2017-18年にアメリカABCで放送された「グッド・ドクター~名医の条件~」シーズン1を見終わりました。
オリジナルはチュウォン主演の同名韓国ドラマで、日本でもリメイクされ、コンテンツとして高い評価を得ていることが良くわかるドラマです。
ストーリー展開が分かっている作品はハマりづらいのでどちらかというと見ない方なのですが、アメリカンバージョンはシーズン2が製作されるなど独自のストーリーが期待できそうだと感じて見てみました。
前半は作品情報や見どころ・魅力などをネタバレなしで。
感想やネタバレあらすじ等は後半で語っていきたいと思います。
グッド・ドクターS1 作品情報
原作・放送・スタッフ・キャスト
オリジナル
グッド・ドクター(韓国2013 脚本:パク・ジェボム)
放送
アメリカ ABC
シーズン1 | 2017-18年 全18話 ←今回ココ |
---|---|
シーズン2 | 2018-19年 全18話 |
シーズン3 | 製作予定あり |
ショーランナー
デヴィッド・ショア(DR.HOUSE)
製作総指揮
ダニエル・デイ・キム 他
キャスト
フレディ・ハイモア(ショーン・マーフィー)
ニコラス・ゴンザレス(ネイル・メレンデス)
アントニア・トーマス(クレア・ブラウン)
リチャード・シフ(アーロン・グラスマン)
チュク・モデュー(ジャレッド・カルー)
ヒル・ハーパー(マーカス・アンドリュース)
製作陣の熱意が最高のショーランナーと出会う
本作の製作総指揮の一人ダニエル・デイ・キムは韓国生まれの在米韓国人俳優。
「LOST」や「Hawai Five-O」シリーズのアジア人男優さんと言えばわかる方も多いと思います。
このダニエルさんが自分の製作会社に韓国からグッド・ドクターの版権を購入し、当初彼のホーム局CBSに掛け合ったところ却下されたそうです。
諦めず、CBSから版権を買い戻したのち、あの長寿人気医療ドラマ「Dr.HOUSE」のクリエイターであるデヴィッド・ショアさんを引っ張ってくることにも成功したという経緯があったそうです(wiki)
ダニエルさんの熱意がなければ実現しなかったシリーズということですね。
冒頭あらすじ
ショーンは自閉症サヴァン症候群の外科レジデント。
恩師であり保護者がわりでもある医師グラスマンが院長を務めるサンノゼ聖ボナヴェンチャー病院で働く予定だった。
病院では前例のない自閉症の医師を抱えることに対し否定的な意見が多い中、空港で少年の命を救った医師として報道され、実力が試されることとなった。
予告編
自閉症であるために医師として必要な資質が足りないのではという意見が常にショーンについて回る状況が見えますが、同時にショーンの医師としての実力も見えてきますね。
グッド・ドクターの見どころ・魅力
自閉症のショーンだからこその視点
ショーンはまず嘘がつけません。
そして、感情のフィルターをかけて物事を見ないので常に客観的な目で見、意見を言います。
ショーンの的を射た言葉や真理を突く意見にドキッとさせられる方続出です。
天才的頭脳を持つ医師としてのショーンをみんなが認めていく過程で、ショーンの言葉に耳を傾けてくれる人が増えてきました。
ただ、人間関係を築く上で不可欠となってくる感情の推量が苦手なショーン。
感覚ではなく、理論的に良好な人間関係を築く方法を学び身に着けていく姿が頼もしいんです。
孤独と愛を知っているショーン
ショーンは悲しい幼少期を過ごしています。
障害を理解せず虐待する里親の元で育ち、唯一の理解者であり心の支えだった弟を事故で亡くしているショーンは愛する人が去る悲しみと孤独を知っています。
ショーンを見守り・認めてくれるグラスマン先生の助けで医師の道を目指してこれたのですが、それでも誰よりも孤独を胸に刻んで誰よりも努力していると言えるでしょう。
少しネタバレになってしまいますが、ショーンの亡くなった弟にそっくりな患者さんの治療エピソードがありました。
ショーンの中に沈んでいた弟への後悔や恋しさのようなものが感じられる切なくて胸が締め付けらるエピだったのですが、こうして何かを乗り越えまた強くなっていくショーンの姿がグッとくるんです。
ショーンの医師としての活躍がうれしい
本作のもっとも大きな魅力は、ショーンが医師としての実力を発揮でき、それが周囲に認められ、患者さんから喜びの言葉をもらう様子を見られるところ。
「人よりも劣っていると見られているところがスタート地点で、人よりもうまくやってやっと同じ土俵に立てるのが障がい者なんだ」
というようなセリフを語った車いすの患者さんの言葉があったのですが(正確でなくて申し訳ないです)、まさにこれがショーンの状況を語っていました。
失敗したら即アウトという条件でこの病院で働き始めたショーンが、実力を発揮し優れた医師である姿を見せてくれる一つ一つのシーンが見どころと言えます。
グッド・ドクター~名医の条件 シーズン1とは
自閉症サヴァン症候群のショーン
外科医としての成長を描くヒューマンドラマ
ハマり度
4
オリジナルの持つ主人公の長所と抱える問題を含みながら、アメリカ版独自の物語が出来上がっていました。
「Dr.HOUSE」で使われていた視覚的な映像手法なども駆使されているなど、医療ドラマの面白さが盛り込まれたヒューマンドラマでした。
同僚の先生たちの個性もそれぞれ光っていて、群像劇仕立てなのも良かったです。
手術シーンなどが大丈夫でヒューマンドラマがお好きな方にはぜひぜひお勧めします。
ここからはネタバレがあります
ご注意ください
ネタバレ感想・S1結末
シーズン1では、優秀な指導医メレンデス先生のもと、理解ある同僚たちと共にショーンが医師としての道を歩みはじめ、彼の能力を認めてもらえる道筋ができたことが分かるシーズンでした。
ふと感じたのですが、より穏やかでハラハラさせられがちな韓国ドラマ版主人公に対して、ショーンはもうちょっと活発というか才気あふれるキャラクターになっていました。
お国柄や個性、差別に対する考え方の差もリメイク版では反映されているように感じました。
本当の意味の自立を求めて
何かと助けてくれる保護者のようなグラスマン院長。
けれど、ショーンは求めていない手助けは断りました。
まるで反抗期のような行動をとったショーンでしたが、自分のことは自分で決め、その責任は自分で取るという自立の道を選び取りました。
その過程で、ショーンを大事に思ってくれるリアという女友達との関係が大きな助けになりました。
ショーンのラブラインが登場するエピソードはいつごろくるのでしょうかね?
オリジナルに沿うなら、相関図的にクレアと恋仲になるということになるのですが、ん~~それはなさそうかな~??分からない。
ショーン、どうなる?
ミスを犯したら病院はクビ、責任を取って院長も辞任、そういう約束で病院側はショーンをレジデントとして受け入れた経緯がありました。
グラスマン院長に手術不能の脳腫瘍ができ、余命わずかと知ったショーンは図らずも動揺し、術中ミスを犯しました。
最終的に適切に処置が行え大事には至らなかったのですが、ミスを犯した事実を隠すことはできないショーン。
病院を去るしかないのかどうか分からないままシーズン終了でした。
ちなみに、誰にも思いつかなかった生研方法をグラスマン院長に提案したショーン。
おかげで院長は余命わずかということはなくなりました。そこはホッ。
さいごに
ショーンは医学を極められる能力を授かった人であると同時に、ハンディキャップを持った人でもあります。
病気であったり、事故であったり、あるいは生まれ持ったものなどによる障がいがハンディキャップではありますが、誰もが能力的に苦手とするものを持っているという部分でショーンの言葉や行動が染みるはずです。
ショーンは前例のない世界に飛び込み大変ではありますが、他の同僚の先生たちもかなり大変でした。
自由と自立、選択と責任、そんな言葉が心に残るシーズン1でした。
シーズン2見ます!