2018年に見た韓国ドラマの中で一番印象に残ったファンタジードラマは「花遊記」でした。
Netflixでのタイトルは「コリアンオデッセイ花遊記」となります。
本作は西遊記をモチーフにして再構築されたファンタジーラブロマンス。
主演は歌手・MC・バラエティー・俳優なんでもこなす才能あふれるイ・スンギ。
脚本はラブコメの大家ホン・ジョンウン、ミラン姉妹。
製作にも力が入っていることがわかるまさに力作でした。
今回もあらすじなど、6月に見終わった時の感想を含めて語っていきたいと思います。
作品情報
放送
韓国tvN 2017-12.23~2017.3.4 全20話
演出 パク・ホンギュン
善徳女王(2009)
最高の愛(2011)
メンドロントット(2015)他
脚本 ホン・ジョウン ホン・ミラン
怪傑春香(2005)
マイガール(2006)
ファンタスティック・カップル(2007)
快刀!ホンギルドン(2008)
美男ですね(2009)
僕の彼女は九尾狐(2010)
最高の愛(2011)
主君の太陽(2013)
メンドロントット(2015)
花遊記ファユギ(2017)
ホテルデルーナ(2019)他
出演
イ・スンギ(孫悟空ソン・オゴン)
オ・ヨンソ(チン・ソンミ)
チャ・スンウォン(牛魔王ウ・フィ)
イ・ホンギ(猪八戒チョ・パルゲ)他
冒頭あらすじ
小学生のチン・ソンミは悪霊の姿が見えてしまうがどうにもできず、身を守るためにお札をつけた傘を持ち歩くしかなかった。
学校でも気味悪がられるばかりで誰も助けてはくれず、悪霊が現れるたびひとり怖い思いをしていた。
ある日、「ある場所に行ってある品を取ってきてくれれば悪霊から守ってやる」と言う不思議な男に出会う。
けれど、その品を取りに行った場所には罪人として収容されていた孫悟空がいて、開放してくれれば守ってやると言った孫悟空にも騙されてしまった。
ソンミは大人になり、悪霊が見えることを利用して生計を立ててはいたが、自分を守ってくれると言っていた何者かのことを忘れたわけではなかった。
ある日ついに孫悟空はソンミの前に現れた。
しかしソンミは妖怪たちの欲してやまない三蔵だったことから、悟空はソンミを食べる目的で近づいたのだった。
DVD発売元トレーラー
公式サイト:ポニーキャニオン「花遊記」サイト
劇画的な面白さを感じるドラマになっていることがよく伝わると思います。
OSTもなかなか良くて物語への没入度が高まりました。
私のおすすめOSTは後ほどご紹介したいと思います。
脚本はラブコメの大家ホン姉妹
2005年の「怪傑春香」や「マイガール」以降、ホン姉妹のラブコメはすべてではないですがほぼハマりました。
異世界(神界)と人間界を描くことでスケールが大きくなっている上に、サブキャラクターたちのエピソードも豊富。
豊富ゆえに散漫になりそうだな~と思っていたら、きゅきゅっと二人のロマンスに軸が戻され、意外とブレないんです。
なかなかうまいな~と思っていたらホン姉妹の脚本でした。
キャラクター設定もよく、またそれを演じるキャスト陣のバランスセンスの良さもあって難しいファンタジーをちゃんとしたエンタメに仕上げてあったなと感じました。
ホン姉妹と縁のある監督・主演陣
ちなみに、演出家のパク・ホンギュン監督とは「最高の愛」「メンドロントット」で組まれています。
主演のイ・スンギはホン姉妹の「僕の彼女は九尾狐」で、猪八戒役のイ・ホンギは「美男ですね」で、チャ・スンウォンは「最高の愛」に出演されていました。
ちなみに「最高の愛」でチャ・スンウォン演じる主人公トッコ・ジンが「今度共演しましょう」と本人役でカメオ出演したイ・スンギに言うセリフがあったのですが、それが叶った形になりました(笑)
西遊記をモチーフにしたロマンス
有名な「西遊記」の基本設定を活用してロマンスに仕上げるという点から、人間の女性である三蔵を最強の妖怪悟空が守り抜くというプロットにしてあります。
韓国ドラマのラブロマンスは設定において多彩を極めているところで、特に恋の成就に立ちはだかる”障壁”が本作では人間と妖怪というファンタジックな形となっています。
因みに、牛魔王が人間界に影響を持っている芸能事務所の有名人会長、悟空の弟分の猪八戒は超人気バンドの芸能人、沙悟浄は大企業の会長となっています。
力作といえるボリューム感
そして本作は1話1話が長い。
第一話はCMなしで1時間半、日本ドラマならスペシャルドラマ尺ですよね。
以降も1時間半目指して作られていたのかと思うほどで全20話の本作が体感的には30話ほどに感じられました。見ごたえあります。
日本での放送時には1話の時間をそろえるために話数を増やし全20話以上になる可能性が高いですね。
花遊記(ファユギ)とは
西遊記をモチーフにしたファンタジーラブロマンス
ボリューム感もスケールも大きく、コミカルさもある意欲作
ハマり度は
3.5
③よりは④に近いかな~という感じのハマり度だったので3.5。なかなか面白かったです。
DVDはBOX3まで発売されています。上記ショップのボタンは花遊記の検索結果リンクしてあります。
ここからはネタバレがあります
ご注意ください
ネタバレあらすじ・感想
西遊記のキャラクターたちが現代でどう生きているか、という部分をチャ・スンウォンやイ・スンギがコミカルに演じていてこの部分の演出がなかなか面白くなっていました。
妖怪たちは人間を食べるわけにはいかないので、人が発する“気“を食べています。
牛魔王はじめ猪八戒、沙悟浄のみなさんは実力をいかんなく発揮しながら人間界でうまく生きています。
不死の彼らは、タイミングを見て死んだことにして表舞台からは退きなどしつつ妖怪同士時に協力しあいながら長年生き続けてきています。
三蔵の使命とは
数千年に一度やってくるという人類の危機を救う三蔵の使命を負ったのはチン・ソンミ。
人間たちが放ち蓄積され続けた”悪意の塊”、その権化が黒龍となり人類滅亡の危機が訪れてしまう。ちょうどその時が迫っていました。
黒龍を利用しこの世に君臨しようとする悪人を阻止し、黒龍を消すのが三蔵の使命。
その三蔵を守る使命を受けたのが天界で最強ゆえに問題児だった孫悟空でした。
孫悟空を強制的に動かす緊箍児
言うことを聞かない孫悟空に装着させたのは”緊箍児”。
本作では頭を締め付けるあのタイプではではなく、心臓を拘束され三蔵を愛するしかなくなるブレスレットタイプのものでした。
次第にソンミも悟空を愛してしまうのですが、緊箍児が無くなれば悟空の自分への愛は消えるのではないのかという寂しさが生まれたりして二人の愛が試されます。
ただ三蔵は命をかけて人類を救う使命を持っているゆえに、愛していても死別が待っていました。
三蔵が人類を救うその方法とは
黒龍というツワモノを倒すには、善なる器である三蔵がその体に受け止め閉じ込め、その三蔵を神の剣で刺し殺すことで確実に達成できるという方法でした。
神の剣で仕留めることができるのは悟空だけ。
悟空が使命を遂行することイコール三蔵をその手にかけることでした。
本作のみどころ
常に二人を引き裂こうとする力が存在し、大事をなしたとしても生きて結ばれることはない。どう乗り越えて成就させるのか?という部分を丁寧に描いてありました。
周囲の妖怪さんたちが人類滅亡のきっかけとなる出来事や人物たちと絡み、問題を起こし、時に解決しながら進んでいきます。
妖怪同士のブロマンスや命がけの献身などもあって、人情深い良い味を醸し出していたのも見どころでした。
種を越えて深く愛し合う2人を、ベテランの域に達したイ・スンギと、安定した演技で主演女優としてあちこちで活躍するオ・ヨンソがしっとりと演じていてなかなかに良かったですよ。
物語を盛り上げたOST
本作はOSTも良かったんですよ~!
まずは活劇感を感じるアップテンポな曲、NUE’ST Wの「Let Me Out」
選ぶのに困るほど素敵な曲が多いのですが、本作のファンタジックな部分と二人の心の揺らぎが同時に感じられるシーンでよく流れた曲をご紹介します。
BUMKYの「When I Saw You」
その他、良い曲が多かったのでぜひ聞いてみて下さいね。日本版OSTも発売されていますよ。
さいごに
ファンタジー系のドラマは好みが分かれるところがあると思いますが、好きな方にはラブコメもロマンスもアクションテイストも入っているおススメな物語でした。
ですが…見ている間は気になるほどでもなかったのですが、クライマックスとなる大事なシーンのCGやVFXのクオリティがちょっと低くて、ファンタジー好きの方の要望に応えきれないという相反する結果となってしまったなと感じました。
今は海外ドラマなどで使われる技術があまりにすごく、実物とCGの区別がつかないほどのものもあるのでそこまでは要求しないにしても、もうちょっとそこに予算を割けていたらなぁと思わずにはいられません。
とはいえ、スケールの大きい命がけのラブロマンスが見たいな〜と思っている方にはおススメです!
コメント
コメント一覧 (12件)
花遊記、1話から最終回まで楽しく見れました。ソンオゴンとチンソンミの間に少しずつ愛が芽生え始めるのがわかり、二人は素晴らしい演技でした。チンソンミの死ぬシーンと最終回での再会を約束するシーンは見るたびに泣けました。ostもドラマと非常にマッチしていて良かったです。ホン姉妹の作品はいつも期待どおりです。できれば花遊記のスピンオフドラマも是非作ってほしいです。
みーこ様
花遊記、スケールの大きい素敵なラブストーリーでしたよね。
みーこ様は泣かれましたか~二人の演技良かったですよねほんとに(しみじみ)
OST、曲単体として聞いても良曲揃いでした。
花遊記のキャラクターはみんな個性が立っていたのでスピンオフできそうですよね~あれば私もぜひ見たいです。
花遊記大好きです!録画して何回見たかわからないくらい見てます
CGは確かにお粗末でしたが、ドラマの内容がそれをカバーできてたので問題なかったです。こんなドラマ期待してます!
みーこ様 こんばんは!
みーこ様のファユギ愛が伝わって来ます
ホン姉妹は次はどんな作品を作って下さるのか楽しみですよね!
私のように花遊記好きな人いて嬉しいの一言です
ドラマもさることながら、ostも大好きで買いました!
イ・スンギの作品いいものたくさんありますね
みーこ様 こんばんは!
BSなどで放送されたら一気に花遊記ファン増えるかもしれません
OST購入されましたか!いつでも物語の世界にひたれますね(^^♪
イ・スンギはアクション系の新作を準備しているみたいです楽しみですね!
早速の返信ありがとうございます
イ・スンギ次回作、バガボンド楽しみにしてますよ
韓国ドラマ大好きなので、新旧問わずけっこう見てます。
最初から最後まで面白いものなかなかありませんが、イ・スンギの作品は期待に応えてくれるものが多いのでファンです。誰の作品でもお薦めのドラマあれば教えてください。既に見てるかも知れませんが(笑)
「花遊記」のような命がけのファンタジーロマンス方面だと
「イニョン王妃の男」や「トッケビ」はおススメできる作品だと思います!
楽しく見てましたが、ところどころ反日を煽るような場面がありがっかりでした。
サツキ様 はじめまして。
あの日本統治下の鏡台のエピソードですよね…。
時々こういったエピソードに出会ってしまうと日本人も視聴者として楽しませようと作られているわけではないんだなと感じて私も残念な気持ちになります。
こんばんは❗
大好きなファユギを幾度となく見ました。5話は反日感情が前面に出ていて、悪意に満ちてるなと思いましたが、最近の韓国を考えると仕方ないと諦めてます。イ・スンギに反日と思わせるようなセリフがなかっただけでも良かったです。九家の書でも反日と思えるような所があり、韓国ドラマはそういったものが多いですね。
みーこ様 こんばんは
時代劇を見ていると顕著ですが、中国が絡むシーンは中国人が極悪人に、日本が絡むシーンは日本が極悪人に描かれるのが常ですよね。
韓国ドラマに出てくる最上級の悪役は、国を狙う外国か国を売る裏切り者という感じです。
エンタメであるドラマはできるだけ政治とは切り離してほしいという願いはありますが、自国民向けに作られているので難しいですね。
私はドラマだしなとスルー出来るなら見ますが、無理なら見ないという選択でやっています。
ファユギは他のエピソードの比重が高かったので見終わるころは感想の通りロマンスや三蔵の使命に集中できました。