韓国ドラマ「赤と黒」(原題:悪い男)視聴感想

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赤と黒

2010年韓国SBSで「悪い男」という題名で、2011年日本のNHK BSプレミアムでは「赤と黒」という題名で放送された日韓共同制作ドラマ

劇中日本でのシーンや日本人俳優さんも出演しているなど共同制作らしい要素が見られるシリアスなヒューマンサスペンスドラマでした。

主演はキム・ナムギルとハン・ガイン。

助演の一人に私のトレンド俳優キム・ジェウクも出演していることもあって新サイトに記事を移してきました。

少し懐かしいドラマですが、2011年に視聴したときの感想を絡めて「赤と黒」について語っていきたいと思います。

前半はネタバレなし、ネタバレあらすじや感想は後半からです。

目次

赤と黒 作品情報

放送

2010年 韓国SBS 全17話
2011年 日本NHK BSプレミアム 全17話

原作:スタンダール「赤と黒」

演出・脚本・キャスト

演出:イ・ヒョンミン

サンドゥ、学校へ行こう!(2003)
ごめん、愛してる(2004)
雪の女王(2006)
赤と黒(2010)
約束の恋人(2012)
力の強い女ト・ボンスン(2017)
私たちが出会った奇跡(2018)他

脚本:

キム・ジェウン イ・ドヨン キム・ソンヒ

キャスト

キム・ナムギル(シム・ゴヌク)
ハン・ガイン(ムン・ジェイン)
オ・ヨンス(ホン・テラ)
キム・ジェウク(ホン・テソク)
チョン・ソミン(ホン・モネ)
キム・ヘオク(シン・イェジャ)
豊原功補(龍先生)他

切な悲しい系メロドラマで結果を出した監督

私が韓国ドラマを見始めた2002年ころ、ロマンスはラブコメよりメロの割合が今よりも多かった印象でした。

その代表が日本でヒットした「冬のソナタ(2002)」や「天国の階段(2003)」「悲しき恋歌(2005)」そして大ヒット作「ごめん、愛してる(2004)」など。

主人公が苦悩し愛に涙する姿に胸が締め付けられる、切なく悲しい系のメロが人気でした。

本作「赤と黒」を演出したイ・ヒョンミン監督は「ごめん、愛してる」を含めメロのヒット作を続けて生み出していた監督さん

この「赤と黒」もまさに切なく悲しい物語の中で、男性主人公が愛と復讐に苦悩する姿を描いていました。

冒頭あらすじ

ヘシングループ御曹司次男ホン・テソンの恋人が転落死した事件で捜査を続けていた警察は、十数年前にホン・テソンと呼ばれた子どもが別にいたと突き止めた。

当時会長の血を引く愛人の子として無理やり会長宅に引き取られたが、その後本物のホン・テソンが見つかったからといって無慈悲にも追い出された子ども。

今はゴヌクと名乗るその子は育ての親の交通事故によって戻る家を失い施設を経てアメリカで養子となり復讐するため韓国に戻ってきた。

ジェインは裕福な令嬢との結婚を選んだ恋人に捨てられ、元彼を見返そうと御曹司ホン・テソンに近づこうとするが誤解からゴヌクに接近してしまう。

やがてゴヌクとジェインの2人に友情のようなものが生まれるのだが。

予告編

ここで日本版DVD発売元ポニーキャニオンの予告編をご紹介させていただきます。

危険でスリリングで、そして悲しい物語であることが感じられる予告編となっていますね。

「赤と黒」の個性と魅力

原作はスタンダールの「赤と黒」、しかし

原作は出世のために貴族の夫人・令嬢をものにしていく頭脳派で美貌の青年ジュリアンの野望と破滅の物語。

本作はまさにこのプロットではあるのですが、主人公ゴヌクが裕福な財閥家の令嬢たちを誘惑していく理由や背景はもう少し複雑でした。

キム・ナムギルの魅力が分かったドラマ

重く悲しい役でドラマ・映画で本領発揮していたキム・ナムギル。

「善徳女王」のピダム役で熱狂的なファンを生み出していたのですが、私はどちらかというと本作でキム・ナムギルの魅力がより感じられました。

もの哀しい表情のゴヌクからは、どれほど彼の心の傷が深いかがひしひしと伝わってきました。

テーマは復讐

人生に理不尽はつきもの、とはいえ、幼いゴヌクの経験した理不尽さはただの傷とは呼べない深さでした。

“富裕層は力がある、だからそうでない層の者を虐げても良い“という身勝手な高慢に振り回されたゴヌク。

ゴヌクが復讐にしか自分のアイデンティティーを保てない悲しさを抱えていて、しかも、育ててくれた両親の仇を純粋に取ろうとしているから見守ってあげたくなる描き方でもありました。

ただ、復讐の行き着く先は・・・。

原作のように、哀しい破滅の気配を感じてしまう物語です。

財閥ホン家の兄弟姉妹たちの個性とゴヌク

ゴヌクが財閥家への復讐のステップとしてターゲットにしていたのはホン家の息子や娘たち。

跡継ぎの長男テギュン、長女テラ、次男テソン、末娘モネの4人。

モネ役は「この恋は初めてだから」のチョン・ソミン

最初のターゲットとされたモネはゴヌクに惹かれ、親の決めた婚約者との結婚は破談に。

テラ役は美しいベテラン女優オ・ヨンス

会社経営や持ち株割合の関係でゴヌクに接近されたクールビューティーなテラを演じたのがオ・ヨンスさん。

冷たい政略結婚の中で本当の愛を知らないテラ。

ゴヌクの視線に囚われ胸がざわめくのを抑えられない様子を通してゴヌクのセクシーオーラが見えてくるようでした

さすがのオ・ヨンスさん!

閉塞感いっぱいの次男テソンにキム・ジェウク

どうせ期待されていない、どうせ愛されていないと孤独の中で自暴自棄になる財閥の次男テソンを演じたのはキム・ジェウク。

心の支えだった優しい恋人が物語の冒頭で亡くなっていて、兄弟の中ではもっとも悲しい道を歩んでいました。

繊細でさみしがりや。お金や地位よりも家族からの愛が欲しいテソンをキム・ジェウク独特の表現で演じていて良かったです。

赤と黒 とは

賢く純粋な男が手を染める復讐
哀しみを秘めたセクシーな魅力をナムギルが惜しげなく表現

ハマリ度は

4

複雑な心理表現や見せ場をきっちりと演じる名俳優さんばかりで見ごたえ十分

ただ、ヒロインであるはずのジェインの存在感はかき消えがちではあったんですが、それでも第三者的な立ち位置を維持したジェインは必要な人物だったなと思います。

ゴヌクの過去や復讐の準備、ジェインとの互いに心に秘めた想いや出生の秘密など物語の展開が途切れなく良い具合にひきつけられ、飽きることなく最後まで見ました

ポニーキャニオン
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ここからはネタバレがあります
ご注意ください

ネタバレあらすじ・結末

「赤と黒」には、人間関係の絡みや過去のある事実がゴヌクにとって決定的な出来事となっていきました。

その辺のあらすじを追っていきたいと思います。

転落死したソニョンさんの件はどうだったのか

テソンの亡くなった恋人ソニョンさんはゴヌクが施設にいた頃姉と慕った人でした。

ソニョンさんは、偶然にも自分の愛する人テソンがゴヌクの復讐計画のターゲットの一人だと知ったようです。

マンションから落下する直前の様子は恐らくは事故だと思うけれど、悲しい結果に。

ソニョンさんはゴヌクとテソンという点をつなぐ線の役割を果たしたことになりました。

ゴヌクが復讐の手を緩めなかったのは

冒頭あらすじで言った通り、ゴヌクは幼いころ、会長の愛人の子テソンだとしてホン家に連れて行かれやがて無慈悲にも追い出されています。

育ての親の事故で戻る場所を失ったゴヌクでしたが、その両親の死そのものがホン家の夫人の計略であったことを知りました。

「愛人の子を育てるくらいならいっそ他人がいい」とDNA証明書を偽造してゴヌクを養子にしたことを伏せるために元の両親を交通事故に見せかけて殺害したと聞かされたためでした。

ゴヌクの計略で失脚していく兄弟たち

モネの心を自分に向け、婚約を破談に。

長男のテギョンの横領をリークし海外左遷に成功。

会社での力をためていたテラに接近し心を奪ったゴヌク。

テラは検事の夫との離婚を決心し、姉とゴヌクの関係を知ったモネは姉を恨んだまま留学。

左遷されまさかの交通事故死となった長男テギョンの代わりに跡継ぎとなったテソンはこれまでもそしてこれからも不幸だった。

ゴヌクはテソンの事を「ほんの少しの幸運を得た代わりに大きな不幸を得た」

と表現していました。確かに・・・。

本命の復讐相手は夫人

ゴヌクが昔追い出したあのテソンだと知った夫人は、家族に降りかかるトラブルや関係の悪化はゴヌクが恨みを持って裏で手を引いていると信じて排除しにかかりました。

夫人はゴヌクを抹殺するようキム秘書に命令し、事故に遭ったゴヌクは消息不明になりました。

夫人が自分を両親と同じように殺そうとするはずだと踏んでいたゴヌクの計略で、ついに夫人を殺人教唆の罪に問う事ができました

最悪の真実に心を切り裂かれたゴヌク

護送車の前で、会長の実子は今のテソンではなく、あんただったんだとゴヌクに言い放った夫人・・・。

DNA証明書を偽造したのは今のテソンのほうで本物を追い出し偽者を仕立て上げたのだと。

その真意は夫の裏切りの証である本物の子を追い出すことで、夫とその愛人に復讐したつもりだったと…

罪のないゴヌクやテソンの立場は…。

「実の家族である会長の病気を悪化させ、兄を破滅させた挙句喪い、姉の結婚を破綻させ、妹を裏切ったのだから結局は私の勝ちよ!」

と言い残して護送される夫人の言葉に愕然とするしかないゴヌク。

異常としか言いようのない夫人の心を誰が知ることができたのか、誰も止められなかったのか…。

結末

渇望していた自分の家族というものを、知らなかったとはいえ破滅へと追い詰めていた自分を許せないゴヌクは”自殺”の思いがよぎり銃を取り上げるも、駆けつけたジェインによって思いとどまります。

けれど傷つけられ憤ったまま帰国したモネは、置いてあった銃をゴヌクに向け発砲してしまいました。

わき腹に銃弾を受けたゴヌクは、モネに嫌疑がかからないよう指紋を拭き、失血し続ける体でひと気のないところまで。

後日身元不明の遺体が収容されるがそれはゴヌク

ゴヌクを愛した面々はいつかゴヌクの心の傷が癒えたら戻ってくれると信じている。

感想

復讐の行き着く先は絶望だけ。

特にこのドラマが用意したドンデン返しは、復讐なんてするんじゃなかった・・・という思いを残すもの。

ただこの一連の出来事がなければ真相は永遠に伏せられたままだったわけですが明るみになってよかったのかどうか・・・。

「自分が一体誰なのか、チェ・テソンなのかホン・テソンなのかシム・ゴヌクなのか、自分でも分からなくなる。」

そう呟いていたゴヌクは、結局身元不明の遺体として収容されたところでエンディングを迎えます。

一体彼は誰だったのだろう、誰として生きるところだったのか・・・。

撃ったモネを守ってのことだから、やはり兄ホン・テソンとして最後は生きたのかな?

原作同様悲劇の道ではあったけれど、最後に真実の愛を抱いて逝った男ゴヌク。

哀しい余韻が残るドラマでした。

切ないOST

当時のメロドラマの曲はシンプルに聞かせるこの曲のような雰囲気を持った曲が多かったイメージでした。

公式MVから

ジョンヨプ「棘の花」

哀しみを抱えた登場人物たちの戸惑いと、抗えない現状の中でゴヌクに翻弄されようとしている姿も見えます。

もう一曲は、恋しい人を想い胸をかきむしるような辛さの中で耐える彼らの姿がおさめられたMV

キム・ヨンウ「Sometimes I cry alone」

どうでしょう~、このMVの中だけでも名演技がちらほらと!

私の一押しはまずはオ・ヨンス 次に キム・ナムギル。

もちろんキム・ジェウクは特別hobbit賞で(出来レース)

さいごに

本作には今や実力派女優として活躍中のシム・ウンギョンがヒロインジェインの妹役として出演しています。

庶民派でほっとするようなキャラクターを生き生きと演じていたのがこのカットからでも伝わりますね。かわいい!

それから、キム・ナムギルをヒョン~と慕うキム・ジェウクをメイキングでお見掛けしました。

その時の現場写真があったので、スタイル抜群のイケメンセクシー俳優を貼っときます。ほんと趣味でやってますけども。

いつもより少し長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。

© アジア・コンテンツ・センター グッド・ストーリー NHK

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