Netflix制作のオリジナル韓国ドラマ「保健教師アン・ウニョン」の主演は「82年生まれ、キム・ジヨン」「新感染」などの映画で大活躍のチョン・ユミと映画・ドラマで人気のナム・ジュヒョク。
原作は日本語訳版も出版されている同名小説で、しかも、脚本は原作者チョン・セラン作家が担当されているそうです。
設定・世界観がそもそも個性的なのですが、ドラマそのものも個性的。
私としては、ハマることはなかったのですが、最後まで見ました。
今回も、公式からいくつか出されたティーザーやインタビュー動画をご紹介しながら本作から感じたところを語っていきたいと思います。
作品情報
配信・原作
配信
Netflixオリジナル韓国ドラマ 全6話
原作・脚本:チョン・セラン
原作の題名は「保健室のアン・ウニョン先生」斎藤真理子訳
演出
イ・ギョンミ
映画 ミスにんじん
映画 荊棘の秘密
ドラマ 保健教師アン・ウニョン(2020) 他
キャスト
チョン・ユミ(アン・ウニョン)
霊能力を持つ特異体質の保健教師アン・ウニョン。
赴任してきた高校で起こる不思議な出来事やそれを引き起こす、彼女にしか見えない邪悪なものたちを退治していくことに。
高校にはある秘密があることも突き止めていくのでした。
ナム・ジュヒョク(ホン・インピョ)
高校創始者の孫であり漢文教師のホン・インピョ。
本人はそうとは知らなかったけれど、邪悪なものからその身を守るシールドを持っている特異体質。
ウニョンにとって彼はパワーを充電してくれる唯一無二の特別な存在でした。
冒頭あらすじ
ウニョンは子どもの頃から、他の人には見えないものが見えていた。
死者の姿だけではなく、人の欲望や念のようなものがさまざまな姿かたちをしたゼリー状に見えウニョンを怖がらせた。
今は看護士を経て木蓮高校の保健教師を始めたのだが、高校には何か良くない気配があり、ウニョンは生徒を守るために駆けずり回ることになるのだった。
予告編
カラフルゼリー型のものたちをばっさばっさと叩いていく、極彩色のゲームのようで面白そうですね(笑)
あの小さなゼリー状の者たちも、ほおっておくと悪さをするものになっていくので、奴らが見えるウニョンが行動するしかないんですよね。
保健教師アン・ウニョンの個性
冒頭は躍動感あるバスター感でつかむスタイル
予告編ではウニョンにだけ見えるモンスターたちの極彩色のゼリー感や、音楽やタイトルロゴの印象などからポップさを感じていました。
Netflixで大人気の米ドラマ「ストレンジャー・シングス」に懐かしの「ゴーストバスターズ」を合わせたようなドラマになるのかもと少しワクワクしていたんですよね。
実際に始まってみると、冒頭話はまさにCGを駆使した躍動感ある映像になっていて、つかみはOKという印象でした。
ただ物語自体はもうちょっと泥臭くカオス気味。
バスター感よりも、ウニョンだから知り得た人や物事に対するエピソードをいくつかシリアスに描いていく物語でした。
無名俳優陣で固めたリアルな風景
韓国の学園ものというのは、アイドルグループ所属の方を何人か生徒役で投入するものと決まっています。(決まっていません)
また、ウニョンやインピョに絡む知り合いや同僚の先生など、ムン・ソリとユ・テオ以外は、まだ売り出し途中の俳優の皆さんで固められていました。
ウニョンだけに見えている世界の騒がしさのすぐそこにあるのは、ただただ日常の世界を生きる生徒や人々の姿。
華やぎはない代わりに、俳優陣が醸し出すリアルすぎる現場感が作り上げられていたなと感じました。
インタビュー動画でもう少し情報ゲット
演出家のイ・ギョンミ監督と主演二人のインタビュー動画が出ていました。本編のシーンも併せて少し紹介されています。
*日本語字幕が設定から出せます
ウニョンとインピョは「携帯電話と充電器の関係」だそうです。
「先生は特別、好印象」と言われてうれしそうなインピョ、かわいいですね(笑)
ドラマ保健教師アン・ウニョンとは
人知れず人々を守れる力を持っていたウニョン
邪悪なものと戦った普通の人達の物語
ハマリ度は
2
正直なところ、私はハマれませんでした。。。_| ̄|○
ハマれなかったポイントなどはこの後少し語ろうと思います。
予告編からポップなムードのモンスターバスタータイプのドラマの印象を受けていました。
明るさがあり、物語の中で人々を救うために人知れず相棒と共に奮闘するウニョンの姿を期待させたのですが、実際はもっと暗く、物語自体は混沌としていました。
ラストは、一つの闇に対処しきることができた(らしい)エンディングを迎えてOKな印象となっていたのですが、腑に落ちない印象がどうしても残りました。
ハマれなかったポイントなど(ネタバレなし)
脚本の部分
- ストーリーの描かれ方にメリハリがなく
- エピソードたちは唐突だったという印象
でした。
後半は筋を追いつつ、”クライマックスは盛り上がるかな?”とかすかな期待を抱き最後まで見たという感じ。
今思い返しても、あのセリフは何のことだったのか?あのエピソードの結末・結論は何だったかな?あれ、ああ言ってたのになんで?となってしまいます。
回収されていない小さなエピソードがそこかしこに残るすっきりしない感じがしています。
主演を活かさないなんて!?
主演にキャスティングした(できた)ナム・ジュヒョクをここまで活かせないなんて!?
これはもう衝撃的ですらありました。
ウニョンにとって唯一無二の存在であり、理解者であり協力者だったはずのインピョの活躍の場は?
ウニョンとのロマンスは求めないにしても、せめて強い同志感でもあれば‥。
ここは、ウニョンにとっての強い存在感を残した高校時代の友人ガンソンのエピソードが印象的だったことが影響している可能性もあります。
インピョの使い道があの程度だったんなら、ガンソン役にインパクトの強い人気俳優、例えばここにナム・ジュヒョクを配しても良かったくらいじゃないかと思ったりしています。
描く必要性を担保していない差別的表現
もう一点、辛口となってしまう部分があります。
邪悪なものの影響力が学校内で増幅し先生や生徒が悪辣な物言いをし始めるという終盤のシーンがありました。
ここで人々が揶揄し貶めたのは、障がいを持つ人とセクシャルマイノリティーの恋愛についてでした。
人々が悪辣になったことが伝わりさえすればいいシーンで、あえて差別を声高に口にさせるという選択をしたのはなぜかとなります。
本作は全世界の人が見るエンタメ寄りの映像作品であり、そのことに言及する必要性がないと成立しないデリケートな部分です。
たとえそれが原作の中でそう書かれてたとしても、別の表現を探すべきだったのではないかと思いました。
私は不愉快に感じました。
さいごに
ハマれないポイントを真剣に語ると辛口になってしまいました、すいません。
期待値との乖離が大きすぎて、うろたえてしまう部分もありました。
第1話は気合の入ったCGとテンポのいいドタバタで始まるんですが、本作の本当のテイストが出てくるのが2話の中盤以降か3話くらいからだったかな~?
そこ以降も前のめりで見られる方は最後まで楽しめるかなと思います。
重要:虫が苦手ならやめておけ
あ、虫が苦手だとか、うじゃうじゃ(大集合して)いる、昆虫食無理という方はやめておいた方がいいかもしれません。