2020年、韓国JTBCで放送され、Netflixで独占配信も始まった話題の韓国ドラマ「梨泰院(イテウォン)クラス」を見終わりました。
同名人気ウェブ漫画が原作。
そして、人気・実力共に高いパク・ソジュンが久しぶりにドラマで主演をするということで大注目でした。
実際視聴率も安定の右肩上がり、最終話はついに18%に達し、(ケーブル局のドラマの数字として)ヒットとなりました。
第一話から引き込まれ楽しく見終わった「梨泰院クラス」について、今回も私の感じたところを語っていきたいと思います。
ネタバレは後半以降となりますので、前半はネタバレ気にせずお読みいただけます。
作品情報
放送・原作
放送
2020年 韓国Jtbc 全16話
原作・脚本:チョ・グァンジン
Daumウェブマンガ「梨泰院クラス」
演出家・キャスト
演出:キム・ソンユン
雲が描いた月明り(2016)
梨泰院クラス(2020)
キャスト
パク・ソジュン(パク・セロイ)
キム・ダミ(チョ・イソ)
ユ・ジェミョン(チャン・デヒ)
クォン・ナラ(オ・スア)
キム・ドンヒ(チャン・グンス)
アン・ボヒョン(チャン・グンウォン)
イ・ジュヨン(マ・ヒョニ)他
原作はレジェンド級ウェブコミック
原作となった漫画は、個性的な登場人物の人生模様を生き生きとダイナミックに描き「人生ウェブ漫画」と呼ばれてファンから愛されている人気作。
今回、原作者チョ・グァンジン自ら脚本を書かれたということで、キャラクター像などを含め原作ファンにとっても納得のいく仕上がりとなるのではないかと期待されていました。
冒頭あらすじ
高校3年生のセロイは信念を曲げない男。
転校初日、国内筆頭外食チェーン「長家(チャンガ)」の長男グンウォンがクラスの生徒をいじめているのを止めに入りグンウォンを殴りつけ退学させられた。
信念を貫けとセロイの味方でいてくれた父がグンウォンにひき逃げされ亡くなった。
身代わりを自首させ示談で済まそうとしたグンウォンに激しい暴力を振るったためセロイは2年間服役した。
セロイは、飲食業で長家以上の経営者となり父と自分の夢をかなえるために突き進むという目標を掲げたのだった。
予告編
Netflixの予告編がこちら。
個性的なキャラクターたちが織り成す “人生を諦めない姿” が魅力的なドラマになりそうな予告編です。
駆け出しの若手俳優さんも多く出演されるということで、新陳代謝のよいエネルギーを感じるドラマの気配がします。
梨泰院クラスの魅力と見どころ
不屈の成功物語 現代資本主義ver.
偉人伝や時代劇などでよく描かれてきた、主人公の成長・成功物語が現代資本主義バージョンとして鮮やかに生まれ変わったという印象を受けた「梨泰院クラス」。
主人公パク・セロイの人物像は、こんな人の元で働きたいと感じさせる魅力的なリーダー。
自分を卑下せず、信念をもって一歩ずつ前進する意思をもつセロイらしい印象的な言葉の一つがこれ
「自分の価値を自分で下げて安売りするのはバカのすること」
父をひき逃げしておきながら逮捕されなかったグンウォンを襲ったことで服役していたセロイが、獄中で出会ったやさぐれたチンピラのスングォンにかけた言葉がこれでした。
信頼できる魅力的なリーダー:パク・セロイ
劇中、セロイをよく知るスアは彼をこう評価しています。
「目標を決めたら、時間がかかったとしてもやり遂げる意志と粘りを持った男」
失敗し、倒されて、また立ち上がるという最もつらく難しい道を一人で始めていた男に魅せられていく仲間たちの気持ちが痛いほどわかる主人公の物語でした。
本作は飲食業界での成功を目指した物語ではあったのですが、おそらく、どんな業界でもパク・セロイは成功しただろうと感じさせるリーダーとしての魅力があふれたキャラクターでした。
セロイはこういう人物!
- 自分自身の価値基準を持ち変わらない信念を貫き通す
- 偏見を持たず、人の成長を信じられる
- 強大で邪悪なものの妨害に屈せずまた立ち上がる闘志を持つ
- 行動力があり、その行動に責任を持つことができる
誰にでもできることではないだけに、それを実行できるセロイの魅力の底深さが感じられますよね。
キャストの魅力
新たな表現を見せたパク・ソジュン
パク・ソジュンは、これまで愛嬌あるキャラクターを演じることが多かったのですが、この「梨泰院クラス」では感情の表現の仕方が少し違うパク・セロイという人物を見事に演じて見せてくれました。
私が見た彼の過去作で最も近いキャラクター像は、「花郎(ファラン)」の後半、自分のアイデンティティーを知って以降のムミョン役だったような気がします。
若手俳優さんたちの力量
本作を見ていて、原作漫画のイメージに近い無名俳優さんを起用して大ヒットした「未生」を思い出しました。
ただ今回は無名俳優さん方の多くが若手で、パク・ソジュンやユ・ジェミョンさんに引っ張ってもらっていた感じがしました。
一方、若手の中でもベテラン格となる、財務管理を担当したホジン役イ・デビッドや、歪んだドラ息子を演じたアン・ボヒョンなどは実力を感じさせましたね。
特に、アン・ボヒョンは「彼女の私生活」で見せた根が純粋な人物像の上に、弱さ・虚勢・破たんを重ねたような今回のグンウォンが印象的でした。
さすがのベテラン俳優陣
さて、本作では何といってもベテラン俳優さん方の存在感も見どころです。
ユ・ジェミョン、ソン・ヒョンジュといった大御所さんの存在がどっしりと土台となっていたおかげで、パク・セロイという人物が輝きを増しました。
ちなみに、ユ・ジェミョンさんはパク・ソジュンとは「花郎」で共演済み。
パク・ヒョンシク演じる真興王のちょっとコミカルな護衛武士をされていました。
「空から降る一億の星」ではキーパーソンといえる精神科医師役などもされていました。実はあちこちでお見掛けしている方です。
ドラマ「梨泰院クラス」とは
主人公は高いリーダー力を持つ魅力的な人物
不屈の成長物語の現代資本主義版
ハマリ度は
3.5
本作の魅力は、とにかく主人公の魅力に尽きました。
もちろん、セロイを信じ彼と共に歩むことを決めた頼もしい仲間たちの絆があってこその物語。
評判が高かったのもよくわかる、波乱万丈の物語でした。
ハマリ度マックスとはいかなかったのは、私は中盤少し中だるみを感じてしまったことと、ヒロインのイソの魅力にハマれなかったこと、かな。
ロマンス部分はもともと期待していなかったのだけれど、描かれるならば少しでも萌えたかったなと(笑)
OSTにBTSのV自作曲が使われたり、最終話にパク・ボゴムがカメオ出演するなど話題も多かった本作。後半で詳しくご紹介しますね。
梨泰院クラスはNetflixで今すぐみられます
ここからはネタバレがあります
ご注意ください
感想
梨泰院クラスってなんのこと
セロイはさまざまな属性の人々が集う街梨泰院に本店ともいえる居酒屋「タンバム」1号店を開き成功させました。
タンバムを法人化する時につけた企業名が「梨泰院クラス」でした。
ただし、正式な会社名はその頭文字をとって「株式会社IC」となりました。
ラブラインの魅力はどうだったか
最初から一貫して恋の気配はずっと描かれ続けました。
セロイの初恋、セロイを愛する人たちの思いと立場など、常にセロイの人生と一体となって織り込まれていました。
チョ・イソも演じたキム・ダミも魅力はもちろんあるんだけども、イソ役は別の女優さんで観たかったなという個人的な願望が最後まで残りました。
結末
重罪レベルの数々の妨害や理不尽な目に遭いながらも立ち向かい立ち上がったセロイ。
満身創痍の中、最終的には勝ち切ることができました。
IQレベルが桁違いのイソをマネージャーに据え、一流大学在学中に実践レベルの金融知識と資格を手にしてセロイの財務担当をしてくれたホジンに支えられ法人化・海外進出という果敢な戦略も成功させることができた。
最終的に長家にトドメを刺したのは、部長にまで上り詰めていたスアによる内部告発。
自分の人生を立てるために長家に身を置いていたスアにとって、最後の心の向く先は施設で育った天涯孤独だったスアの大学の学費を貸してくれたセロイのお父さんへの恩でした。
犯罪・隠蔽・金の力で集めた不正の権力で膨張していた長家は音を立てて崩れ、同じ外食産業界で登り龍となっていたセロイが買収しました。
ラストは日ドラ「半沢直樹」ばりの土下座ゲットでしたしね。
ビジネス・商品の向こうにもこちら側にも人がいる。
ルールをおろそかにしたり、ずるい方法を使ったりして手に入れたものは最終的にはもともと持っていたものすら残らないという結末でした。
V(BTS)君も参加で大注目のOST
梨泰院クラスでは、パク・ソジュンの友人で世界的アイドルグループとなったBTS(防弾少年団)のV君が自作曲で参加するなど大いにドラマを盛り上げています。
それがこの曲
V(BTS)「Sweet Night」
良いですね~!確かエピローグにも流れていたような。
そして、何よりも「梨泰院クラス」というドラマの世界観が感じられる曲がこれ
Gaho「始まり」
気持ちを新たにまた立ち上がる、そんな清々しく前向きになれる曲です。
そしてもう一曲、忘れてはいけないのがこの曲
ハ・ヒョヌ「トルトンイ」
つまずいても立ち上がり前進し続ける、不屈の闘志を抱くパク・セロイのテーマ曲ともいえる曲だったと感じました。
梨泰院クラスのサントラはこの他、Crashやユン・ミレ、イ・チャンソルの染み入る曲などなどいい曲が揃っています。
ぜひ他の曲も聞いてみてくださいね。
YoutubeのOST公式サイトVLENDINGの「梨泰院クラス」OSTリスト
さいごに
パク・ボゴム~🌸
ラスト、自分の足で立つ道を選んだ優秀なスアが店を持ちました。
紹介されてやってきたシェフがパク・ボゴム。きらっきら✨のシーンをどうぞ。(設定から日本語字幕が出ます)
ボゴム君をみたスアの第一声「テェバッ!」の英字幕が「Amazing」なのがぴったりで良いですね!
老若男女、誰が見ても響くところが沢山あるドラマで、おススメ度はもちろん高い作品です!
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