2018年夏にKBSで放送された韓国ドラマ「あなたのハウスヘルパー」を見終わりました。
邦題は「私の彼はエプロン男子~Dear My Housekeeper~」となった模様です。
主演はハ・ソクジンとガールズアイドルグループ宇宙少女のボナ。
さらりとしたテイストながら、家を片付けられないことはイコール人生への向き合い方が整理されていないと教えてくれる、なかなかに“刺さる“濃いストーリーでした。
じんわりと心に残る本作の魅力を、今回も本音で語っていきたいと思います。
私の彼はエプロン男子 について
放送:KBS 韓国 2018.7.4-8.29 全16話
韓国KBS公式サイト:あなたのハウスヘルパー
演出家・脚本家・キャスト
演出家:
チョン・ウソン
ウララカップル(2012)
凍える華(2016)
最強配達人(2017)
私の彼はエプロン男子(2018)
イム・セジュン
脚本家:ファン・ヨンア
私の彼はエプロン男子(2018)
キャスト
ハ・ソクジン (キム・ジウン)
宇宙少女 ボナ(イム・ダヨン)
イ・ジフン(クォン・ジングク)
コ・ウォンヒ(ユン・サンア)
ソ・ウナ(ハン・ソミ)
チョン・スジン(カン・ヘジュ)
ヨン・ジュンソク(ガラム)
フレッシュな俳優さんが揃ってた
今作では私にはお初だった新顔俳優さんがたくさんいました。
なかでもヒロインのダヨンを演じたボナは95lineの宇宙少女というガールズアイドルグループ所属。
過去2作品ほどドラマに挑戦してこのミニシリーズの初主演となりました。
ダヨンのキャラクターや本作の雰囲気にボナは確かに合っていました。
しかも、13才年上のハ・ソクジンが若く見えることもあって、お似合いな主人公たちでした。
冒頭あらすじ
ダヨンは広告代理店で働くインターン。
収入は安定せず、お父さんの遺した家を維持するために部屋を貸し出すことにした。
しかし、手入れも整理も行き届かない家に住みたいと言ってくれる人はいなかった。
そんなダヨンに、向かいのお祖父さんが家事のプロ・ジウンを勧めてくれた。
中でも特に掃除・整理の腕が高いジウンは、依頼人の家だけでなくその心まで整理してくれるのだった。
予告編
ここで日本公式DVDの予告編をご紹介します。
*私の彼はエプロン男子 DVD公式サイト
登場人物紹介と、主人公ジウンの魅力を伝えてくれる予告編となっていますね。
主人公は片付けのプロ
数年前から“断捨離”や“終活”といったキーワードが、ものにあふれた現代日本人の心に刺さり、指南本がベストセラーになりましたよね。
アメリカでも、Netflixで近藤麻理恵さんのトキメキ整理メソッドのリアリティー番組が配信開始されるやいなや大人気となるなど、ものを整理することに多くの人が迷い、助けを求めているんだなと感じていました。
本作の主人公ジウンはそんな整理を助けてくれる人物でした。
“また使うかも、もったいない、思い出もある” そんな気持ちもちゃんと汲みながら、依頼人のライフスタイルに合わせて整理していきます。
彼が仕事を終えた後には、依頼人は囚われていた過去や考え方から解き放たれていたり、人間関係の絡まった糸を整理できたりして未来に向かって歩き始めることができました。
主人公以外のエピソードも豊富
本作のもうひとつの大きな魅力が主人公以外のほぼ皆さんのエピソードがきちんと描かれていたこと。
終わるころには全員が笑顔になっているという素敵な物語でした。
人のつながりが悩みやトラブルを解決していってくれるアットホームな雰囲気のある本作はラブラインも期待できる楽しさがありました。
友人たちや関係者たちの恋や、異性だからこそ助け合えたエピソードなどがあって群像劇的な描き方もされていました。
私の彼はエプロン男子 とは
誰でも一人では整理しきれないものを抱えている
助け合い背中を押してくれる大切な人との出会いを描いた物語
ハマり度は
3.5
最終話に近づくにつれて、ついつい涙腺が緩んでしまうような温かくていいシーンがありました。
群像劇的なロマンティックヒューマンドラマといった感じの作品で、本作は実際にいそうな普通感を演じられる役者さんたちが揃っていたことがとても良かったです。
特に、主人公を演じたボナやカフェで働くガラム君などは実際にどこかにいるような雰囲気があってとても良かったです。
ここからはネタバレがあります
ご注意ください
ネタバレあらすじ・感想
本作の登場人物たちは誰もが捨てられないものを抱えていました。
ジウンの助けを借りたり、新たな出会いや人間関係の中でそれを整理していく様子がとても印象的でした。
ダヨンの親友3人が抱えていた問題
ボナの親友三人は心の中にある直視したくないものたちに向き合うことで、気づかなかった真実や現実を知り、整理していくことができました。
サンアは人に身の丈以上に見られたい虚栄心
サンアはトラブルに直面したことがきっかけとなり虚栄心のあまり余裕を失っていた人生を見直すきっかけになりました。
ありのままを愛してくれると信じられるジングクに出会い、サンアは不必要な鎧を捨てて彼と幸せになれそうでした。
男性恐怖症のソミ
ソミは過去に受けた血のつながらない兄からのいたずらが原因で男性に対する恐怖感を抱えていました。
好きな人に告白できなくなったへジュ
ヘジュは心から愛していた親友のような彼から、ある日ゲイであると告白されました。
愛する人に好きと言えなくなったと思い込み、心に誰にも言えない思いを閉じ込めてしまった壁のようなものを抱えていました。
誰かの助けになりたいと思うことが相手を幸せにする
サンアやダヨン以外でも、ソミは男性恐怖症を治すきっかけになってくれたガラム君といい関係を築いたし、ヘジュは好きだったチョルス君にきっちり気持ちを伝えられた。
ジウンの兄貴分テスさんも初恋の女性と再会でき、思いは伝わっていたと知った。
ダヨンの会社の上司の恋も温かい気持ちになりました。
ラブラインとして発展するかしないかは置いておいたとしても、誰かを思い相手の助けになりたいと思うことで彼らが結局は幸せになっていく姿が素敵でした。
ジウンが待っていた人
さて、ジウンが5年もの間待ち続けさがし続けた女性にも触れておきます。
その人はソヒさんといって、ジウンがつらいつらい思いを抱え、死を選ぼうとしたときに助けてくれた命の恩人でした。
突然去った彼女を忘れられなかったジウン。
彼もまたソヒさんへの思いや彼女を待つのをやめるという生活を整理することができずにいました。
ソヒさんが去った理由、それは17歳の時に産んで育てることができなかった息子が高校生となり、喧嘩による傷害罪で起訴される危機に直面したからでした。
その息子がガラム君でした。
ガラム君の示談金を借金したソヒさんは、その借金を返すためにガラム君の元も去り自立の道を模索していたのでした。
ジウンにもガラム君にも迷惑はかけられないと思っていたソヒさん。
ソヒさんが整理したかったことは、人生においてやり残したことをひとつずつ別の形でやり直すあるいは実現させることでした。
ソヒさんの消息が分かった今、改めてジウンは彼の人生を温かく包んでくれた新たな愛であるダヨンと人生を歩むことにしました。
心に残ったジウンの言葉
13話の冒頭、ジウンがナレーション形式で語る言葉が印象に残りました。
ここでご紹介させてもらいます。
整理は難しいわけじゃない。
散らかっていることを認識し、放置してはいけないと気づくこと。
整理すれば次がある、そう決心することが難しいけど重要だ。
そして新たな時間が始まると、そう信じるべきだ
お気に入りOST
本作のさらりと明るい雰囲気とロマンスの香りが漂うステキな曲を一つご紹介します!
Sanchezの「あなたという海」
いいわ~♡
さいごに
こうして振り返ってみると、群像劇的な面白さも味わえる爽やかなヒーリングヒューマンドラマでした。
セクシュアリティの現実に直面する人物や、人生をやり直す勇気を持つ人物など、なかなか奥深いエピソードも盛り込まれています。
人は親身になり助け合う中で救われていくというテーマも見えたステキなドラマでした。