アメリカの有料放送チャンネルHBO製作の話題ドラマの一つ「ウェストワールド」。
斬新な設定と映像がすごいらしいと聞いていてぜひ見たいと思っていたドラマでした。
意外性とアイデアの面白さにひきつけられて一気視聴した本作の感想を語っていきたいと思います。
ネタバレ感想は後半に、ハマり度評価は最後にあります。
ウェストワールドS1 について
放送・スタッフ・キャスト
アメリカHBO製作のSF・ウェスタンドラマ
シーズン1 | 2016年 全10話 ←今回ここ |
---|---|
シーズン2 | 2018年 全10話 |
シーズン3 | 製作予定あり |
クリエイター:
ジョナサン・ノーラン リサ・ジョイ
+エグゼクティブプロデューサー:J.J.エイブラム
キャスト:
エヴァン・レイチェルウッド(ドロレス)
ジェフリー・ライト(バーナード・ロウ)
アンソニー・ホプキンス(ロバート・フォード)
エド・ハリス(黒の男)
ジミ・-・シンプソン(ウィリアム)
HBO製作のドラマは骨太でエログロもタブーも避けずなおかつエンタメ性も失わない作り込みが魅力。
もはや私的にHBOはいちジャンルとすら感じているふしが(笑)
あらすじ
西部開拓時代をリアルに再現したテーマパーク”ウェストワールド”。
そこではホストと呼ばれるアンドロイドたちがキャストとしてストーリーを繰り広げ、ゲストたちはそこで自由に行動し、リアルな体験をすることができる。
それが殺人でも・・・。
このパークの創始者ロバート・フォード博士は、テーマパークを買収しようと乗り出してきた企業と意見が合わない状態だった。
予告編
ワーナーブラザーズ公式チャンネルで公開されている予告編はこちら
予告編は断片的でちょっと分かりにくいかもしれませんが、2分ちょいでは紹介しきれない深みがあるというのが本当のところ。
ですが、導入イメージとしてはちょうどいいと言える感じです。
設定の斬新さとリアル感
斬新で深みもあって、オチも堅い。
倫理論とかを超越して、いつかはこんなの作られてこんなことにるんじゃないだろうか、とついつい思ってしまうようなリアル感がありました。
クローンとかではなく、人間そっくりに技術力で作り上げられたAIで動くアンドロイド。
西部開拓時代を再現したテーマパーク内でお客が求めるいかなる要望も行動も受け止めるホストとして投入されています。
ホストはゲストの命を危険に晒すことは絶対になく、一方でゲストはホストを撃とうが刺そうが乱暴しようが自由。
日常では不可能な体験で解放感を得たり、冒険のイベントでリアルなハラハラドキドキを楽しんだりできる場所として人気を博しています。
AIと人間の未来を垣間見せる
この斬新な設定だけで唸ならずにはいられなかったんですが、ここから先がこのドラマの神髄でした。
高度な技術、それを生み出した人間だけが抱く創造物への想いと葛藤。
そして高度技術で生み出されたがゆえに次なるステップへの扉が開いてしまう必然を描いていました。
AIと生身の人間の物語はこれまでも沢山ありましたが、本作の表現というか描き方はキレイ事じゃないからこそ人間の本質をえぐられるようで目が離せませんでした。
これはシーズン2どうなるのか見てみたいです。
”将軍ワールド”だそうですが、誰がどうやってこの園を運営管理していくのかも気になります!
ウェストワールドとは
斬新な設定と深みにうなる!
AIと人間の未来、高度技術のその先を描く物語
ハマリ度
4 おススメです!
今すぐみられる主なVOD (2020.5.25現在)
2020.5.25現在、Amazonプライムでは会員見放題となっていました。
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*本記事をご覧のタイミングで配信状況が変化している可能性があります。あらかじめご了承ください。
ここから後半はネタバレがあります。
ご注意ください。
ネタバレあらすじと感想
園内では、運営が用意したプロットに沿った言動をホストたちが行うプログラムが機能していて、ゲストは悪者から女性を救うヒーローの気分を味わったり、賞金稼ぎのグループに参加してお尋ね者を追って冒険を楽しんだりできるよう準備されています。
園の中心部から離れるにつれてストーリーはより過激になっていくように作られているなど、初心者からコアな楽しみ方をするゲストまでニーズを網羅していてリピーターを引き付ける工夫もなされています。
ここではホストには何をしても大丈夫なので、本当の自分をさらけ出すことができます。
つまり、ゲスな奴はゲスっぷりを発揮でき、抑圧してきた人は本当の自分に気づき解放感を味わえる、などなど、ここは他では絶対に体験出来ない唯一無二の場所として人気を博しています。
一方ホストはと言えば、一日が終われば体は洗浄修理され、記憶と言えるデータを消去されています。
しかし、20年以上いくつかのプロットの中で違う役を演じてきた初期モデルに消え切らない記憶の断片が残り、自我とも呼べる意識が芽生え始めてきたことが物語の動く発端となりました。
ウェストワールド創始者たちの決断
アンドロイドたちを生み出したのはフォードさんとアーノルドさん。
アーノルドさんはこのアンドロイドたちに自我や意識が芽生えることを早くに気づき園をオープンさせることに反対したようです。
自分の子供とも言えるアンドロイドたちが日々理由もなく殺され傷つけられ乱暴され続けることになることが明らかだったから。
けれどアーノルドさんが亡くなり、開園を避けられない状況になったフォードさんは彼らの記憶を都度都度消すという方法とメンテナンス時に自我の発現がないか注意深く確認する方法で乗り切ってきました。
園やアンドロイド技術に対しての価値が高まり、フォードさんの手から奪おうとする人々がいよいよ現れ、フォードさんは大きな決断を余儀なくされてしまうのです。
アンドロイドたちの宿命
物語中、この園に隠された特別な秘密に執着した黒服の男が登場します。
彼こそがこのウェストワールドに心を奪われここでしか生きている実感を得られない男であり、ここに生きるアンドロイドたちが本物であったならと切に願っていた人でした。
特別な秘密、それはホストが自分の意思で動き始めるきっかけとなるもの、でした。
最古参でアーノルドさんと最も関わりが深かったドロレスというホスト。
彼女の記憶の断片が物語の途中で挟まれてくるのですが、それこそが物語の核心に触れる部分であると同時に、それが一体何を指し示しているのか私たちもドロレスとと共に暗中模索する体験をします。
ちなみにアンドロイドの中で自我をはっきりと発現させていたメイヴというホストは迷いなくドロレスより先に自我を受け入れ動いたアンドロイドでした。
フォードさんが準備していたこととは
それはホストの解放でした。
彼らが自我を持つことができる以上、彼らが自分たちの身を守っていってほしいという思いでしょうか?
メイヴには人間による支配からの脱出というプログラムが追加され人間による支配からの脱却を促されていて、ドロレスには彼女たちの技術の核を唯一知っていた人間=フォードさんを消すという大役が任されました。
フォードさんの右腕として長く技術部の主任として働いてきたバーナードさんはなんと相棒アーノルドさんの姿を再現して作られていたアンドロイドでした。
フォードさん亡き後、フォードさんとアーノルドさんが作ったこの園をバーナードは技術面で運営していってくれる可能性が高い。
このウェストワールドはそもそも人間ではないものでも自分で考え感じ動く自我がある以上尊重されるべきであるという本質的な部分を語る物語でした。
まさにアンドロイド差別とも呼べる状況を招かないための決断であり、フォードさんが彼らを守るために下した最大の決断が”解放”でした。
では園がどうなっていくのか、そこはS2で見られそうです。楽しみ!
*S2見ました!