2018年5月にBBC Oneで放送された「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」(A Very English Scandal)を見終わりました。
主演はヒュー・グラント&ベン・ウィショー。
ベン・ウィショーは第76回ゴールデングローブ賞TV映画/ミニシリーズ部門で助演男優賞を獲得しています。
魅力的な英国俳優共演で一大スキャンダル事件を描いた本作の魅力をちょこっと語っていきたいと思います。
作品情報
放送・スタッフ・キャスト
放送
イギリスBBC One 2018.5.20~7.3 全3話
スタッフ
原作:John Preston「A Very English Scandal」
演出:Stephen Frears
脚本:Russel T Davies
キャスト
ヒュー・グラント(ジェレミー・ソープ)
ベン・ウィショー(ノーマン)
ピーター・ベセル(アレックス・ジェニングス)
モニカ・ドーラン(マリオン・ソープ)他
実話をベースにしたコメディドラマ
本作は1976~1979にイギリスを騒がせた大物政治家ジェレミー・ソープのスキャンダルを脚色しドラマ化した物語。
同性愛関係にあったノーマンとの関係が表ざたになることを恐れたソープがノーマンの口を封じようと殺人を指示したのではないかとの疑いで裁判となり、赤裸々な証言がさらに世間の注目を集めてしまったという一件でした。
同性愛をめぐる時代背景
第一話で同性同士の恋愛や結婚を認める法改正案を提出しようと動く議員さんが登場しました。
実際にイギリスでは2004年にシビル・パートナーシップ法が成立し、2014年には一部の地域を除き同性婚が合法化しています。
当時はまだ同性愛が違法とされていた時代だったことで、”公人であるソープがノーマンとの関係を隠そうと殺人まで企てたのではないか”という疑惑が真実味を増すことになってしまいました。
冒頭あらすじ
ジェレミー・ソープは弁舌なめらかで党首も務めるほどの敏腕政治家。
地方に行った際に出会った厩舎で働くノーマンが気に入り、ロンドンに来た時には自分を訪ねるよう連絡先を渡した。
約4年後訪ねてきたノーマンと体の関係を持ち、そのまま部屋を借りて彼を囲っていたが、次第にソープの訪問が減りノーマンは不満を抑えきれずに去った。
ある日、赤裸々な二人の関係を記した手紙がソープの母に届いたことから、ソープにとってノーマンは歩くスキャンダル時限爆弾的存在となってしまった。
予告編
ここでDVD発売元Sony Picturesの予告編トレーラーをご紹介します。
刺激的です!
断片的なシーンをうまくつないでありますが、ノーマン役のベン・ウィショーのさすがの演技っぷりがもう垣間見えてます。
主演は人気英国俳優
新鋭のベン・ウィショーと人間臭い役がすこぶるうまいベテラン俳優ヒュー・グラント。
私はこの二人の英国俳優の共演を愉しみたくて見たと言ってもいいほどでした。
実際、ヒュー・グラントは渋酸っぱいような表情がめちゃくちゃうまく、ベン・ウィショーは裏のない純粋なノーマンを堂々と愛嬌たっぷりに演じていました。
コメディ要素が効いていた
本作は軽妙なテンポとシニカルな笑いがバランスよく配されていた絶妙のコメディドラマでした。
真剣に取り組めば取り組むほどことが大きくなり、ちょっと脱線気味になってしまう。
人間の滑稽な部分を少しだけデフォルメしてあるところがむしろキャラクターたちの心の傷や怖れを表してあって深かったなと思います。
英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件とは
実話のソープ事件とその時代を描きつつ
愛憎と陰謀が絡まる人間ドラマをコメディタッチで
ハマり度
4
1話を見始めたらあっという間に全3話みてしまいました。
主演陣の魅力がすごかったのと、軽妙に進む一大スキャンダルを描く脚本の面白さがあったからかなと思います。
ここからはネタバレがあります
ご注意ください
さいごにネタバレなど
本作の主人公ジェレミー・ソープさんはこの裁判で殺人を依頼した疑いに対して無罪判決がでたあと政界から退き、数年前の2014年に亡くなられたそうです。
でもノーマンさんは2019年3月現在ご健在。
エンドテロップ付近でご本人がSpecial Thanks的に登場されていました。