る戦いには負けられませんでした。

一方、諦めなかったヘイたちや協力してくれたオ刑事のおかげもあり、チャンソンの犯罪が明かされ、現在キ・サンと呼ばれているヨンベの身元を問うこともできました。

裁判は無罪を勝ち取り、34年間という無念の中を生き抜いたファサの正義は果たされました。

自滅したものたち

チャンソンは逮捕を避けようと警察からバイクで逃走中、自ら自殺行為を図り意識は戻ったものの体は不随となりました。

キ・サンの身分を奪って生きてきたヨンベは抱きこんだ仲間たちの失脚や事故によって自滅の道をたどりました。

感想

ファンタジックサスペンスゆえに、幾重にも守られた真実を明かしていく苦闘だけでなく、一体どんな予想外のきっかけが事態を動かすのかがスパイスとなって最後まで惹きつけられました。

会社のために、長男を殺害したヨンベに身代わりの後継者としての人生を与えた会長

ヨンベはそののどから手が出るほど欲しかったアイデンティティーを守るために必死になって秘密を守り抜こうと多くの人々を抱き込み口を封じてきました。

この不思議な除細動器は、生きて愛せなかったユジンの両親が息子に本来のアイデンティティーを取り戻せるように送ってくれたもののようでした。

それと同時に、チャン・ファサも自らの濡れ衣を晴らし彼女の本来の姿を取り戻してこの世を去りました。

ファサがヘイに遺した大切な言葉は「人は自ら美しくあるべきだ」でした。

印象に残ったOST

ここで印象に残ったOST曲を2曲ご紹介したいと思います。

本作で最も印象的だったのはオープニングの曲

メインテーマ曲「ナインルーム」

ファンタジックな本格サスペンスドラマというイメージが伝わってくる曲ですよね。

もう一曲は透明感のある伸びのあるパワフルなボーカルが印象的だった曲。

最終話で流れ印象的でした。

Navi「Rewind」

さいごに

ファサがこの世を去ってからも彼女に呼ばれたような気がするヘイ。

ファサの願い通り、宝物のような実力を持つ弁護士として死刑が確定した裁判の再審を手掛けることに。

受け持った受刑囚がファサに重なったヘイ。

もしかすると、どの受刑囚もファサさんだと思ってほしいという意味なのかもしれませんが、私はファサさんに見えた時は無罪の可能性があるというサインだといいのになと感じています。

それから、チュ・ヨンベを演じたイ・ギョンヨンさん、チャンソンを演じたチョン・ジェウォン(ONE)君など、主要キャストの皆さんが本当に良かった。

他人をうらやむのも妬むのも無意味。

人は自ら美しくあるべきで、自分が自分であることでなせることに精いっぱい心を込めて生きるしかないと感じさせてもらえました

今回はいつもより長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

ポニーキャニオン
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