邦題は「この恋は初めてだから~Because This is My First Life」。
主演はイ・ミンギとチョン・ソミン。
ちょうどチョン・ソミン主演の「空から降る一億の星」を見終わったばかりで、彼女の出演作を改めて紹介したいなと思いたちました。
彼女独自の魅力がイ・ミンギとのケミストリーを生んでいて面白かった作品です。
5月にみた時の感想を含めつつ、詳しく語っていきたいと思います。
作品情報
放送
韓国tvN 2017.10.9-11.28 全16話
演出:パク・ジュンファ
この恋は初めてだから(2017)
キム秘書はいったい、なぜ?(2018)
脚本:ユン・ナンジュン
イケメンラーメン店(2011)
オフィスの女王(2013)
ホグの愛(2015)
この恋は初めてだから(2017)
キャスト:
イ・ミンギ(ナム・セヒ)
チョン・ソミン(ユン・ジホ)
キム・ミンソク(ウォンソク)
キム・ガウン(ホラン)
パク・ビョンウン(マ・サング)
イ・ソム(スジ)
キャラクターとキャスト陣の面白み
こだわりの強いタイプのキャラクターが主人公ゆえに、サブキャラクターも個性的。
ラブコメを地で行く親友カップルふた組が人生最大の恋を繰り広げるのですが、そんな彼らを横目に見ながら主人公たちはゴーイングマイウェイで契約結婚を進めていきます。
主演二人の演技からその感じがにじみ出ていて、他のカップルとの対比が効いていました。
この翌年、パク・ジュンファ演出家は「キム秘書がなぜそうなのか?」を撮られるわけですが、明るいファンタジーのようなテイストのなかにリアリティーをのぞかせるのがうまい方だなと感じます。
あらすじ
補助作家のジホは同居していた弟ができちゃった結婚することとなり、部屋を出ざるを得なくなった。
友人から家事を担当してくれる同居人を捜しているという家主を紹介され、住むところがなかったジホは間借り賃の破格の安さに飛びついた。
ITベンチャー企業に勤めるセヒは、終の棲家となる持ち家にこだわり長期ローンでマンションの部屋を購入。
しかし払いきるためには間借り人からの家賃収入は不可欠だった。
互いに同性だと思って始まった同居生活。
二人の相性は抜群だったのだが・・・・。
まさに久しぶりのイ・ミンギ。
私自身ドラマでイ・ミンギを見るのは「タルジャの春(2007)」のあとに見た「めっちゃ大好き」(2006)以来でした。
今回の彼のセヒというキャラクタ構築の方向性が私には実にツボでした。
「逃げ恥」とは別物
ドラマの冒頭、セヒのキャラや職業設定、同居人との契約結婚などのシチュエーションが日本ドラマの「逃げるが恥だが役に立つ」に似ているとひと騒動ありました。
私も「逃げ恥」を楽しく見ましたが、実際のところ展開もドラマのテーマも違う作品でしたよ。
この恋は初めてだから とは
家主と借家人として始まった二人の関係
結婚という制度に対する新たな角度からの視点が面白いラブストーリー
ハマり度は
3.5
「契約結婚」というのは疑似結婚を通して自分の気づかなかった一面や相手の良さを知っていくきっかけになる面白い設定なので大好きです。
みようかな?なんて思っている方はぜひ一度どうぞ!
ここからはネタバレがあります
ご注意ください
ネタバレ感想
イ・ミンギ演じるセヒとチョン・ソミン演じるジホ。
本作での二人には独特の空気感というか距離感があって、なんか他人行儀ではあるもののまったりしていて、結構良いいんです。
わけあって「契約結婚」となるんだけど、この二人の場合契約してもいいとなる地点で根本的に相性いいんだよと教えてあげたくてたまらないというね。
微笑ましかったです。
相性の良さ=ライフスタイルの一致
住むところに困っていたジホと、安くてもいいので家賃収入が欲しいローンを抱えたハウスプアと呼ばれる状況のセヒ。
生活スタイルや趣味などが見事に一致する同居人として相性抜群の二人でした。
でも、大人同士、異性同士が一緒に住むという観点から、世間的に便宜上夫婦という体裁を整えることにした二人。
ここは両親の手前もあって「契約結婚」という形をとることに。
非婚主義というセヒと人生において自立そのものができていない状況のジホが一時期の難所を乗り越えるために取ったウィンウィンの2年契約。
本作は、利害が一致し最適なパートナーとして契約上の夫婦となった二人が互いに手を取り合うなかで、過去の心の傷や現状における問題をクリアして行く物語。
「契約結婚」から始まるロマンスはこれまでも沢山描かれてきたけれど、本作は「契約結婚」だからこそ、相手が自分の実家との間で疲弊したりしないよう気遣ったりする二人が「本当に幸せな結婚とは何なのか」を探る物語でもありました。
ジホの友人たちの結婚観もそれぞれ違っていて、自分が結婚に何を求めていて何が自分を不幸にするのかを見極めていきます。
「結婚したらこうしないといけない」という常識という名の伝統の圧力に対して現代の社会環境や個人の状況に沿わせていく臨機応変さを示していく姿がまさに大人の姿に見えて頼もしいところでした。
セヒの過去の心の傷
セヒが非婚主義を貫き、終の棲家である持ち家で一人一生を終える、という目的に向かってただただ生きていた理由がありました。
セヒには昔結婚を決めていた相手がいたのですが父親の反対でかなわず、彼女のおなかにいた赤ちゃんも流産したようです。
父との決別の決定打は父が言い放った「俺のうちから出ていけ」でした。
セヒにとって父親との決別はただの自立ではなかった。
そして哀しみのなか別れた彼女からの決別の言葉は「幸せにならないで」という残酷なものでした。
セヒは自分の無力感や罪悪感を背負い続けることを自らに課していたと言えます。
そのセヒにもう一度愛する人ができた。
人生が輝きだす瞬間。新たな出会いが新しい感情を生み出しました。
セヒの非婚主義の理由やジホの脚本家としてのエピソードも二人の関係を深めていくうえで欠かせない設定となっていました。
友人たちの結婚観を含め群像劇的な部分も盛り込みつつ二人のロマンスを楽しませてもらいました。
素敵なOST
本作の二人のキャラクターの魅力の一つが”素朴さ”でした。
少し不器用に、でも二人の心が近づいていく様子が感じられたこの曲
Ben「Can’t go」
そしてもう一曲は二人の素朴だけれど心地のいい関係性を想像できるちょっとおしゃれな曲
MeloMance「I Want to Love You」
Lifeinabottle さんの動画を共有させていただきました。
二人の幸せな雰囲気を存分に堪能できる素敵なミュージッククリップになっていますね。
ほかにも素敵な曲がありました。
ぜひ本編で聞いてみてくださいね!