韓国ドラマ「サークル:繋がった二つの世界」視聴感想

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サークル

2017年にtvNで放送されたヨ・ジングとキム・ガンウ主演の近未来SFサスペンス「サークル:繋がった二つの世界」の視聴感想です。

本作は主演二人のキャスティングをみて視聴を決めたドラマでした。

ストーリー構成が独特で新鮮だった本作について、2017年に見た時の感想を絡めて語っていきたいと思います。

前半は見どころや予告編、ハマり度などネタバレなしで。

後半で物語のキーとなったネタバレのあらすじや結末、おススメOST曲など紹介しています。

目次

サークル 作品情報

放送

2017年 tvN 全12話

演出・脚本・キャスト

企画:キム・ヨンヒョン&パク・サンヨン脚本家

H.I.T(2007)
善徳女王(2009)
根の深い木(2011)
六龍が飛ぶ(2015)

演出:ミン・ジンギ

蒼い巨塔(2013~バラエティー番組から生まれたシットコム)
SNLコリア(コント・バラエティー番組)

脚本

キム・ジニ ユ・ヘミ リュ・ムンサン パク・ウンミ

キャスト

ヨ・ジング(キム・ウジン)
キム・ガンウ(キム・ジュニョク)
イ・ギグァン(イ・ホス)
コン・スンヨン(ハン・ジョンヨン)

クリエイターはベテラン作家ペア

本作は、濃く緻密なストーリー展開で視聴者を引きこむ脚本を書かれるキム・ヨンヒョン&パク・サンヨン脚本家が企画のSF追跡劇

日常を離れた時代劇というステージでの物語を多く手掛けられていますが、2007年には「H.I.T.」という当時地上波で放送されたのが画期的だったとすら思える重く作品性にこだわった刑事ものを書かれています。

本作「サークル:繋がった二つの世界」は謎の事件が関わる二つの世界(時代)を描く複雑な設定にSF要素が加わった独特な作品で海外ドラマの香りもする新鮮な作品のように感じました。

冒頭あらすじ

好奇心旺盛な幼い双子ボムギュンとウジンは、ある夜、郊外の林で謎の光に遭遇した。

光から現れたのは未知の物体、そしてその物体は若い女になった。

女の姿になった生命体をビョル(星)と名付け共に暮らしていたボムギュン・ウジン・お父さん。

しかしある日彼女と出かけたお父さんは戻ってこなかった。

それから約10年、父の失踪に絡むビョル=宇宙人をボムギュンは探し続けていた。

ウジンは将来のために奨学金を得ながら大学に通っていたのだが、同じ大学であの女を見つけてしまう。だが…。

予告編

物語の発端は主人公たちが幼い日に見た謎の物体。

その事実が二人の2017年に新たな動きを見せ、そして同時に物語は2037年を描きながら20年間に一体何があったのかという謎を紐解いていくスリリングな構成になっています。

今回はそれがよくわかりつつ期待値が上がるTSUTAYA MOVIE CHANNNELさんの予告編を共有させていただきました。

 サークルの見どころ

2017年と2037年二つの時代を描く構成

二つの時代を1話1話の前半・後半で描きながらストーリーが進行する近未来SF。

二つの物語が同時進行するような独特の構成がストーリーを厚みのあるものにしていました。

2017年

大学で頻発する自殺事件の謎を追っていて姿を消してしまった双子の兄ボムギュンを捜すため、ウジンは事件を追います。

2037年

興奮を制御する高額なチップを体に埋め込んだ人だけが暮らせる犯罪ゼロの都市スマートシティで発生した殺人事件を追う刑事ジュニョク。

20年の隔たりのあるそれぞれの時代・世界にどんなつながりがあるのか、先が気になります。

SF要素に込められるヒューマンな味わい

すべての発端となったのは若い女の姿をした謎の生物。

双子の兄弟のお父さんが失踪した謎、その十数年後二人が再び出会ったあの時の女の顔をした大学生。

そしてさらに20年後、人の感情すら操作できるシステムを作ったヒューマンビーという企業の闇を追うことになる刑事。

主人公たちは家族への深い深い思いを抱いて一つ一つ選択していくのですが、その道の先に何があるのか、過去に何があったのかを描いてありました。

人物の細やかな感情面の描き方がSF設定に、より説得力を加えていました。

サークル:繋がった二つの世界とは

現在と20年後の彼らのストーリーを並行して描く
ヒューマンな味付けが韓ドラらしい近未来SF

ハマリ度は

3

途中、視聴者の思い込みを覆す展開があり、物語の複雑さと意外さに引き込まれました。

それぞれの局面で重大な選択をする主人公たち。

彼らの家族を思う姿と選択に胸が熱く痛くなりました。

そして、科学技術の進歩が招く近未来の問題に対する警告のようにも取れました

構成がよくできていたので、チャンスがある方はぜひ直接ご覧になってもらいたいドラマです。

SFサスペンスジャンルに興味のある方はさらに楽しめると思います!

出演:ヨ・ジング, 出演:キム・ガンウ, 出演:コン・スンヨン, 出演:イ・ギグァン(Highlight), 監督:ミン・ジンギ
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ここからはネタバレがあります
ご注意ください

ネタバレあらすじ・結末

本作では、真相が別の真相への扉を開くような流れになっていました。

うまくお伝えできるかちょっと自信がないですが、じっくりとネタバレあらすじを書き記していこうと思います。

大学で発生していた事件の真相(2017年)

ビョルにそっくりな女学生はハン教授の娘ジョンヨンでした。

ウジンはジョンヨンと共にボムギュンを見つける糸口として大学で頻発する自殺を事件とみて捜査しはじめました。

そこには、新技術に関する人体実験があったことを突き止めました。

研究者はジョンヨンの父ハン教授。

記憶を映像として再生するという技術の人体実験による副作用が原因でした。

当時には超先端すぎたシステム(2007年ころ)

記憶を映像として再生する技術を求めていたのはヒューマンビーという企業。

10年前(2007年ころ)、脳科学を研究するハン教授とウジンたちのお父さんは共同研究を続けていました。

しかし、亡くなったお母さんを恋しく思うウジンのために記憶を映像にするシステムをビョルが作ったため、その技術は突如として完成してしまいました

お父さんとビョルの選択(2007年ころ)

技術の高さの一方で、ビョルの技術は今後人類にとって良くない影響を及ぼすというウジンの父の話を理解したビョル。

彼女は二度とその技術を作れないよう自分の記憶を消すことにし、お父さんは資料もすべて廃棄しました。

けれど、それが欲しかったハン教授とヒューマンビーから狙われ、お父さんは殺害されたのでした。

ビョルの10年間とハン教授

記憶を失ったビョルはハン教授の娘ジョンヨンとして暮らしていました。

ハン教授はいつ記憶が戻るか今か今かとジョンヨンを監視しながらの10年間。

そしてビョルはジョンヨンとしてウジンと出会い、自分が知らなかった自らの秘密を知ることとなりました。

ハン教授が人体実験をしていた研究は、ビョルが記憶を取り戻しシステムを作り上げるか、ウジンのお父さんの資料か何かが手に入れば不必要なものだったということも、今回の事件に巻き込まれたパク教授の協力があり判明しました。

一つだけ残っていたシステム(2017年)

兄ボムギュンを救うため捜査を続けていたウジンは幼いころ住んでいた家も調べに行きました。

そこでビョルがウジンに作ったシステムがウジンを認識して作動しました。

教授は技術を手に入れる欲に駆られシステムの核となる小さな“キューブ”を奪いました。

ウジンの犠牲で人体実験の被検体とされ捕まっていたボムギュンの命は救われました。

刑事ジュニョク(2037年)

イ・ジュニョク刑事は記憶を失い、映像でみたウジンの記憶を持っています。

彼はヒューマンビーがスマートチップを埋め込まれた市民の記憶を操作しているという確信のもと捜査を続けています。

それと同時に、20年前の双子の兄弟の失踪事件についても捜査しています。

ヒューマンビーのサービス(2037年)

ジニョクの推論通り、ヒューマンビーは平和な都市を実現させるために住人のもつ負の記憶を勝手に消去していました。

人によっては深い悲しみや喪失感、またある人は犯罪や犯罪被害の記憶などがすっぽりと抜け落ち、日常における感情の高ぶりもチップによる制御によってコントロールされていました。

ビョルの技術は再現できたのか(2037年)

再現できず、スマートシティはビョルがウジンのために作ったシステムを使って作り上げられていました。

動かすにはウジンの生体反応とピョルが作ったシステムの核(キューブ)が必要。

つまりウジンが死んでしまえば動かないシステムでした

ウジンは20年間どこにいたのか

ウジンは逃亡中に交通事故に遭い、瀕死の状態で協力者だったパク教授に拉致されその後息絶える直前に、まだ承認されていないクローン技術によって複製されていました。

ウジンは20年前に亡くなり、システム維持のためにクローンウジンが存在していたのでした。

つまりジュニョクは

ジュニョク刑事はボムギュンでした

ヒューマンビーの闇に迫ったジュニョク刑事は、思い出の場所を回った折に自分がボムギュンだと気づきます。

謎のハッカー・ブルーバードとしてウジンとの約束を守り姿を隠して活動していたジョンヨンと合流し、謎のヒューマンビーの会長がパク教授だったと知りました。

救出したウジンは

システムが動いているならウジンは生きているかもしれないと救出に向かうジュニョク達が出会ったのは20年前と変わらない姿をしたクローンのウジンでした。

ジュニョクの知らない、事故に遭う直前までのすべての記憶を持っていたクローン・ウジン。

感情もあり、身を賭してボムギュンを守ろうと死地に向かったウジンの記憶と共に存在する彼をジュニョクはウジンとして受け入れ共に生きることにしました。

結末

人々の幸せを謳いながら欲だけで動き、汚れ仕事を部下に押し付けるヒューマンビーのトップを引きずり下ろすことができたジュニョク達。

問題の根源である”キューブ”を高層ビルから投げ捨てたウジン。

パク教授はキューブを追って飛びました。

まるで童話のような悪人の最後、だけど、欲に駆られてしまった者の末路としては鮮明でした

ラスト、ニュースで強い光がある地方都市で目撃されたと報道があります。

ピョルと出会ったあの時と同じ状況らしいその光の正体は謎のまま。

不思議な技術を作れたピョルは本当に宇宙人だったのかもしれません。

OST曲

個性的で耳に残るサウンドとメロディーが特徴の

ユジ(BESTie)「Alive feat.Andup」

 さいごに

物語の根源となる謎の高度技術=ジョンヨン宇宙人説でいいですよね。

お父さん、双子の息子たち、3人とも超先端技術の存在が発端となった人間の欲望の犠牲者でした。

二つの時代を同時に描きながら真相に近づいていく近未来サスペンスストーリー。なかなか味のあるドラマでした。

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