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みんなの嘘 視聴感想 Netflix韓国ドラマ

みんなの嘘

2019年韓国ケーブル局OCNで放送されたミステリーサスペンス「みんなの嘘」がNetflixで配信開始されています。

主演は、ドラマ出演にはロマコメが多かったイ・ミンギと主演女優として活躍を始めたイ・ユヨン。

視聴率を含め、あまり話題になっていなかったのでさほど期待してはいなかったんです。

ですが、見始めて見ると、音楽・撮影・演出・脚本などが個性的で、一歩一歩地道に捜査していく様子を描くエピソードに臨場感があり、ともにその場にいるかのように感じられる独特の魅力がありました。

どんなところが魅力だったのか、このあと具体的に語っていきたいと思います。

前半はネタバレなし。ネタバレあらすじや感想は後半以降となっています。

作品情報

みんなの嘘 ポスター

放送・配信

2019年 韓国OCN 全16話 ・ Netflix

演出・脚本・キャスト

演出:イ・ユンジョン

コーヒープリンス一号店(2007)
トリプル(2009)
ハート・トゥ・ハート(2015)
チーズ・インザ・トラップ(2016)
アルゴン(2017)
tvNドラマステージ2017:文集(短編)(2017)
みんなの嘘(2019)  他

脚本:チョン・ヨンジン/ウォン・ユジョン

みんなの嘘(2019)

キャスト

イ・ミンギ(チョ・テシク)
イ・ユヨン(キム・ソヒ)
イ・ジュニョク(ユ・デヨン)
キム・シウン(カン・ジンギョン)
オン・ジュワン(チン・ヨンミン)
イ・ジュニョク(チェ・サンフン)特別出演
ソ・ヒョヌ(イン・ドング)  他

刑事ものが初めてだったイ・ミンギ

これまでイ・ミンギが出演してきたドラマを振り返ってみると、初期の「タルジャの春」や「めっちゃ大好き」、最近だと「この恋は初めてだから」「僕が見つけたシンデレラ~Beauty Inside」などどれもロマコメでした。

ただ、イ・ミンギが演じたキャラクターは理知的なタイプが多かったので、ジャンルものが初めてだったとは思えないほど刑事デシク役はしっくりと合っていました

ビューティー・インサイド
僕が見つけたシンデレラ~Beauty Inside~ 視聴感想 韓国ドラマ[ドラマほびっと]2018年Jtbc放送韓国ドラマ「僕が見つけたシンデレラ~Beauty Inside~」の視聴感想です。ソ・ヒョンジン&イ・ミンギ主演のファンタジックロマコメの見どころや魅力ハマり度を前半で、後半にネタバレあらすじや感想があります。...

冒頭あらすじ

次期大統領候補と言われる与党の国会議員が交通事故で亡くなった。

自殺のように見られたが、広域捜査隊のデシクはそれが他殺であると結論付け捜査を開始した。

そして議員の追悼式に、娘ソヒの夫でJQグループ御曹司チョン・サンフンの手首が届けられた。

ソヒはその夜、「夫を助けたければ父の地盤を継ぎ国会議員になれ」という命令のメールを受けとったのだった。

予告編

ここでNetflixのGlobal向け韓ドラアカウントThe SWOONの予告動画をご紹介します。

自殺と思われた事故に事件性が見え始め、そして行方不明だったソヒの夫の体の一部が届くというショッキングな物語の冒頭部分がわかる予告編となっています。

みんなの嘘の魅力と個性

その場にいるかのような臨場感

生活音を取り入れたり長回しのカメラワークなどで臨場感を感じさせる演出を取り入れた映画などもありますが、

本作からは、まるで演劇を同じ空間で見ているかのような臨場感がありました。

サントラも音楽というよりは音・効果音に近い感じ

キャストが映るときは常にセリフがあり、繰り返しのリフレイン映像はあまりなくて常にストーリーが一歩一歩時間軸と共に着実に前に進んでいく感じでした

それが、視聴者である私も、まるで一緒に捜査グループのデシクたちと同じ目線、空間にいるように感じさせてくれていたようでした。

初めてみる助演陣がくれたリアル感

もう一点、リアルさを感じたのが、なじみのない助演陣の顔ぶれでした。

長年韓国ドラマを見ていると、セリフのある役をやるベテランの方々はだいたいどこかで見かけたことのある役者さんなのですが、本作ではお見かけしたことがない役者さんがとても多かったんです。

もしかすると映画オンリーだったり、演劇や舞台方面で活躍されている方々なのかもしれないのですが、それが私にはとても新鮮で、リアルさをさらに高めてくれました。

事件に重点が置かれる無駄のないエピソード

失踪した夫を諦めずに助けようと踏ん張り続けたヒロインは次期大統領候補と言われた議員の娘で、彼女の行方不明の夫は財閥の一人息子。

けれど、二人に華やかさや豊かさの描写は一切なく、ある重大な事件に彼女たちが向き合った軌跡を地道に紐解いていく脚本でした。

主人公たちと共に一つ一つ捜査を通じて分かったことを共有し真相に近づいていく感じなので、終盤に行けば行くほど物語に引き込まれていきます。

どれもすべて真相とつながっていた伏線となっていて、無駄エピソードのない練られた脚本でした。

みんなの嘘 とは

夫を助けるために国会議員になった妻と刑事が追う事件の真相
真実を語らない者たちが生んだ犠牲の重さを暴き出すミステリーサスペンス

ハマリ度は

 4

見終わってみて、これは評価したい!と思えるドラマでした。

スタート地点ではとても地味で、面白く最後まで見られるのかちょっと分からない未知数的な部分を感じたりもしたのですが、ここまで魅力を語ってきた通り脚本・演技共に満足のいくドラマでした。

主人公のデシクや捜査チームの面々がこうむるしかなかった犠牲もありましたが(泣)、諦めず理知的に事件を見つめ行動し続けるデシクが本当に頼りがいあって素敵でした。

デシクには人情味があり、不正に屈しない強さがあり、そして優れた捜査力をもつ刑事なので、シリーズを率いてゆけるだけのポテンシャルがあるキャラクターでした。(つまりイ・ミンギでシーズン2希望、OCNよろしく)。

hobbit
hobbit
ソヒやテシクが追っていた事件には真相に迫らないと絶対にたどり着けなかったある真実がありました。
このあとの、ネタバレあらすじや感想で詳しく語っていきたいと思います。

本作は今すぐNetflixで観られます

ここから後半はネタバレがあります

ご注意ください

ネタバレあらすじ

ここからはまず、後半に見えてくる物語の核心となるネタバレを中心にドラマを振り返ってみたいと思いますので、未見の方はご注意ください。

必要のない方はそのあとのOSTや感想へと飛んでいただければと思います。

国会議員にさせられたソヒ

ソヒの父親は次期大統領ともいわれる国会議員、夫サンフンは地元松州市を基盤とする財閥JQグループの一人息子。

しかし、サンフンは会社を嫌って海外でカメラマンをしていました。

ソヒは、父が自殺に見せかけられた交通事故で亡くなり、失踪した夫の体の一部が切断され送られてくるという事件に見舞われ、父の地盤を継ぐ議員となるしかありませんでした。

それが、夫の体の一部を送り付けてきた犯人の要求だったからでした。

犯人の要求

犯人の要求は、国会議員となり、JQグループが任されていた新エネルギー事業が推進できる法案を通せというものでした。

党首からもJQグループの会長である舅からも後押しされソヒは議員に。

しかし、法案の準備を進めるうちに、父と夫がこの新事業を中止させようとしていたことが分かり、ソヒはその理由を探らずにはいられなくなりました。

新事業に絡んでいた利権

法案は、「国有地とするために指定業者が購入する」という特定の業者が利益を得られることになる偏ったものでした。

候補地となっていたあのは、コンクリート会社の土地を含む松州市の広範囲に及ぶ土地。

そのあたり一帯をJQグループの息のかかったコンクリート会社の社長らが買いあさっていました。

転売によって出る利益を狙っているに違いないと誰もが考えました。

新事業に潜んでいた重大な秘密

デシクら警察では、ソヒの夫の体を切断して送り付けてくる犯人が与えてきたヒントをもとに、新聞記者スヒョンさんの自殺の調査を進めていました。

記者スヒョンさんが生前記事にするため調査していたのが松州市の新事業予定地周辺住民の健康状態でした。

そこで分かったことは、水質汚染による深刻で重い病気を抱えている人の異常な多さでした。

新事業の真の目的とは

新事業候補地であるコンクリート会社が立地していた土地は20年前は池だった場所でした。

そこには、当時JQグループの前身だったジョンゴン製鉄所から排出された排水が不法投棄されていました。

発がん性物質クロムを多量に含む排水が地下水となり、何も知らずくみ上げて飲料としていた住民の体を蝕んでいた事実がそこにあったわけです

汚染の事実をつかんでいたJQは土地を国有地として買い上げさせ、住民を立ち退かせることによってこの事実を永遠に隠蔽しようとしていました。

口を噤まされた人々・噤ませたものたち

この水質汚染と住民立ち退きの計画を知った人たちすべてを殺害し口を噤ませてきたJQ。

その犠牲になったのが彼らでした:

  • 新事業のうらに隠されていた汚染の事実を知り事業を中止させようとしたソヒの父と夫
  • 事実を公にしようとした記者スヒョン
  • 警察に追及され、真相を語ってしまいそうな関係者ら

JQには会長に忠誠を尽くす二人の室長、イン室長とサンフンの幼なじみチン・ヨンミン室長がおり、彼らがこの口封じの汚れ仕事をしていた可能性が高い状況でした。

命を賭けて真相を暴いたものたち

いかにして罪深きJQの過ちを正せるのか。

このゴールに対して、力を持つ会長が猪突猛進する原動力を削ぐことを本気で考えたものがいました。

それが息子サンフンその人でした。

会長が最も愛し、汚点を隠蔽してでも会社を継がせたい相手、それが一人息子サンフンでした。

サンフンの決断と協力者の動機

サンフンは、まだ誰にも明かしてはいなかった真実がありました。

それが脳腫瘍で余命わずかな体であったこと。

養子だったサンフンを実子同様に愛してくれた父の願いをかなえるため、カメラを置いて会社に入ったサンフン。

しかし、新事業の代表を任され、記者スヒョンからこの汚染の事実を知らされます。

妻ソヒの父である議員やスヒョンの死を目の当たりにしたサンフンは事態を察し、父を残り僅かな時間で何としてもくい止める方法を模索し決断し行動しました。

それがあの衝撃的ともいえる、切断部位を使った脅迫という方法でした。

文字通り身を切りながら、サンフン拉致犯の思惑がJQの思惑であるかのように演出してソヒに事実を知るよう仕向け、同時に警察も動かしていきました。

サンフンの決意を汲んで動いていたのは

サンフンを手助けしていたのは幼馴染ヨンミンでした。

実のところ、室長まで上り詰めた実力派のヨンミンはJQ乗っ取りまで画策していました。

その原動力は会長への恨み。

実は新聞記者スヒョンさんはヨンミンの最愛の女性でした。

恋人を口封じのために残酷に殺害されたヨンミンのJQに対する恨み、そして手を下したイン室長への怒りがサンフンの計画を手助けする強い動機になっていたのでした。

サンフンとヨンミンの過去

元はウンソンと呼ばれていたサンフンとヨンミンは孤児院時代から兄弟のような親友同士でした。

会長は事故で亡くした幼い息子に似ていたウンソンを引き取り、サンフンと名づけて愛し育てました。

血はつながっていなくても、愛されていたことは分かっていたサンフンの最後の親孝行は、文字通りその身を賭して過ちを改めてもらうことでした。

結末

汚染の事実を突き止め、口封じまでしてきたJQの所業を知ったソヒ。

けれど、圧力がかけられ四面楚歌となったソヒは汚染の件を永遠に伏せるという同意書にサインさせられました。

ここでソヒはこれが紛れもないJQが汚染を隠蔽しようとしてた証拠だとして捨て身で公開

信ぴょう性の高い事として世間に知らしめることになりました。

一方でテシクらは廃墟で変わり果てたサンフンを発見します。

すでに安楽死の薬を投与されこの世を去ったあとでした。

サンフンの協力者だったヨンミンを逮捕するためにテシクたちが駆け付けた時には、イン室長が刃物でヨンミンを刺した状態でした。

愛した女性スヒョンを殺害しただけではなく数々の殺人を会長のために犯してきたイン室長を現行犯逮捕させてヨンミンもこの世を去りました

個性的なOST

感想に行く前に、本作で使われた個性的でぜひ聞いてみて欲しい雰囲気のある曲たちをご紹介したいと思います。

まずは

DONNA 「Who Really Knows」

*Yuuki SakuraさんのFMVを共有させていただきました

オープニングのサウンドが80年代をテーマに描かれた海外ドラマ「ストレンジャー・シングス」っぽくてちょっとインパクトがあります。

韓国ドラマOSTっぽくないのがまた個性的じゃないですか?

そして、もう一曲もまた個性的で余韻が最高に良い「Remember You」という曲がありました。

イ・チャンソル「Remember You」

何かとリアルに描いてきた本作が、主人公たちの心にのこした辛い出来事に一つのピリオドを打ったような幻想的なシーンをラストに用意してあって切なく温かい余韻を残しました。

そのラストシーンを反芻できるような曲がこれでした。

幼いころ行方不明になった姉のことを、罪悪感や悲しさから思い出すこともつらかったテシク、そして今回夫の行方を必死になって捜したソヒさん。

二人の心が、彼らを温かく思い出し、そして見送れる心境になったようにも取れるラストでした。

 感想

組織的な権力を持つ不正に立ち向かう時、そのものたちに勝ち切る方法は強欲な者たちが絶対取れないと思っている保身に走らない強い意志をもっていること。

くじけずにやり抜くことは不可能に近いことゆえに、本作や「秘密の森」のあの検事さんなどといった覚悟を決め行動した人たちの壮絶な意志が胸をつくんですよね

「みんなの嘘」が放送されたOCN局のドラマはジャンルものと呼ばれるクライムサスペンスやミステリーサスペンスなど事件を扱うドラマが多めです。

視聴率はロマコメやファミリードラマほど高くならないですが、本作は視聴率とは別に評価されていいドラマなんじゃないかなと感じています。

音楽、撮影、演出、脚本などどれをとっても個性的で、決して派手ではないエピソードが積み重なり、ぐいぐいと真相に向かわせる魅力がありました。

描き方やテイスト、ストーリーのジャンル、方向性など、好みが分かれるかもしれませんが、私は良かったです。

なによりも、本作は俳優陣の演技をかなりガチで堪能できました

なんというか、芝居の原点に回帰したような大事なものを見られたようなそんな印象が残っています。

イ・ミンギの部下役ジンギョンを演じたキム・シウンさんや名バイプレーヤーの皆さんのこれからの活躍がまた見たいです。

イ・ユヨン、オン・ジュワン、そして特別出演のイ・ジュニョクさんも本当に良かったですよ!

真相を追い、それが見えたラストの重みがぐぐっと物語のクオリティーを押し上げている、そんなドラマでした。

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