2018年韓国KBSで放送された韓国ドラマ「ラブリー・スター・ラブリー」を見終わりました。
主演は前作「黄金の私の人生」で視聴率が取れ評価も上々だったパク・シフと映画やバラエティーで好感度が高いソン・ジヒョ。
本作は、ホラー・サスペンス・ラブコメが混然一体となった独特の作風のドラマでした。
今回も私の感じたところを後半のネタバレあらすじ・感想のところで本音で語りたいと思います。
前半はネタバレなしの作品情報やラブリー・スター・ラブリーの個性や魅力をご紹介したいと思います。
作品情報
放送:
2018年 韓国KBS
演出家・脚本家・キャスト
演出
カン・ミンギョン
チ・ビョンヒョン
脚本:
パク・ミンジュ
キャスト
パク・シフ(ユ・フィリップ)
ソン・ジヒョ(オ・ウルスン)
イ・ギグァン(イ・ソンジュン)
ハム・ウンジョン(シン・ユナ)他
脚本とコンセプト
本作は脚本家パク・ミンジュさんの2017年KBSキャリア脚本家対象の公募当選作。
コンセプトワードは”ホラー”と”ロマンティック”を合わせて”ホラマンティック”なんだそうです。
”恋をしたときのドキドキと怖い思いをした時のバクバクはどちらも心臓が激しく反応する、ゆえに愛と怖れには類似点がある”ということだそうです。(by公式サイト)
ラブリー・スター・ラブリーの個性と魅力
ジャンルてんこ盛りのストーリー
コンセプトはホラマンティック、ということですが、本作はオカルトチックなホラーであり、サスペンスであり、ラブライン的には前半ラブコメ、後半メロという感じのジャンルてんこ盛り。
あとで構成を語ろうと思うのですが、ホラー サスペンス ロマンスの3つのストーリラインが同時に存在してそれぞれ進行していきます。
誰がいったいどんな目的で動いているのか、動かされているのか、容易には悟らせないストーリーになっています。
物語の発端はオカルト的な因縁
主人公フィリップとウルスンは生年月日時間「四柱」がまったく同じ。
10歳の時、霊感の強い祈祷師だったフィリップのお母さんは祈祷にやってきたウルスンの四柱をみてそれに気づき、同僚の占い師からウルスンの運命をいただくことで病弱で不幸続きのフィリップは生きることができるとささやかれます。
この日フィリップとウルスンは出会ってすぐ友達になり、ウルスンは肌身離さず持てとお父さんから言われていたお守りのネックレスをフィリップにあげてしまいます。
この日以降、ウルスンのお父さんの事業は傾き、お母さんとは離婚、ウルスン自身も幸運に見放されたとしか言いようのない人生を歩みました。
そして24年後、34才の誕生日を迎えるフィリップとウルスンは人気俳優と自分の作品を人気脚本家である友人に奪われた脚本家のたまごとして出会うのです。
ホラー要素が加わるサスペンス
ウルスンは困っている人がいるとじっとしていられない優しくて力持ちタイプの女性。
そんなウルスンが執筆している今回の脚本「幽霊の愛」は不思議な歌が聞こえビジョンが見え、まるで啓示がおりたかのように筆が進む。
しかし、主演俳優のフィリップが脚本の内容の通り命に関わる危険な目にあい、脚本に書いた内容が過去実際に起こっていたことであることを知ってウルスンは戦慄を覚えます。
フィリップの周りをうろつく白い服の女、見える人にだけ見える黒い影。
幽霊の仕業なのか、人間の仕業なのか?
実際に事件は起こり、警察も動く。その一方で人ではないものを見、怯える人たちもいて、視聴者はその謎にまかれていくのです。
ラブラインは?
どちらかが幸せになれば片方が不幸になる関係のフィリップとウルスン。
運命にしばられ、利用するかされるかという関係から二人は脱却できるのか?
もしできるとしたら一体どうやって?
前半は相容れない二人がどうしても出会ってしまうドタバタラブコメの典型のなか展開していきます。
主演のパク・シフとソン・ジヒョはそんな二人を頑張って演じていました。
予告編
ここで、日本語版DVD/Blu-ray発売元の予告編をご紹介します。
フィリップとウルスンのラブストーリーにフォーカスした予告編となっていてラブコメムードの明るく楽しいイメージで紹介されています。
ラブリー・スター・ラブリーとは
人生に影を落とす運命の呪縛に向き合った二人
ホラー・ロマンス・サスペンス要素で盛りだくさんな作品に
ハマり度は
1.5
最後まで見たので魅力のあるドラマだったとは思うのですが没入できなくて。
理由は後半の「ネタバレあらすじ・感想」の中で語っていきたいと思います。
ここから後半はネタバレがあります ご注意ください
ネタバレ感想(辛口)
夏にKBSで放送されていた「ラブリー ホラーブリー」を8話(実質4話)まで見てみました。
久しぶりのパク シフと安定のソン ジヒョ主演のオカルトテイスト強めサスペンスコメディ。なんか不思議な感じのドラマ pic.twitter.com/mHuMIsF1t9— ドラマはびっと (@drma_hobbit) 2018年10月24日
冒頭から、おどろおどろしく視聴者をドキっとさせる暗いホラーテイスト満載の演出もありつつ、サスペンス的な謎がちりばめられている。
と同時にフィリップとウルスンが出会えばドタバタ展開になるコメディ。
パク・シフを活かせない難しいコミカル演技も加わってアンバランスでした。
まだ最初のほうだったので一つ一つ見えてくれば自然と物語の形が見えて整ってくるのではと期待して見ていました。
ラブリー・スター・ラブリーの内容構成は
実際、見終わってみるとざっくり構成はこんな感じでした:
1.ラブ&ホラー:
ウルスンとフィリップの生まれ持った運命
・ウルスンを動かす謎の声(幽霊)
・運命が発動するときしないとき(お守りが関係あるのかないのか)
・運命をはねのけて二人は愛し合えるか
2.サスペンス :
キ・ウニョン失踪事件
・フィリップの命を狙う男の存在
・山から見つかった女性の遺体
3.ホラー&サスペンス :
8年前フィリップが恋人を失った火事
・8年前の火事を知るものの存在(生きている人複数・幽霊)
この1~3が同時に進行していて、幽霊の仕業なのか人間の仕業なのかわからないホラーとミステリーが絡み、さらにロマンスも進んでいきました。
エピソード量に対する答えのなさ
鍵となる幽霊は2体。
人間による陰謀が2つ。
ウルスンとフィリップはこれら4つのものに振り回されます。
ミステリーサスペンスの部分に幽霊=人間ではないもののという動機が加わっていたために事態は複雑化し防衛は不能に。
そして、二人が何に打ち勝ってハッピーエンドを目指せばいいのかが分からなくて応援しづらかったということもあります。
強いて言えば”運命に打ち勝つ”というようなあいまいなものでした。
集中しづらかったポイント
途中ミスリードを誘うような演出がなされた上、”実はそうじゃなかった”的な反転が多用され私は集中できませんでした。
ひどい悪人はもちろんいましたが、幽霊と共に悪者をやっつける!とかでもなかった。
逆に幽霊にまで二人は命を狙われて、一体二人の何をどう応援したらいいのか目標を持てませんでした。
前作「黄金の私の人生」で視聴率が稼げる男と言われたパク・シフも本領発揮できず、映画で実力を認められたソン・ジヒョも魅力発揮できる演出がなされていなかったように思います。
https://hobbitholy.com/my-golden-life/ちなみに本作の演出家カン・ミンギョンさんはミニシリーズの演出は初だったそうで、今後チャンスがあれば頑張っていただきたいと思います。
さいごに
何をどうすれば愛する人を守り抜けるのか?という問いが常にあるストーリーでした。
一緒にいると不幸になるならウルスンは”離れること”を選択し、フィリップは”自分が幸せにならないようにする”ことを選択したりします。
でもどう生きても正解だったかどうかはわからないし、どうやっても死が訪れた時には後悔は生まれる。
最善を尽くすしかできない中で、相手と最大限幸せになれる道を見つけてほしいと思いながら見たドラマでした。
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