入隊直前のイ・ジョンソクと9年ぶりのドラマ出演で注目されていたイ・ナヨン主演で話題だったtvN放送の韓国ドラマ「ロマンスは別冊付録」がNetflixで全世界配信中。
出版社のリアルなどを描きながら、まさにロマンスを別冊付録のようにじっくり描いた本作の魅力などを語っていきたいと思います。
私の好みど真ん中というドラマではなかったのですが、個性的な物語でした。
本作の個性や魅力といえる部分はここだな、と私が感じたところをさらりと語っていこうと思います。
前半はネタバレなしとなっています。
作品情報
放送・配信
放送:韓国 tvN 2019.1.26-3.17 全16話
配信:Netflix
演出・脚本・キャスト
演出:イ・ジョンヒョ
ロマンスが必要2(2012)
魔女の恋愛(2014)
グッドワイフ(2016)
ライフ・オン・マーズ(2018)
ロマンスは別冊付録(2019)
愛の不時着(2020)
共同演出:キム・ナヨン
ロマンスは別冊付録(2019)
愛の不時着(2020)
脚本:チョン・ヒョンジョン
ロマンスが必要 シリーズ1~3(2011~2014)
恋愛の発見(2014)
子供が5人(2016)
ロマンスは別冊付録(2019)
キャスト
イ・ジョンソク(チャ・ウノ)
イ・ナヨン(カン・ダニ)
チョン・ユジン(ソン・ヘリン)
ウィ・ハジュン(チ・ソジュン)他
個性派ロマコメのチョン・ヒョンジョン作家
脚本は「ロマンスが必要」シリーズや「恋愛の発見」で有名なチョン・ヒョンジョン作家。
今回ラブコメが初挑戦だったというイ・ジョンソクも、「チョン・ヒョンジョン作家の作品はラブストーリーをリアルに描かれているように感じる。個人的に好きだった」とインタビューで語っています。(Ksyle)
ロマンスが必要2で組まれた監督・作家コンビ
イ・ジョンヒョ監督が撮られた「魔女の恋愛」のヒロインの職場は出版社(週刊誌でしたが)。
30代後半のヒロイン女性(オム・ジョンファ)と年下男性(パク・ソジュン)との恋愛をコミカルに描いたドラマでした。
本作とは、出版社・年下男性とのロマンスというキーワードが一致しています。
また、チョン・ヒョンジョン作家とは「ロマンスが必要2」でも組まれていて、描きたい部分の思い入れや感性が合っていらしたのかもしれないなと感じています。
主演陣について
ロマコメは初だったというイ・ジョンソク
これまでジャンルドラマで素敵なロマンスを沢山されていたので、ロマコメが初だったとは意外ですよね。
アドリブを効かせながら、人物のキャラクターに合わせて柔軟にロマンスを演じたというイ・ジョンソクは新鮮でした。
甘々で一途なウノを演じるイ・ジョンソクはヌナ勢(お姉さま方)をメロメロにさせること間違いなしです。
ウォンビンの奥様として有名な童顔美女優イ・ナヨン
2018年には6年ぶりの映画「ビューティフル・マインド~愛が起こした奇跡~」でカム・バックされて話題になっていました。
後半ロマンスの濃度が上がっていくにつれてウノとの距離が縮まり、イ・ナヨン演じるダニはしっくりとキャラクターにマッチしていきました。
冒頭あらすじ
37才カン・ダニ。
夫の浮気で離婚され慰謝料も養育費ももらえず、住む場所も就職も決まらず留学中の12歳の娘の学費と生活費を稼ぐためにアルバイトを掛け持ちして苦しい一年を耐えてきた。
ダニの長年の弟分である5歳年下のウノは作家として成功し、出版社「キョル」の若き編集長として着実に人生を歩んでいた。
出会って約20年間、ダニの結婚も見守ったウノ。
ウノにとってダニは唯一の幸せになってほしい(してあげたい)女性だった。
予告編
日本語字幕つきの予告編はNetflix公式ページにあります。→Netflixロマンスは別冊付録ページ
ここでは、フィリピンNetflix公式が出している英語字幕付きの予告編をご紹介します。
生活にも住むところにも困り、ウノに家政婦さんを紹介した風を装い自分が働いているダニ。
主婦だった7年間のブランク後の就職がままならないダニが気づいたのは、高学歴と元の職歴での高キャリアが採用の妨げになっていること。
年齢・経歴を一切問わないというウノの出版社の採用枠に経歴を低く詐称して応募しようとするきっかけが少し描かれています。
ロマンスは別冊付録の魅力と個性
ウノの20年越しの思い
ダニとウノは長年の姉貴分・弟分として、他人でありながら最も強い絆で結ばれた身内のような関係です。
ウノにとって幸せになってほしい女性はダニだけ。
ダニもウノの絶対的な味方です。
ダニが女性としてウノに愛されていることをいつどういう形で知っていくのか、また、ウノがその幸せを得られるのかどうかをじっくりゆっくり甘く描いてありました。
出版社・本を愛する人達たちの姿に込められていたリアル
本作はロマンスを前面に押し出したイメージではありますが、本作の大きな軸は出版会社「キョル」の人々や業務の様子を詳細に描いてあるところでした。
本を愛し、作り手と読み手をつなぐことにプライドと誠意をもって取り組むキョルの人々の姿を通して、ロマンスだけでは語れないもう一歩踏み込んだ人間模様を描いてありました。
- 作家さんと編集者の関係や葛藤
- マーケティングや出版に際するトラブル
- 業界の抱える問題
などなどを、かなり詳しく描写されていました。
多少デフォルメはされているのだろうけれど、きっとこういうことが生の現場ではあるんだろうなぁと思わずにはいられないリアルさを感じる描写でした。
ちょこっとミステリー要素
「キョル」がまだ起業したばかりのころ、大作家カン・ビョンジュンが版権をすべてキョルに託して絶筆宣言を出したまま行方が分からなくなったというエピソードが語られます。
カン・ビョンジュン作家はどこへ行ったのか、なぜキョルだったのか、ウノとはどういう関係なのか?という謎もありました。
アクセントのように効かせてあったさりげないミステリー要素と言えます。
ロマンスは別冊付録 とは
出版会社のリアルと本への愛情
絶対的な味方の存在がいる幸せ
ハマり度
2.5
本作を見ていると、本のページをゆったりとめくるような穏やかなテンポで進んでいく感覚になりました。
私のハマり度はぐぐっとは上がらなかったのですが、好みがピタッと合う方はかなりハマれるのではないでしょうか。
甘いイ・ジョンソクが見られるという意味では、入隊前にファンに贈るプレゼントのような作品だったのかもしれません。
ここからはネタバレがあります
ご注意ください
ネタバレあらすじ・感想
関係が進むようで進まなかったり、相手の気持ちが丸見えなのに当人には気づけていない鈍感さにやきもきしたりするのはロマンスのだいご味ですよね。
互いが最も伴侶として相性がいいというのは明らかでした。
そのため、本作のストーリーのゴールはいつ成就するかという一点でした。
パートナーに求める究極の条件
ダニとウノ、そのほか「キョル」の皆さんの恋模様や人間関係において、パートナーに求めるのはこれだったという究極の条件が出てきました。
それは「私の(僕の)味方でいて欲しい」ということ。
理不尽な目に遭ったり言いがかりをつけられることもあるし、仕事やプライベートでもうまくいかないときもある。
ただ辛かった気持ちを受け止めてもらえるだけで心が救われるんですよね。
パートナーにはそんな絶対的な味方でいて欲しいというメッセージが随所に込められていました。
カン・ビョンジュン作家の謎
本作のミステリー要素だったカン・ビョンジュン作家の絶筆宣言の謎はラストに明らかとなりました。
カン・ビョンジュン作家はアルツハイマー病でした。
天涯孤独という作家は、弟子のウノに細かな指示を託していました。
”作家として消えたい” 「失踪とでもしてほしい」という願いをもっていて「絶筆宣言」をしたためていました。
キョル創立後最初の作家としてスカウトされ同時に創立メンバーとなったウノは、カン・ビョンジュン作家の版権をキョルにゆだねることを決意したのでした。
こうして、ウノは別荘地で看護人をつけて看病しながら先生を世間から守り続けていたのでした。
ウノと縁が深かったチ・ソジュンデザイナー
ダニがキョルに就職が叶う直前、偶然に出会い親しい友人となったブックデザイナーのチ・ソジュン(ウィ・ハジュン)が登場しました。
彼はカン・ビョンジュン作家の版権を一手に預かったキョルに、作家の行方を手厳しく追及する一幕がありました。
彼こそが、カン・ビョンジュン作家の息子でした。
作家が記憶を留めておけるかどうかの病状の頃訪ねて来たソジュンをみて、はじめて息子の存在を知った作家。
ただ、その直後病状は悪化してしまった。
自分を探してくれない父親を恋しく思い、憎くも思っていた彼は、ウノとの出会いでお父さんの抱えていた病気や思いを知り、死に目にも会うことができました。
切なくて温かいシーンでした。
ウィ・ハジュンどこかで見たぞ👀と思ったら
ウィ・ハジュンどこかで見たことあるな~とずっと思っていたのですが、調べたら「黄金の私の人生」で主人公ドギョンの妹ソヒョンお嬢様を逆美人局でだます運転手役でした。気づかなかったな~。
さりげないOST
さきほど、本のページをゆっくりとめくるような感覚が味わえたドラマだったと言いました。
それが感じられる曲がこちら、
ロイ・キム「All I do」
出版社キョルの社屋やウノの自宅はとてもしゃれていて素敵でした。
そんな美術のように、さらりと洗練されたおしゃれさをかもしだしていた曲がこちら
Rothy「Rainbow」
さいごに
私も本は大好きですが、本作の登場人物たちの本への愛情は深く、さすがに憧れを抱くほどでした。
見どころでもご紹介したように、仕事に熱意と愛情をもって取り組む彼らの私生活も含めてじっくり見ることができる良い作品だったなと感じています。
ただ、ときどきノリが合わないというか、そんな感覚を受ける時があったため結果的私のハマり度は上がりませんでした。
留学中のダニの娘の存在は、ウノとのロマンスが成就していく過程でほとんど触れられていないところにはおそらく多くの方が違和感を感じてしまったことでしょう。
ウノはダニのこれまでの経緯をすべて知ったうえでの求愛であることは明らかではあります。
とはいえ、キャラクターに感情移入しづらいロマンスではありました。
あくまでも本作は、出版業界や本への愛情をメインに描くドラマにロマンスが付録として付随した作品という見方もできますね。
これは個々人の好みが影響するところかなと思います。
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