Jtbcで放送され、Netflixオリジナルとして独占配信されているソン・ジヒョ主演の韓国ドラマ「私たち、恋してたのかな?」。
バラエティーで長くレギュラーを務めてこられただけあって、コミカルな演技もできるソン・ジヒョは、飾らないイメージが好感度の高い女優さんです。
ソン・ジヒョが演じたのは30代後半のシングルマザー、ノ・エジョン。
エジョンをめぐる4人の男性たちとの関わりが描かれます。
5人すべてが初恋を引きずっていることで展開するあれこれをドラマチックに描いてあるヒューマンロマコメ。
今回も、私の感じた本作の魅力などを語っていきたいと思います。
作品情報
放送・配信
2020年 韓国Jtbc 全16話
配信中:Netflix →Netflix 私たち恋してたのかな?
演出・脚本・キャスト
演出:キム・ドヒョン
脚本:イ・スンジン
キャスト
ソン・ジヒョ(ノ・エジョン)14才の娘がいるシングルマザー
ソン・ホジュン(オ・デオ)大学時代の友人・実はベストセラー作家
ク・ジャソン(オ・ヨヌ)娘の担任
ソン・ジョンホ(リュ・ジン)大学の先輩・韓流スター
キム・ミンジュン(ク・パド)融資・投資会社代表
他
冒頭あらすじ
14才の娘を育てるシングルマザーのエジョンは、苦労の末夢だった映画制作会社に就職してはや数年、前向きに頑張りつづけ初めてのプロデュース作を抱えていた。
しかし、社長が10億ウォンもの借金をエジョンに押し付け失踪。
返済と会社の存続をかけて、エジョンはコワモテの投資会社代表ク・パドから投資を受けることに成功した。
だが彼の投資の条件は、
- ベストセラー作家チョン・オクマンの作品で、
- 韓流スター リュ・ジンを主演にすること
娘の転校先のトラブルで再会したエジョンをヌナと慕う娘の担任ヨヌら、4人の魅力あふれる男性との出会い(再会)がエジョンの生活を変えていくことになるのだった。
予告編
Netflixの予告編がこちら
登場する皆さんの顔ぶれと紹介が分かりやすいですね。
私たち、恋してたのかな?の魅力と個性
14年ぶり2度目のモテ期が教えてくれた真実
これまで前向きにガッツを忘れずに娘のために強く生きてきたエジョン。
優しさや強さ、まじめさとお茶目さなど、14年間大切に育ててきたハニの成長ぶりも含めて、エジョンの人柄が良いことが伝わってきます。
さまざまな事情が重なり、14年前に縁深かった人たちと再会する流れとなるのですが、そのことが14年前に取り残されてしまった全員のそれぞれの一方通行の思いがあぶりだされることに。
エジョンをめぐる男性陣の特別な思いだけでなく、エジョン自身の思いや、14年前のすれ違いなども見えてくるドラマチックな展開が待っていました。
4人の魅力ある男性陣を揃えたおとな感
本作でエジョンを取り巻いたのは、オトナな魅力があるキャラクター俳優陣プラス、年下ワンコな4人。
文学的な才能で成功している脳セク男デオ
ルックスと実力を兼ね備えたスター ジン
お金とワルい男の魅力を持つ パド
ちなみにパドは“子煩悩”というギャップカードを持っています。
カワイイ年下男子は高身長笑顔がかわいくヌナヌナじゃれてくるヨヌ。
それゆえに、演じる俳優さん方も、キャラクターの魅力を余すところなく発揮される皆さんでした。
ちなみに、ヨヌ役のク・ジャソン君を知ったのは「初対面で愛します」でした。
誠実で穏やかな笑顔がステキな役だったのですが、本作もはまり役の香りがします。
子どもたち目線の親への思いにグッとくる
エジョンは、これまでハニには“父親は死んだことに”してきました。
ハニもまた、母の悲しむ姿を見たくなかったことや、父親がいなくても母と祖母とで幸せに暮らせていることを実感していてそれ以上詮索はしていませんでした。
ただ、14年前お母さんに縁のあった男性陣が矢継ぎ早に現れたことで、父親捜しに乗り出すんです。
ハニにとっての父親とはいったい何なのか、ハニにとってお母さんエジョンの存在は何だったのかが見えてくる後半は胸の底がじんとしてしまいます。
ハニの親友であるドンチャンとそのお父さんパドとの関係も含めて、本作は子どもたちの親への思いがグッとくる、たまらないドラマでもありました。
私たち、恋してたのかな?とは
14年ぶりに紐解かれた真相
初恋を引きずっていた全員の思いが解けた
すがすがしい大人ロマコメ
ハマリ度は
3
14年前の出来事が作り上げた現在の彼ら。
当時の思い出・記憶の中に、相手に伝えられなかった・伝わらなかった真実があったことが見えてきます。
5人のそれぞれの思いや思い出を現在と過去あわせて描いていくので群像劇感もあり、テンポも良く見進められました。
正直言えば、ちょっと展開は読めてしまうのですが、その点も織り込み済みで楽しめる物語でした。
親にも恋する時代があった。
今も彼らが恋をしているならそれは素晴らしい。
親に素敵なパートナーがいることが子どもの幸せにもなるんだなと感じられる物語。
衝撃の反転などはないけれど、描かれた人物たちの子どもたちへの思い・子どもたち本人の思いなどに寄り添いながら見られる穏やかで幸せな物語でした。
[jin-button-shiny visual=”shiny” hover=”down” radius=”50px” color1=”#54dcef” color2=”#0794E8″ url=” target=”_self”]Netflix私たち、恋してたのかな?[/jin-button-shiny]ここからはネタバレがあります
ご注意ください
ネタバレあらすじ・感想
「私たち、恋してたのかな?」の魅力を引き上げたのはベテランのキャスト陣。
どなたもハマり役だったのですが、その中でも、この人にしかこの役は演じられなかっただろうな?と感じさせられたのがソン・ホジュンとキム・ミンジュンでした。
ソン・ホジュンにしか演じられないオ・デオ
オ・デオは一流小説家として大成功している才能ある人物。
しかし、彼の執筆への原動力は過去に自分を捨てた女性への怒りと恨みと憤り。つまり、深すぎる未練でした。
裏返せば深すぎる愛。
自分の小説を映画化したいと打診してきたエジョンに、念願の復讐の時が来たと張り切り、ねちねちとエジョンを振り回しながらもエジョンと関わり続けたいと無意識に行動する器の小ささと恋する男の弱さの絶妙な姿を見せてもらえました。
以前は長編ホームドラマでイケメン御曹司役を多くしていたソン・ホジュンが、「私の恋したテリウス」や「眩しくて~私たちの輝く時間」などを期に、少しオフビート気味のキャラクターが俄然うまいと判明してのオ・デオ役。
本作のソン・ホジュンをぜひ見てみて欲しいと思います。
キム・ミンジュンにしか演じられないク・パド
もう一人、元モデルで存在感がすごいキム・ミンジュンが本作では不器用ながらも子煩悩な父親ク・パドを演じています。
一時期、俳優を休業されていたキム・ミンジュンですが、何歳になっても 裏社会で生き抜いてきた無口だが熱い男というような役が似合います。
本作ではまさに、キム・ミンジュンお似合いのノワールカラーと、実はユーモアもあるお茶目な父親の姿の両方を見せてくれます。
「チェオクの剣」のソンベクがお気に入りだった方は久しぶりにその片鱗を感じられるかもしれません(笑)
結末は
14年前の誤解が解け、改めてお互いへの愛が深いことを確認したエジョンとデオ。
ハニもまた、デオの本心や真心を知って彼を父親というよりは、母の夫として認める方向でした。
ただ、デオが有名人であったことや、映画製作をめぐってもろもろのトラブルがあったことが影響してしまい、デオはエジョンたちと離れて一から出直すことに。
2年後、デオは名前を変えた作家として海外で成功をおさめ韓国に戻ってきました。
映画化の打診をすべて断り、エジョンからのプロデュース依頼を待っていたというデオ。
今度は相手の幸せを願いながら巡り合えたふたりの再会でした。
ラストのハニの夫はだれ!?
いや~これは彼でしょう~(笑)
後頭部が美しい丸刈りでしたし、中学時代からハニひと筋。
ハニが不幸になりそうな相手との縁は彼らしい方法でディフェンスしてきた、そうあの彼、
ドンチャンですよね??
バージンロードを歩くエジョンとハニをうるうるしながら見送る4人の男性陣は、
- 二人の元担任ヨヌ先生。
- 両親の共通の先輩リュ・ジン。
- ドンチャンの父、パド。
- そして、ハニの父、デオ。
子どもを悲しませることもあったかもしれないけれど、親が精いっぱい込めた愛情は伝わっている。
そう感じられる温かいラストシーンでした。
爽やかな名曲がOSTに
本作のOST第一弾は爽やかなこの曲
イ・パダ「Dream」
この曲は27年ほど前に世界的に大ヒットしたThe Cranberriesの「Dreams」のカバー→Youtube
映画「You Got Mail」の主題歌にもなった曲で、アイルランドのバンドらしいテイストが私の好みに刺さりまくる素敵な曲でした。
イ・パダver.は爽やかなそよ風のような曲にアレンジされているのもまた良いですね!
ちなみに、本作は、エジョンの大学時代2003~2006年ごろの出来事が大きくかかわる物語。
それゆえに2006年のシーンでは、この曲がお気に入りだというエジョンのセリフがあり、原曲がながれていました。
「歌詞がとてもいいの。」と言っていたエジョン。
この曲をリメイクしてテーマ曲にした制作陣の意図も感じられますね。
もう一曲は、なつかしさと温かさを感じたこの曲、
ユジュ(GFRIEND)「First Day」
劇中聞こえてくると、ユジュやなぁ~と毎回感じていたこの歌声。
温かさがたまらない優しい曲です。
さいごに
親子のエピソードなどヒューマンなところはもちろんありつつも、重くなりすぎず、明るいムードで最後まで見ることができました。
ベテランの俳優陣がメインを固めていたことや、キャラクターの設定もくっきり際立っていて面白さもありました。
大作系でも、超話題作というわけでもなかった本作ですが、良作ドラマと呼んでいいドラマだったと思います。