2020年SBS放送の韓国ドラマ「ブラームスは好きですか」。
放送前に公式がアップしていたポスターやシーンクリップがとても美しく魅力的なうえに、ピアノ+キム・ミンジェ君の麗しさに膝から崩れ落ち、視聴確定に(笑)
そのキム・ミンジェ君ともう一人の主演パク・ウンビンちゃんが演じる繊細な音大生のムードから、音楽がどんなふうに彼らの人生に影響していき、ロマンスがどう展開するのかも楽しみでした。
心優しく、他人を思いやる、でも、自分をどうやって大切にしていいかその方法を見つけられないでいた不器用な若者たちの物語。
今回も、私の感じたところを語っていきたいと思います。
作品情報
2020年 SBS韓国 全16話
演出・脚本・キャスト
演出:チョ・ヨンミン/キム・チャンハン
脚本: リュ・ボリ
キャスト
キム・ミンジェ(パク・ジュニョン)
パク・ウンビン(チェ・ソンア)
パク・ジヒョン(イ・ジョンギョン)
キム・ソンチョル(ハン・ヒョノ)
ソ・ジョンヨン(チャ・ヨンイン) 他
冒頭あらすじ
ソンアは経営学部を卒業後に、片思い中の親友ドンユンのレッスンを受け音大へ再進学するほどバイオリンを愛していた。
だが卒業間近となるも実力が追い付かず、念願だった公演から外され、さらには卒業後の進路も決まらない状況だった。
一方、早くから才能を見出されコンクールで世界を回ってきたピアニストジュニョンは、彼の幸せとは程遠いところにいた。
また、ブラームスは弾かないというジュニョンには、自分自身と重ねてしまうある理由があるからだった。
予告編
“ブラームスが生涯愛し続けた女性クララは、彼の親友シューマンの妻だった。“
「ブラームスは好きですか?」とあの日空港でジュニョンに聞いたソンアの様子が一つの予告編となっています。
このブラームスの話が、ソンアやジュニョンにとって深い意味があることが伝わってきます。
ブラームスは好きですかの魅力と個性
優しくて強くて、そして不器用な人たちのお話
自分にも思いがあり心もあるけれど、大切だと思う周りの人を優先してしまう。
自分が耐えれば家族が、友人が幸せでいられるならばそれを選ぶ。
ソンアやジュニョンはそんな人でした。
似ているからこそ理解し合えるのですが、立場の違いや生きてきた人間関係があるゆえに二人が越えなければいけないものも多かったんです。
ふたりを見ているとかなりもどかしいはず。
でも、誰でもそういった一面は持っているからこそ、ふたりの中に自分を見つける瞬間がありふっと共感してしまうはずです。
ブラームスの愛にリンクさせた物語
親友シューマンの妻クララを思いながら一生独身を貫いたブラームス。
彼ら3人の関係性を
- 篤い友情の形だと捉えていたソンア
- 永遠にかなわない片思いの形と捉えていたジュニョン
ふたりはブラームスと同じ立場で、友情と片思いが同時に存在する人間関係の中に長くいたという共通点がありました。
ふたりの出会いは、人間関係や人生への向き合い方を変えるきっかけとなっていきます。
ふたりが育むロマンスとともに、葛藤しながら難しい現状を変えていく彼らの姿をじっくりゆっくりと進めていく物語でした。
注目俳優キム・ソンチョル君
私としては、ジュニョンの友人でチェロ奏者のヒョノを演じたキム・ソンチョル君の愛にウルウル。
もうちょっと彼のエピソードも見たかったなぁと思っています。
印象的な助演として実はあちこちに出演しているソンチョル君。
「賢い監房生活」では主人公をサポートする頭の切れる若い服役囚の役や、「アスダル年代記」で主人公の相棒役。
最近だと、Netflixの「SWEET HOME」の中盤以降に出演シーンが来る突然変異のキーパーソンなどなど、どれも一つとして同じタイプの役はありません。
本当にどんな役でも自分のものにしてしまう演技派君です。
本作では、自分の立ち位置などの狭間で苦悩しつつも、それでも一途な愛情を秘めている、おまけに、教育者としても実力のあるチェロ奏者という魅力的な人物でした。
実際にピアノがお上手なキム・ミンジェ君
子どもの頃ピアノを習っていたという情報もありますが(未確認)、本作のために1か月ピアニストを演じる準備をしてきたミンジェ君。
劇中でも大きな意味を持つ「トロイメライ」を披露してくれたのがこちら
ピアニストキム・ミンジェ、先取り映像
前半は役のパク・ジュニョンとしてコメントされていますね😊
ブラームスが好きですか とは
青春期を捧げた音楽と友情と恋
求めるものに出会えた若者たちの穏やかなロマンス
ハマリ度は
2.5
主人公ジュニョンとソンアの性格もあって、穏やかで丁寧で、もどかしいくらいゆっくりなロマンス。
それもこれも、長く強く心に抱いていた”片想い”との決別の時間が、ふたりの関係を作り上げていく過程でもあったから。
まだ大学生のようにも見えますが、20代後半に差し掛かっていたふたりにとって、誰とどんな風に生きていきたいかという人生の問いの答えを探すような時間でもありました。
そんな純粋な彼らと対比させるかのように、自分の立場を維持するために立ち回る教授らのマウント合戦など、音楽とはかけ離れた自尊心と権力欲の塊といった大人の姿も同時に描いてもありました。
私は、ハマりこそしませんでしたがリタイアすることなく、気持ちが向く時にゆっくりと見進めたドラマでした。
さて、本作の登場人物のファッションは、男性も女性もとっても素敵でした。
ワイシャツが似合う男子は最高ですな(性癖爆)
劇中の演奏シーンをまとめたクリップもぜひ!
OSTの前に、劇中いくつものクラッシックの名曲を演奏されるシーンが登場します。
そのシーンを集めた動画がこちら。
ジュニョンとソンアがたった一度だけ二人で演奏したブラームスのバイオリンソナタのシーンもあります。およそ11分のところです。
OSTも素敵でした
本作のOSTにはEXOのチェン、ベッキョンほか、そうそうたる有名アイドルグループのボーカルの皆さんが参加されていて選ぶのに迷いました。
ここでは、私の一番心に残った曲を2曲だけご紹介します。
Punch「Love me」
この雰囲気がまさに「ブラームスが好きですか」の世界観。
K.will「Beautiful」
感情を大きくは表さない抑えたジュニョンやソンアの気持ちを表すかのような穏やかで、でも熱さを内包しているよな歌い方が素晴らしい曲。
視聴中に聞こえてくるたびに、あ、K.willさんだ!と思うんですがちょっと歌い方が違うのであれれ?と思っていました。
K.willさん、歌い方変えられたのかな?
動画内の1theKアイコンからアカウントに移動できます。その他の曲もたくさん上がっていますのでぜひ聞いてみて下さいね!
輸入盤のOSTも発売されていました!
まとめ
ハラハラドキドキはあまりない、穏やかでちょっともどかしいロマンス。
しかし、財団のオーナー一家が関係するために、少し浮世離れした世界を垣間見たような気持になりました。
本作にはズルい人はいても悪い人はいません。
誰かの犠牲を強いるような方法でしか生きられない弱い人間のダメダメさといった人間臭さも実は描かれています。
優しく強くあろうとする人たちは、自分で何とかしようと踏ん張り、踏ん張りすぎて立ち上がれなくなっていく。
一人で頑張らなくてもいいんだよ、というメッセージも浮かんでくる物語でした。
DVDが発売されています BOXは2まであります
さいごに、ヒロイン パク・ウンビンについて
俳優歴20年越え大ベテランパク・ウンビン
本作のヒロインを演じたパク・ウンビンは、1998年から子役俳優として活動を始めた今や芸歴20年越えの大ベテラン女優!
韓流ブーム第1期の皆さんなら、「太王四神記」のムン・ソリの少女時代役をされていたと言えば「ああ、あの!?」となるのではないかなと思います。
ここ数年でメキメキと若手主演としての実力を発揮している彼女のその他の出演作もぜひ。
⭐️「愛の不時着」の裏時間帯の地上波で好視聴率を得た、2020年百想芸術大賞作品賞ドラマ「ストーブリーグ」
本作とは全く違うキャラクターを演じられていましたよ!