ストーブリーグ 視聴感想 絶望的球団のGM 構造改革と優勝への期待感をくれる孤高の主人公の魅力

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ストーブリーグ

2019-20年SBS放送の韓国ドラマ「ストーブリーグ」を見終わりました。

時期的にtvNのヒットドラマ「愛の不時着」やJtbc「梨泰院クラス」に挟まれた裏時間帯だったために、その成績が若干目立たなかった印象でした。

しかし、韓国地上波ドラマとして20%近くの自己最高視聴率を取って好評の中終了していたのが本作。

ナムグン・ミンの演じるキャラクターは常に個性が立っていて説得力もあって大好きなのですが、本作の主人公ペク・スンス役はこれまた魅力ある人物で惹きつけられました。

今回も、本作のどんなところに魅力を感じたのかなど、主観的に語っていきたいと思います。

目次

作品情報

コピーには「これは野球の物語ではない」とありますね

放送

2019-20年 韓国SBS 全16話

演出・脚本・キャスト

演出:チョン・ドンユン

星から来たあなた・六龍が飛ぶ 助演出
被告人(2017)共同演出
怪しいパートナー(2017) 共同演出
EXIT(2018)
ストーブリーグ(2020)

脚本:イ・シンファ

ストーブリーグ(2020)

キャスト

ナムグン・ミン(ペク・スンス)
パク・ウンビン(イ・セヨン)
オ・ジョンセ(クォン・ギョンミン)
チョ・ビョンギュ(ハン・ジェヒ)
チョ・ハンソン(イム・ドンギュ) 他

冒頭あらすじ

ペク・スンスはこれまで、シルム団(相撲のような韓国の競技)、ソフトボールチームなどのプロ企業チームを立て直し優勝させてきた実力を持つ。

しかし、どのチームも優勝後廃部になるという憂き目にあい、今度は潰れにくいプロ野球チームに職を求めドリームズのGMとして見事採用された。

ただ、ジェソングループのドリームズは、熱いファンはいてもここ4年最下位が続き、それ以前からもワースト付近に甘んじ続けている厳しい状況だった。

予告編

問題多きプロ野球チームが舞台。

この球団で優勝を目指せるチームを作ることをさらりと宣言するGMペク・スンスの姿が印象的です。

果たして最下位のチームが優勝できるのか、とても気になるストーリーですね。

そもそもストーブリーグとは

オフシーズン中、球団はチーム強化のため選手トレード・スカウト・年俸交渉などを行う。

ファンがストーブを囲んで選手や球団の動向を語るようすからついた呼び名が「ストーブリーグ」ということだそうです。

ドラマ「ストーブリーグ」の魅力と個性

絶望的な球団を立て直すという希望にワクワク

ここ数年ずっと下位。直近4年は最下位。

先シーズンも、成績だけではなく組織としてもどうしようもない醜態をさらしてファンをがっかりさせたドリームス

そこにやってきたのがペク・スンスでした。

彼のGM就任後の目的は「ドリームズの優勝」のためにできることをすべてやること

野球人でもなく、組織の慣例も知らないスンスには逆風しか吹かないのですが、彼の打つ一手一手が大胆かつ効果的であることが分かってきます。

スンスがGMなら優勝も夢ではないのかも?と思わせてくれるワクワクに視聴が止まらなくなりました。

構造改革という難題に取り組む孤独な姿

人が感情で動くことも、それぞれの価値観や状況が立ち位置を決めることも理解しているスンス。

スンスは、合理性を基に戦略を立てつつ、最終的に皆の納得のいく結果へと運んでいきます。

綿密な調査と統計を基に、他球団とのトレードを的確に進めウィンウィンを引き出していき、組織に蔓延する膿も出していく。

スンスが優勝のために結果的に目指していたのは「大がかりな組織改革」でもありました。

内部からの反感を買い、オーナーからもにらまれ、選手からも疎まれながら使えるカードを駆使し静かに窮地を乗り越えてゆく孤高な姿に魅了されていきました。

野球ドラマではなく、裏方の物語

シリーズの結果を左右するほど重要なオフシーズン。

ドラマ「ストーブリーグ」は、球団のためにできることすべてをやりつくそうと尽力し、難しい構造改革の道を進んだ裏方の物語。

オフシーズンの主役たちを描いたのがまさに「ストーブリーグ」でした。

韓国でも人気の高いプロ野球に関係したドラマということで、脚本家のイ・シンファ作家は綿密な取材を重ねドラマを練り上げられたそうです。

どの人物のセリフからも、それぞれの立場があり、人によっては受け入れがたいこともあるということをきちんと描かれています。

それらをすべて分かったうえで、同じ目的に向かって皆が迷わずに歩めるように整えていくスンスという主人公の魅力と成長と結果を見せてもらえました。

つまり、ポスターのコピーの通り、本作は野球の物語ではなく、球団を支える裏方の皆さんが紡ぐオフィスドラマでした。

ドラマ「ストーブリーグ」とは

絶望的最下位球団のGMに就任した孤立無援の主人公
優勝を目標に全力で静かに挑む姿に魅了される

ハマリ度は

  4

数年前まで、組織と対立しながら成長・成功していく主人公の物語は、画面から熱が伝わってくるような熱いタイプのキャラクターが多かった印象です。

しかし、先ごろの「梨泰院クラス」などと同様に、本作の主人公ペク・スンスも、内に秘めた熱は高いけれど、より合理的・戦略的に進めなければ結果を出せないことを知っている人物として描かれていました。

現代的であり、組織を根底から動かすのは熱意だけでなく、結果が出せる人であるということを感じさせますね。

見始めると最後まで見たくなる魅力的なドラマです。

組織に生きる人すべてに響くドラマじゃないかと思います。

おススメのドラマです!

ここからはネタバレがあります
ご注意ください

ネタバレあらすじ・感想

スンスによる主な改革

スンスが球団にとって必要だと見定めた主な改革がこういったものでした。

  • タブー(のように皆が感じていた)トレードを断行
  • 腐敗スタッフの排除
  • 分析チームに最新のメソッドを導入
  • 選手の健康・メンタル管理などへのスタッフ拡充

などなど。

どれも、最下位のチームだからできなかったことであり、そのせいで最下位だったともいえる問題点でした。

誰もそこにメスを入れることができなかったのは、この世界に長くいる人たちだからこそという部分も。

冷静な目で問題点と改善方法を探り断行するスンス無くしてはできなかったことでした。

そもそもオーナー企業が非協力的だった…

ここが実は一番大きな問題でした。

親企業ジェソングループは地元密着型の事業を展開していたこともあり、創業当時から野球チームを抱え広告塔として運営してきた経緯がありました。

しかし、ここに来て事情が変わり、赤字の球団を解散させる方針に舵を切っていました。

スンスは、常識はずれといえるほど予算を削り取られて年俸交渉に苦心しながらも、その金額の契約を受け入れてくれた選手やスタッフのために手を尽くしました

スンスの魅力

「必ず方法はある」「スンスなら見つけてくれる」

そう感じさせる、表面は波風一つ感じさせない静かなリーダーがスンス

自分が無力であると信じ、それを補いあまる努力と忍耐で人生を生きる苦労人。

一目見てわかるようなカリスマでなく、行動と結果がスンスの実力と人間性を作り上げていくリアルさがナムグン・ミンの見せてくれたスンスの魅力でもありました。

先ほど、「梨泰院クラス」を例に出しましたが、ここにも分の役割に対してブレない信念を持つ魅力的な人物が登場したわけです。

スンスは上司にしたいというよりも、組織にいて欲しい。

これは、結末を考えてもリアルな感想だったと感じます。

結末

球界では薬物使用や遠征先での賭博問題などが勃発し、昨年の優勝チームなどから有力選手を含む面々が出場停止になるなどの変化がありました。

スンスは、伸び盛りのIT企業に球団の買収の契約を取り付けることに成功。

着々と進めたオフシーズンの準備が花開き、ドリームズは優勝に王手。

チーム・球団運営チームすべてが一枚岩となって取り組める環境が出来上がっていた結果でした。

ただ、スンスは契約上ドリームズには残れませんでした。

スンスはまた別の組織に紹介され、そこで腕を振るうに違いないと感じるエンディングでした。

活力を感じるOST曲

爽やかで前向きなイメージでドラマへの期待値が上がったのがこの曲

朝に聞けば一日がんばれそうな曲です。

イ・ウォンソク「キューサイン」

ドリームスを愛している球団の運営メンバーたちの姿と、球団のためにすべきと考えていることに落差があるスンスとの軋轢があった初期の様子が分かるMVでもあります。

さいごに

ひょうひょうとした表情と物言いで冷静に感情的な人たちからの言葉の暴力をいなすスンス。

このスンスを、妙な温度で演じたナムグン・ミンは、ドラマの成功も視聴率も稼げる主演クラスのベテラン俳優さんとなられて久しいですね。

子役出身若きベテランパク・ウンビンや、若手実力派の一角をなすチョ・ビョンギュ。

そして、味のある助演で引っ張りだこのオ・ジョンセさんなど、魅力的な布陣も良かったです!

常に次の手を用意しながら責任をもってその戦略を遂行していくリーダースンスの物語ともいえる本作、ぜひ見てみて下さいね。

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画像(c)SBS & SBS I&M

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