Netflix映画「二人のローマ教皇」視聴感想

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二人のローマ教皇

毎年1月はアカデミー賞が迫り、例年なら周遅れで昨年の受賞映画を見ることが多かったのですが、今年はNetflix作品が複数ノミネートされているため時間が許す範囲タイムリーに候補作を見て楽しんでいます

今回見たのはアカデミー賞主演男優・助演男優賞にノミネートされている「二人のローマ教皇」。

惜しくも3部門とも受賞はなりませんでしたが、ノミネートも大納得の素晴らしいお二人の演技、そして作品でした。

今回はネタバレ等気にせずに私の感じたところを語っていきたいと思います。

目次

作品情報

製作・配信:Netflix

監督・脚本・キャスト

監督:フェルナンデス・メイレレス

シティ・オブ・ゴッド(2002)
ナイロビの蜂(2005)
ブラインドネス(2008)他

脚本:アンソニー・マクカーテン

博士と彼女のセオリー(2014)
ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男(2017)他

キャスト

ジョナサン・ブライス(ホルヘ・ベルゴリオ枢機卿)
アンソニー・ホプキンス(教皇ベネディクト16世)他

本作は実話に基づく物語

本作のコピーの一つが“実話に基づく物語”。

誰も予想していなかった教皇の辞任をしたベネディクト16世。

結果的に一時代に名誉教皇・現役の教皇という二人の教皇が存在するという事実を元に物語は描かれています。

ただ、本作のストーリーのような二人の語らいの時間を持たれたという事実はないようですが、このような関係性があったかもしれないと感じさせる見事な脚本でした

冒頭あらすじ

ヨハネ・パウロ2世が逝去し次期教皇として選ばれたのは教義において保守派と言われていた78才のドイツ人枢機卿ヨーゼフ・ラツィンガー、ベネディクト16世だった。

およそ、8年後、バチカンは内部情報の漏えいや重大な事件の隠蔽などといったさまざまなスキャンダルに見舞われていた。

教皇ベネディクト16世に枢機卿辞任の許可をもらいたいと思っていたアルゼンチンのホルヘ・ベルゴリオは、行き違いで教皇に呼び出され会いに行くのだった。

予告編

二人の対話の軽快さだけでなく、ベネディクト16世が重大な考えを心に秘めていることが分かるシーンがおさめられています。

アンソニー・ホプキンスの存在感、ジョナサン・プライスの柔らかな物腰など、二人の大ベテラン俳優の呼吸も感じられますね。

二人のローマ教皇の魅力と個性

ドキュメンタリーさながらの対話劇

ストーリーは二人の対話を中心に進んでいきます。

もうこれが演技とは思えないほどのクオリティーの演技を見せるお二人からは終始目が離せませんでした。

美しい風景・建物 宗教的美術の美しさ

二人が語らい、散策するところはどこも二人が属している世界の広がりや美しさが感じられる場所となっていました。

ちなみに、上の写真は本作のために作られた美術チームによるセット。

それぞれ抱えているものがあった二人が時に意見をぶつからせながら語り合う中、何かの瞬間通じ合うような温かいものが感じられます。

美術・セット・ロケの場所など、包まれるような美しい空間の中で描かれたシーンシーンに惹かれてしまいました。

祈りと導きの世界で

二人には今でも抱き続けている過去の重い後悔の念がありました。

重荷・責任・孤独を抱えて生きてきた二人にとって、その時々に彼らが信じる神の導きや声というものがありました。

聖職者になったきっかけも、それぞれが今こうしていることも含め、二人にははっきりと神の意志で導かれていると感じられるものでした。

二人が自らの信念で生きてきた結果、ここというタイミングで導かれるようにして次のステップへと進むこととなる様子、そして多くの人々が心を預ける教会というものがうまくいく方向へと選択していく姿に何度も涙が溢れました。

芽生えた友情・温かさ

社会問題、時代の移り変わりによる人々の価値観の変化や本質的な生き方への理解を持っていたベルゴリオ枢機卿。

一方で超保守派と言われたベネディクト16世とは方針が違っていました。

ただ互いに意見をはっきりと言い合える二人にやがて友情のようなものが芽生えるんです。

一人で孤独に重荷を抱え続けていたベネディクト16世が大きな決断を下すと決めたときのさっぱりした表情や、特殊な地位についた二人の間に流れる温かな友情のような関係性がたまらないストーリーでした。

ベルゴリオ枢機卿の辞任を認めなかったベネディクト16世。

結果、次期教皇として選出されたのがベルゴリオ枢機卿(教皇名フランシスコ)でした

二人のローマ教皇とは

美しい風景建造物の中ではぐくまれる友情・温かさ
まるでドキュメンタリーのような素晴らしい対話劇

ハマリ度は

5

なんと5です。自分でも予想していなかったです。

どこというようにはっきり説明はできないのですが、幾度となく涙が止まらないシーンがあったんです。

途中、仕事で一旦視聴を中断してから続きを見たりしていたのですがやっぱり視聴再開してからもそんな感じで最後まで見ました。

この道で間違いない、この選択は間違っていなかった、と結果的に答え合わせができた時の自分の意志プラス何かが見守り導いてくれた安心感と幸せのようなものがあるんだ感じられたからのような気がします。

キリスト教やさらにはカトリックの方はまた違った感じ方や受け取り方をされるのかもしれませんね。

いや~、お二人の演技、本当に良かったです。

ちなみに、本物の教皇さま方は

2020年現在ベネディクト16世名誉教皇(右)は92才、フランシスコ教皇(左)は83才でいらっしゃいます。

演じたアンソニー・ホプキンスは82才、ジョナサン・ブライスは72才。

年齢差や印象など、どことなくご本人がたに似ているように感じるのは背格好だけではないんでしょうね。

皆さんいつまでもお元気で活躍していただきたいです!

▶︎Netflix「二人のローマ教皇」

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