2020秋韓国tvNで放送されたドラマ「スタートアップ」は、若者たちが新たな価値を市場に提供していこうとする姿や、起業していく中で直面するリアルな問題を描く成長・成功物語でした。
ロマンスやお仕事ドラマと時事社会問題などをミックスさせて描くのがすこぶる上手いキム・ヘリョン作家(あなたが寝ている間に)の新作ドラマに、再びスジが主演で出演することが見どころの一つでした。
視聴して感じた魅力など、作品情報の後に語っていきたいと思います。
作品情報
放送・配信
2020年 10.17~韓国tvN 全16話
配信:Netflix
演出・脚本・キャスト
演出:オ・チュンファン
ドクターズ(2016)
あなたが眠っている間に(2017)
ホテルデルーナ(2019)
スタートアップ(2020)他
脚本:パク・ヘリョン
ドリーム・ハイ(2010-11)
君の声が聞こえる(2013)
ピノキオ(2014)
ページターナー(2016)
あなたが眠っている間に(2017)
スタートアップ(2020) 他
キャスト
スジ(ソ・ダルミ)
ナム・ジュヒョク(ナム・ドサン)
キム・ソノ(ハン・ジピョン)
カン・ハンナ(ウォン・インジェ) 他
監督・作家・主演トリプル再タッグ
演出のオ・チュンファン監督、脚本のパク・ヘリョン作家、そして主演のスジは「あなたが眠っている間に」で組まれた黄金タッグ。
過去の縁や因果などを含めた複雑な構成を駆使しながら主人公たちの恋を描き、
彼らの仕事に対する姿勢や使命などもみっちりとエピソードに詰め込んでいくパク・ヘリョン作家の脚本。
今回は特別な能力を使う人物は出てこず、ここ最近のトレンドともいえる仕事での成功を夢見てひたむきに走る若者たちの物語となっています。
そして、壮大なファンタジーも映像にされてしまう力量あるオ・チュンファン監督が組まれました。
第一話はかなりの情報量。
ぎっしりと内容が詰まった引き込まれる1話となっていて、制作陣と主演たちの見事なケミストリーが炸裂です。
冒頭あらすじ
ソ・ダルミは、起業を目指す若者たちが希望を抱く投資会社企画「サンドボックス」の講演会にやってきた。
そこには、両親の離婚で母親を選び母の再婚で裕福な父親をもったことで今や事業家となっている姉ウォン・インジェがいた。
そしてステージにはもう一人の若き起業家ハン・ジピョンもいた。
ジピョンは18歳で養護施設を出され居場所がなかった時、揚げ物店のおばあさんの店に、独り立ちできるまで居候させてもらっていた。
恩のあるその老婆の孫娘がダルミだった。
老婆の頼みで新聞に載っていた実在の少年ナム・ドサンの名前を使ってダルミに励ましの手紙を書き文通を続けたジピョン。
ダルミは今、その送り主ナム・ドサンに会わないといけない理由ができたのだが…。
予告編
Netflixの予告編がこちら
ダルミがナム・ドサンに会わないといけなくなるある長い長い経緯があるのですが、それが第一話でたっぷり語られていましたよ。
スタートアップから感じた魅力
IT業界の隆盛時の若き起業家たちを描く新鮮さ
現代の成功物語はビジネスで成功すること。
韓国ドラマでも、やはり出て来たなと感じたのが起業家の物語。
ストーリーの時代背景はスマホが普及し通信の世界ががらりと変わる頃。
まさにIT分野における新しいビジネスのチャンスを、アイディアや独自の技術で狙う若者たちの姿がそこに。
彼らの目指すものや情熱などだけでなく、現実味のある起業あるあるも含め、ディーテイルにこだわったストーリーとなっていました。
彼らの出会いの必然性と運命の輪
人が誰かと出会うことを縁と言いますが、この物語は、およそ10年前の縁が新たな出会いを生み物語を紡いでいきます。
養護施設をわずかな独立資金を手に退所させられ行くあてもなかった18歳のジピョンが、老店主から受けた感謝してもしきれない恩。
その時に撒かれた意外な種が、およそ10年後関係者をつなぐことに。
めぐりあわせの縁が回し始めた運命の輪のプロットが生み出す恋・愛のストーリーとなっています。
1話だけでもう満足、もう十分泣かされた
第一話を見て、その温かさと切なさに泣きました。
ジピョンの10代役を演じたナム・ダルム君はやっぱり私を泣かせる名俳優( ノД`)
もうそろそろ少年役を脱しそうな風格を身にまとい始めたダルム君が見せてくれたさまざまな感情がたまりません。
ダルム君のシーンには名女優キム・ヘスクさんとの共演シーンとなっていて、もう最高としか・・・。
そして、ダルミとお父さんとの関係や、過酷な社会情勢、家族を亡くした喪失感などの悲しさもあるのですが、希望も同時に残す1話の脚本が素晴らしかったです。
スタートアップ:夢の扉 とは
技術革新目覚ましいIT業界で企業を夢見る若者たち
苦難の道のりと仲間たちとの絆、そして恋の物語
ハマリ度は
2.5
起業を目指す優秀な3人のエンジニアと出会い、先人となっていたジピョンのフォローを受けながら代表としてチームを率いていく主人公ダルミ。
天才エンジニアのドサンとダルミの恋や、彼らの起業にまつわる多くの問題・難題・妨害・未熟ゆえの失敗を乗り越えていく姿を描いていく成功物語にワクワクできる方は楽しめるドラマだと思います。
残念ながら、私にとっては、1話をピークにじわじわとハマリ度が下がってしまうことになってしまったドラマでした。
ジピョンとハルモニのシーンは、どこをとっても常に秀逸。
それゆえにジピョンがハルモニの店から巣立ってからの成功と、その後10年後にハルモニの孫ダルミと出会って展開する、メンターと新鋭の起業家のドラマで良かったのでは。
そんな風に感じるほど1話のジピョンとハルモニのシーンのインパクトは大きく、この二人の関係性の大きさがどのキャラクターの関係よりも強かったためです。
視聴者は、1話でジピョンの生い立ちと彼の苦労や優しさを胸に刻んで見始めているのに彼は主人公ではない、そういうミスマッチが違和感を生んでしまった気がします。
ナム・ダルム君とキム・ヘスクさんが素晴らしすぎるのがいけないんだぃっっ
豪華なOST
OSTには、レッドベルベット、チョン・スンファン、10cm、ダビチと、かなり豪華。
そのなかで、OST第一弾として公開されたのがこれ
Red Velvet「미래」
未来に向けた希望を感じる明るさと爽やかさのある曲ですよね。
ボーカル力のあるRed Velvetの歌姫たちの歌声が心地いいです!
次は元気の出る大好きな曲!
Gaho君の「Running」
そして、聞くと意味不明に泣きそうになるのがこの曲
チョン・スンファン「Day & Night」
1話で胸をぎゅっとわしづかみされた彼らのシーン。
美しい旋律の中で再現されていてまた泣かされます。
テーマの一つは”縁” 魅力とやるせなさも同時に描く
今回ネタバレ詳細あらすじは割愛しました。
ダルミたちが直面する問題・難題は多岐にわたりあらすじで追うには細かく多すぎること。
そして、ドサンとダルミのロマンスは、2人が人生をかけて挑む起業エピソードに付随するトリガー的な要素の方が強かった印象ゆえに詳しく語るのが難しいことが理由です。
とはいえ、ドサンとダルミは出会う運命となっていたプロットでした。
一方、ジピョンの持っていた縁は、ダルミとではなくダルミのおばあさんとの親子のような縁。
ジピョンとダルミの関係は、俯瞰して見れば、兄妹の縁に近いものだったなぁと感じながら見ました。
「スタートアップ」は主人公たちの成功物語だったり、ロマンスだったり、ブロマンスだったりと、多くの要素を持っています。
私のハマリ度はぼちぼちでしたが、2~3話まで見て好みに合うか試してみて下さいね。
主演陣のその他の出演作
イ・スンギと共演。スジがスパイアクションに挑んだ世界をまたぐ陰謀劇
こちらも優しい両班の見守りお兄さん‥。キム・ソノ助演ロマンス時代劇