短編ドラマ「文集」視聴感想 tvNドラマステージ2017

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文集 ドラマステージ2017

2017-18年にtvNで放送された1話完結型オムニバスシリーズ「ドラマステージ2017」。

今回はその第6回話「文集」を見ました

本作のポスターのコピーは

記憶の中 初恋のページが開かれる

16年前の高校時代の初恋の思い出が、当時作成した文集から一気に蘇る物語。

若い主演の二人がとても良い演技を見せてくれて大満足でした。

今回も、私の感じたところを語っていきたいと思います。

ネタバレあらすじは後半以降となっています。

目次

tvNドラマステージについて

韓国ケーブルテレビ局tvN放送の1話完結オムニバスドラマシリーズ

ドラマステージ20172017-18 全10編 ←今回ココ
ドラマステージ20192018-19 全10編
ドラマステージ20202019-20 全10編予定

ドラマステージ2017についての作品情報

パク代理の隠密な私生活
2B主任とラブレター
3直立歩行の歴史
4遠足に行く日 
5今日もタンバリンをお呼びします
6文集 ←今回ココ
7NOT PLAYED
8美味しいミソチゲ
9ファイター チェ・ガンスン
10最後の食事を作る女

*リンクがあるものは感想記事に行くことができます。

文集

演出・脚本・キャスト

演出: イ・ユンジョン

コーヒープリンス一号店(2007)
トリプル(2009)
ハート・トゥ・ハート(2015)
チーズ・インザ・トラップ(2016)
アルゴン(2017)
みんなの嘘(2019)  他

脚本:シン・ハウン

tvNドラマステージ2017:文集(短編)(2017)
王になった男(2019)

キャスト

シン・ウンス(シン・ソイ)
チョン・ジェウォン(ソン・ジニョン)他

演出はリアルな感性とヒューマンさを描くイ・ユンジョン

演出を担当されたのは、大ヒットドラマ「コーヒープリンス一号店」、最近では、クライムサスペンス「みんなの嘘」のイ・ユンジョン監督。

脚本は本作のあと時代劇「王になった男」で難しい決断を下していく心情や状況を丁寧に描いていたシン・ハウン作家。

このおふたりがリアルな感性とヒューマンな部分を大事に描く実力派であることがはっきりとわかりました。

冒頭あらすじ

ソイは独身の塾講師。

真面目に働いてはいるが仕事にハリも感じず生徒からの人気はない。

そんなソイのもとに母方の叔父夫婦から、16年前高校一年生の時に作ったクラス文集が届いた。

母方のおばあさんと叔父さんの家から高校に通った日々がよみがえる。

親の離婚再婚で転校し尖っていたソイを、文集係に引き込んだのは道内1位の学力を持っていたハンサムなジニョンだったことも。

予告編

tvN放送時の予告編をご紹介します。

のどかな田舎町の高校に転校してきたソイが、文集づくりをきっかけに親しい男子の友だちができた瑞々しい様子が分かります。

ちなみに、動画のタイトルが「JYPのシン・ウンスとYGチョン・ジェウォンが出会った」となっています。

JYPもYGも韓国の芸能事務所の中で大人気歌手やアイドルグループを抱える大手事務所の代表格。(JYPにはTWICE、YGにはBLACKPINKなどなど)

そこに所属している二人が共演するということが当時一つの話題でもあったんですね。

文集 の魅力と見どころ

現状へのやり場のない怒りと悲しさ

親の事情、家庭の都合にどうしても振り回されてしまう子どもたち。

思い通りにはいかないどうしようもないつらさや、もう夢を見ていられない現実。

若い二人のやり場のない悲しさや怒りが迫ってきました。

分かり合える幸せと初恋と

本作が瑞々しいのは、思春期真っただ中の二人がつらい気持ちごと分かり合え互いに心を通じ合わせた幸せな瞬間を見せてくれたことでした。

初恋って、

言葉にすると淡く美しいけれど、劇中のソイは「初恋っていったい何なのよ」と少し斜に構えたような、でもストレートな疑問を叔父さんにぶつけるんです。

でも、ソイにとっての「初恋」が何なのか、私たちには十分すぎるほど伝わってきました。

新鋭若手シン・ウンスとチョン・ジェウォン

本作で特筆すべきは主演のおふたりでした。

シン・ウンス デビュー作は300倍率を勝ち抜いた映画

2002年生まれのシン・ウンスは2016年カン・ドンウォン主演の「隠された時間」がデビュー作。

その後、ドラマ「青い海の伝説」(2016)や「バッドパパ」(2018)などで活躍しています。

本作では高校一年生の役だったので、ほぼ実年齢に近い役(とはいえこのときまだ15才)を演じていたんですね。

2020年には、Ara主演のロマコメ「ドドソソララソ」で惚れっぽくて素直じゃない可愛い女子高校生の役を演じていて存在感がありました

実力派アーティストONE チョン・ジェウォン

シンガーソングライター、ラッパーONEとしてデビューしている1994年生まれのチョン・ジェウォンは「花遊記」「ナインルーム」「アスダル年代記」など、印象に残る若年キャラクターを演じてきています。

壊れやすい繊細なイメージと同時に、簡単には手折れない芯の強さを感じさせる演技を見せています。

本作では特に、夜の孤独な姿に表現されていたやり場のない怒りと虚しさの表現には胸が締め付けられるほどでした。

主演の二人は実年齢8才差。

そう考えるとチョン・ジェウォンは童顔かつ、思春期の少年のような繊細な演技がうまいことがよくわかります。

「彼女の私生活」では、甘いルックスが活きるアイドル役でした。

劇中に流れた曲はチョン・ジェウォン作

物語で流れてきた曲から聞き覚えのある声が。おや?と思っていたら主演のチョン・ジェウォンの声でした。

彼が個人的に作ったという曲が本作で使われていたそうです。

ギター伴奏のデモをファンに聞かせているチョン・ジェウォン君の様子がおさめられた動画があったので共有させていただきました。

ONE/チョン・ジェウォン「僕の別の道」

才能にあふれていますね~

文集 とは

親の事で辛さを抱えていた高校生時代の一コマ
16年前の文集がよみがえらせた初恋の記憶

ハマリ度は

3.5

理解し合えた二人の淡い初恋が瑞々しい物語でした。

それと同時に、主人公ソイは16年後に再び自分の手元にやってきた文集の中に彼の存在を鮮やかに思い起こしただけではなく16年前の彼からのメッセージを受け取るんです

素敵な短編でした。

機会があればぜひ一度見てみてくださいね。

ネタバレあらすじ

転校が意味していた母との別れ

母方のおばあちゃんの家にやってきたソイ。

ソイは母の再婚で自分は捨てられるかもしれない怖さから目をそらすように転校先の学校では強気な態度を取っていました。

制服も作らず、「すぐにお母さんと一緒にアメリカに行く」と言っていたソイの言葉は儚い希望という可能性が強い状況でした

ジニョンの事情

文集係を共にするというきっかけを作り距離を縮めてきたジニョンは、尖るソイの気持ちが手に取るようにわかると言っていました。

ジニョンの両親も離婚していて、母は別の人と結婚してしまい断絶、父と継母は金銭トラブルを抱えていました。

学力が高く大学進学を望んでいたジニョンでしが、夢を抱くことも親の愛情を願うこともできないさみしさといら立ちを抱えていました

二人の淡い初恋

互いが抱えていた悲しさや憤りのわけを伝えあい、理解し合えた二人の心が近づくのはごく自然なことでした。

ただ電話で話すだけの“二人だけ”の会話にときめく姿に恋の始まりの幸福感が詰まっていて素敵でした。

結末

叔父さんが買ってきてくれた制服を着て学校に行くことにしたソイ。

現状を受け入れる勇気をくれたジニョンの存在が大きかった。

けれど、ジニョンの家族は突然夜逃げしてしまったんです。

抱えていた金銭トラブルは、町の人から預かった投資金の横領が原因だったようです。

ソイの人生から突然消えてしまったジニョン

そしてソイは、お母さんが迎えに来てくれて一緒にアメリカに行くこととなりました

16年後、図書館の整理で見つかったという文集が叔父さん夫婦から送られてきた。

そこには、ソイへの寄せ書きページに、以前はなかったジニョンからのメッセージがありました。

蘇る16年前の初恋の思い出とあの頃の自分の気持ち、彼への思い。

受け持っている生徒たちと重なる時代の思い出がソイの心を明るくさせ、そして素直な気持ちで生徒と向き合える心境にしてくれたのでした。

感想

皆さんの初恋ってどんなでしたか?

ソイは「初恋って、初めて誰かを好きになった時を言うの?それとも…?~」なんて、初恋真っただ中にいたソイ自身が素直な感想を語っています。

では私はどうだったのかな~とふと感じます。

人との関係性って常に曖昧で、思いの大きさとか強さは測りようがない。特に思春期の頃は感情のうねりも大きい。

だからこそ「告白」は一大プロジェクトでしたよね(ン十年前の話)

高校時代、思い合って付き合ってはっきりと“お互いしかいない”と感じられるドラマのような関係性を築けた初恋を経験した人はむしろ少ないんじゃないかなと思っています。

だからこそ、本作のソイやジニョンのように確定に近い「サム」の関係が貴重で、また意外な形で突然終わりを告げたことが更にリアルさを感じさせました。

文集が届けたのは、チリリとした痛みとときめいていたあの頃の初恋の感覚やあの頃の思いという繊細で素敵なドラマでした。

ジニョン、大学進学は望めないから神学校に行く=神父になると言っていました。彼が今どうしているのかかは、ソイ同様わからない。

それが人生模様ですよね。

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