韓国ドラマ「ママ~最後の贈りもの~」視聴感想

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2014年夏韓国MBCの週末特別企画ドラマとして放送された「ママ~最後の贈り物~」(全24話)を見終わりました。

評判が良く機会があれば見たいと思っていた作品で、偶然にも第一話からの無料配信のタイミングに出会いました。

切なく温かいヒューマンな作品で毎週2話ずつの配信をGYAOで見進めました。

主演は母子役でソン・ユナ&ユン・チャニョン君。

私の感じたところを今回も語っていきたいと思います。

前半はネタバレなしでお読みいただけます。

目次

作品情報

放送

韓国 MBC 2014.8.2~10.19 全24話 週末特別企画ドラマ

スタッフ・キャスト

演出:キム・サンヒョプ

トンイ(2010)w/イ・ビョンフン
ママ~最後の贈りもの~(2014)
華麗なる誘惑(2015)w/キム・ヒウォンン
王は愛する(2017)
偶然見つけた一日(2019)他

脚本: ユ・ユンギョン

みんなでチャチャチャ(2009)、婿殿オ・ジャクドゥ(2018)

キャスト

ソン・ユナ(ハン・スンヒ)
ユン・チャニョン(ハン・グル)
ムン・ジョンヒ(ソ・ジウン)
チョン・ジュノ(ムン・テジュ)
ホン・ジョンヒョン(ク・ジソプ)
パク・ソジュン(ハン・グル20才)特別出演

美しくなつかしさを感じる作風

本作を見始めて一番に感じたのは、美しくすっきりした映像でした

主人公母子がカナダから韓国に戻るところから始まるのですが、カナダの広大な風景と美しい緑、韓国に戻ってからも郊外の工房や高級マンション・おしゃれなカフェなど木々の緑を常に意識してあり落ち着きと穏やかさが演出されていました

そしてどこか懐かしさを感じる音楽

最近の韓国ドラマでは歌入りのOSTが流れるシーンが多く、それが物語の雰囲気を盛り上げたり人物たちの心情を代弁したりするのですが、本作は全編インストゥルメンタルでした。

このママという物語は、普遍的な母の愛を描いてあったことを考えると、全年齢を対象として物語への没入度を高めるためにあえてなつかしさ漂う歌なしの音楽を貫いたのかなと感じました。

冒頭あらすじ

スンヒはカナダで東洋画家として成功したシングルマザー。

13年前、愛する人と別れカナダへと渡った天涯孤独のスンヒは、身ごもっていた子グルを産み苦労の末に成功をつかんだのだった。

しかし、スンヒは余命わずかと診断され治療の手は尽きてしまった。

愛する一人息子を、実の父テジュに託すため韓国へと戻ったスンヒだったが、テジュの妻ジウンと出会い親友となってしまうのだった。

予告編

スンヒの思いがもう痛々しいほど切実でした。

この物語のあらすじを映像化してあるDVD発売元の予告編を共有させていただきます。
ママ~最後の贈りもの~公式サイト

人間関係が近くなればなるほど過去の事実が誰かを傷つけ真相を知らないままだと真意は伝わらず誤解を生む。

それぞれの苦悩が垣間見える予告編となっています。

母の強い思いが生んだ人間ドラマ

本作は自分以外に身寄りのない幼い息子をのこしてこの世を去れないという切実な事情を抱えたスンヒが、息子を大切に愛してくれる人に託してひそかにこの世を去ろうとしたことが始まりの物語でした

普遍的なテーマである「親子の愛」と「死別」

信頼できる大人に見守られて育ってほしいという母の思いは、すべての動機に勝る深い思い。

私も共感しながら見ることになりました。

最終話には、成長して20才になったグル君をパク・ソジュンが演じているシーンがありました。

第一話とリンクするシーンで、温かい涙が止まらない素敵なシーンでした。

その動画はラストシーンのネタバレになるのでこの記事の最後に貼りますね。

 ママ~最後の贈りもの~とは

愛する息子の居場所を作って逝きたかった母
人生の仕舞いに結んだ深い絆の物語

ハマり度は

4

途中、24話は少し長いかもしれないな?という気分になった時もあったのですが、各人物たちがわだかまりや誤解をすべて解いていくためのエピソードとなっていました。

ヒューマンで切なく美しい物語でした。

このあと、後半はネタバレあらすじ・感想となっています。

ここからはネタバレがあります
ご注意ください

ネタバレあらすじ・感想

物語はスンヒの思い通りにはひとつも進まず、むしろ想定外の事態に振り回される形で進んでいきました。

スンヒの誤算 その1

グルを実の父テジュに託せればと調査したスンヒ

テジュの家庭が順風満帆でその妻ジウンが愛情豊かな人ならなお文句なし。

けれど、残念ながらそうではなかった…。

テジュは上司と不倫関係に陥り、ジウンはテジュの給与では生活できず多額の借金を抱えいかがわしいバイトを選択するほどまでにどん底でした。

スンヒは、テジュ家族をグルに相応しい家庭にしようと陰から手を貸すのですが、その過程でジウンと親友関係になり状況は複雑化してしまいました

スンヒの誤算 その2

テジュが引き取れないと決め、グルを託せる人を失った…

テジュはジウンの立場に立ち、スンヒと昔恋人同士だったことやグルが二人の子どもであることを告げることは残酷すぎると判断しました。

スンヒの事情を知らないテジュにとって、家族を守ることが最優先でした。

スンヒの誤算 その3

死期が近いと悟られず旅立つつもりだったけれど、具合はどんどん悪くなり自分では容態をコントロールできなくなってしまったスンヒ。

テジュにもジウンにも余命いくばくもないことがとうとう知れてしまいます

ジウンはグルが夫とスンヒの子だと知ってしまい衝撃を受けその事実を受け止められず怒りを収められずにいたのですが、スンヒの容態を知って悩みぬいた末に改めて離婚という決断をしました。

ジウンにとって、テジュと夫婦であるという状況を一度解消することで整理でき見えてくる道があったようでした。

スンヒの誤算 その4

絵画の作業場として借りた郊外の工房の前住人という若き写真家ジソプとの出会いがありました。

お母さんを早くにガンで亡くしていた彼は、スンヒが重い症状だと早くから気づき何かと協力してくれました。

その彼がいつからかスンヒを愛するようになっていたこともある意味誤算でした

母を幼くして失う辛さを知っていて、また子を置いて去る辛さをスンヒから感じ取れるジソプはスンヒとグルに心からの手を差し出しました。

すべてが明らかになったからこそできた絆

すべてを知ってジウンは離婚の道を選びました。

跡継ぎの男児が欲しくてグルを手に入れたがるテジュの母、つまりジウンの姑が、実は妊娠していると知りながらスンヒとテジュを別れさせ、裕福な家のジウンと結婚させたという経緯も知ったから。

しかも、“グルを引き取ればスンヒの遺産が手に入る”という心ない言葉を聞きたくないという部分もあったでしょう。

ジウンは離婚してバリスタとして働きながら、空いている時間をスンヒと過ごすようになりました。

過去がどうあれ、スンヒと築いた友人同士の絆は切れなかったということでした。

ラストの温かさが忘れられない

グルが中学に入学する姿を見る。スンヒはその約束を守り逝きました。

入学式のあと、入籍し親子となったスンヒ・ジソプ・グル家族、そしてテジュ・ジウン・ボナ親子の計6人が笑顔で一つの写真に納まりました

ジソプをヒョン(兄貴)と呼んで慕うグル。

入籍する時に申し訳なく思っていたスンヒに、ジソプは「僕たちは特別な縁で結ばれたと思っている」と穏やかに答えていました。

父に代わって大企業の代表となったジソプは、スンヒの遺産をシングルマザーが自立して生きていける助けとなるママ・センターの設立と運営に生かせるよう整えてくれました

スンヒの数々の誤算は、一つ一つ真相を明かしていくしかない状況をうみ、その真相のうえでどう人生を選択していくかをみんなに考える時間を与えたと言えます

その時その時、誰かを思い選択する道が後悔のないものであるように、余命わずかなスンヒを通してみんなが考え選んだといえます。

さいごに

ラスト、パク・ソジュン演じる20歳になったグルがお母さんの面影とともに語るシーンが用意されていました

育った息子をきっと見守っているだろうスンヒと、お母さんを恋しく思うグル

バイクを通してお母さんを思い出すグルの後ろ姿が切なく美しかったです。

機会があれば、ぜひ一度見ていただきたい作品です。

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