韓国ドラマ「天上の花園」視聴感想

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天上の花園

私がこれまでみた韓国ドラマの中で、保存版にしたいほどじんわりと心に残った秀逸なヒューマンドラマが2012年韓国チャンネルAで放送された「天上の花園~コムベリョン」

私は2012年の秋WOWOWで放送されたときに見ました。

以降あまり繰り返し放送されていない感じなので本作についてご存じない方も多いのではないでしょうか。

ただ、現在Netflixだけですが配信されています。(2019.9.13現在)→2021年12月14日に配信終了予定となっています

じっくり描かれるヒューマンドラマが好きな方には配信が終了する前にぜひ一度視聴してみてもらいたいと思い、改めてご紹介したいと思いました

それでは、2012年秋に視聴したときの感想を絡めながら主観的に語っていきたいと思います。

今回はネタバレ的な部分を少しですが含んだ感想となりますので、あらかじめご了承ください。

目次

作品紹介

放送

2012年 韓国チャンネルA 全30話

演出・脚本・キャスト

演出:イ・ジョンハン

ワンルンの大地(2000)
華麗なる時代(2001)
土地(2004-05)
淵蓋蘇文(ヨンゲソムン)(2006-07)
天上の花園(2012) 他

脚本:コ・ウンニム

映画 バンジージャンプする(2001)
劇場版いたずらなKiss Playful Kiss(2010)他

パク・ジョンファ

心ふるわせて(2005)

キャスト

ユ・ホジョン(チョン・ジェイン)
チェ・ブラム(チョン・ブシク)
キム・セロン(ウンス)
アン・ソヒョン(ヒョンス)
キム・ホジン(カン・テソプ)
ヒョン・ウソン(ウギョン)
カン・チャニSF9(スンウ)

開局記念ドラマを手掛けた大ベテラン制作陣

「天上の花園~コムベリョン」はチャンネルAの開局記念ドラマとして制作されたこだわりの逸品ともいえる作品。

演出のイ・ジョンハン監督は、長編時代物を多く手掛けられた大ベテラン。

そして脚本も、あのイ・ビョンホン出演でヒットした「バンジージャンプする」など映画畑で活躍されたベテランコ・ウンニム作家。

演出家・脚本家だけでなく安定した演技力に定評のある俳優陣を主演に揃えてありました。

冒頭あらすじ

可愛い娘たちと幸せに暮らしていたジェインは実業家の夫テソプが詐欺行為の罪で逮捕され生活は一変した。

かき集めた保釈金の一部を用意して拘置所に向かったが、夫は保釈され美しい女性と共に車で去る姿を見てしまう。

やむなく子どもたちを連れ一時的に長年疎遠だった父が暮らす故郷コムベ嶺へ戻ってきた。

連れ子のいる夫との結婚を略奪婚のように歪曲した村の人から陰口をたたかれ非難されたりしてジェインは肩身の狭い思いをするのだった。

その夫の連れ子長女ウンスは母を気遣いつつ幼い妹を守り、血のつながらない祖父とのかかわりに悩みながらも誠実に柔軟な心で前を向くよう努力していた。

予告編

ここで、日本版DVD発売元の予告編をご紹介します。

あ・・・もう予告編見ただけで涙が…( ;∀;)

心ない言葉や、理不尽な目にあうジェインたちを見ていると辛いのですが、そういう偏見を持っていたりする了見の狭い人たちとの関わりをもやがてさまざまな経緯で乗り越え関係が変化していく様子がみられます。

天上の花園~コムベリョンの魅力と個性

特別な子どもたちの思いと大人の役割

ジェインの長女ウンス(演:キム・セロン)は夫の連れ子。

ジェインが父と離婚してしまえば他人となってしまう立場に不安を感じているウンス。

そして村でカフェを営むウギョンはわけあって血のつながらないスンウ(演:カン・チャニ)を育てるシングルファーザー。

両親を亡くし、認知症を患う老祖母に何かあれば一人になってしまう村の子どもヒョンドもいました。

事情はさまざまだけれど、彼らの特別な子供たちが自分自身の境遇を理解し受け入れ、身近な大人たちに助けられて一回りも二回りも大きく成長する姿に大人の役割というものを感じさせられます。

ジェインの父であるハラボジは縁のある人や子どもたちがこれから心強く生きていける助けとなる道を常に見据えていて、いずれ先人となっていく今の大人たちの指針となる姿を見せてくれました。

大人の見せた「徳」を知り「心」を受け継ぐ子どもたち

自身の境遇をよく理解している不安を抱えた子どもたち。

そのなかで、大人たちが寄り添い身をもって見せてくれる行動に安心と生きる強さを得ます。

自分は信じてもらえている、孤独じゃない、そういった心強さを受け取った子どもたちは「徳」を見せてくれた大人の心をキャッチし自分たちもまたそれを次の世代へと移していってくれると信じられました。

まるでコムベ峯に流れる日々のよう

穏やかで温かい余韻が残る本作。

喜怒哀楽を描きながら粛々と進むドラマなのですが、人々の日常が実はとてもドラマチック。

彼らの過去が今どんな風に各人に影響するのか、彼らの想いがどんな未来をめざすのか、深い思いを酌みあげながら構成された作品でした。

村の皆さんとの土地トラブルや外部からの開発の話など、じっくりと取材した上で脚本にしたんじゃないかと思える内容ばかりでした。

時にシリアスに、時に滑稽に、時に心を鷲掴みにされるような細かな描写が溢れています。

各キャラクターの行動はそれぞれの心情に即した現実味あるものになっていて、30話がまるで本当にコムベ嶺で流れてる日々なんじゃないかとさえ感じる自然さでした。

天上の花園~コムベリョン とは

のどかな農村を舞台に人々の喜怒哀楽を描きつつ
人の縁を守り繋ぐことが未来への還元だと穏やかに語る秀逸ドラマ

ハマリ度

5

このドラマ、いろんなところで切なく温かい気持ちにさせられ、はらりと泣かされたんですが、特に響いたのはハラボジとキム・セロンちゃん演じるウンスでした。

劇中、ウンスが宿題で言い残したい大事なことを今「遺言書」にしたためるという大切なエピソードがありました。

私も書いてみて今後に生かそうかと思えました。

何よりも、生きている人々には未来があり、自分が去った後にも大切な人達が生き続ける世界がある、という普遍的なテーマが感じられました。

もしチャンスがあるなら、見られる時に見てみて欲しいオススメのドラマです。

さいごに

今から7年前の作品となるので、本作に出演しているキム・セロンちゃんやカン・チャニ君は現在は大人の俳優さんになられていて感無量。(子役俳優さんの成長にすぐ感無量になります)

まだまだ若く見えるので高校生役などもされたりしていますが、当時文字通り十代を迎えたばかりの彼らの子供役としての名演技を堪能していただきたいなと思います。

ハラボジ役のチェ・ブラムさん、ウンスたちのお母さん役ユ・ホジョンさんなど、庶民的な空気も悲哀も強さも表現される姿も印象的です。

ドラマ自体の印象は地味めですが、描かれたのは誰もが幸せになれる道を模索しつつ、目の前の助けを必要としている人たちと共生しようとする意志を感じる偉大な物語でした。

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