2022年4月、BLドラマレーベル「トゥンク」よりドラマ第一弾として、露がも子作家の「不幸くんはキスするしかない!」が実写化されました。
生まれながらにして小さな不幸に見舞われ続ける主人公・幸多が、大学生になって”絶対的幸運体質の男子”直哉と出会って始まる物語。
第一話からふたりの関係が大きく進むことを示唆するシーンに、時代のスピード感に驚きました。
全話視聴完了して感じたあたりを、視聴記録としてさらりと語っておこうと思います。
本作に対するネタバレはあまり配慮せずに書いていますのでご了承ください。
もくじ
作品情報
放送
2022年 全8話
放送:MBS他
▶不幸くんはキスするしかない! 公式サイト
原作・演出・脚本
原作:露がも子「不幸くんはキスするしかない!」
ポチップ
演出:吉野主
ゆるキャン△
ホリミヤ(2021)
#居酒屋新幹線
不幸くんはキスするしかない(2022)
脚本:金杉弘子
映画: タクミくんシリーズ(2007-11)
アニメ:斉木楠雄のΨ難(2016)
広告会社 男子寮のおかずくん(2019)
アニメ: 美男高校地球防衛部(2018)
不幸くんはキスするしかない(2022)他
タクミくんシリーズの脚本を書かれた方だったのですね。
その他、「天才てれびくん」ステージイベントやバラエティ番組の構成・脚本など、それはもう数々の作品を2002年以降手掛けられておられるベテラン作家さん。
ここ最近の日本BLドラマの脚本はアニメを含む多岐にわたるジャンルを手掛けられる作家さんがされていますね。うれしいです。
予告編&キャスト
予告と主演二人のメッセージもある、ステキな予告編ですよね!
正反対な2人が恋愛の攻防戦を繰り広げつつ、胸キュンも。ほぉなるほど~🥰
公式によると、幸多と直哉のCP呼びは「直幸」となるそうです。
曽田陵介(福原幸多役)
そのビジュアルから、2018年に投稿を始めたTikTokで人気となった曽田陵介君。
あっという間にローカルバラエティにキャスティングされ、AbemaTVといったウェブ番組で知名度を上げた後ドラマ出演を果たされています。
本作の演出家 吉野主監督が共同演出されたドラマ「ホリミヤ」(2021)にも出演されていました。そのご縁でしょうか?
佐藤友祐(篠宮直哉役)
1996.6.11生まれ 2014年結成のavax所属男女5人組グループlol-エルオーエル-のメンバー。
私の年下王子様S2(2018)星空のむこうの国(2021年版)などに出演歴あり
「ONE LAST SONG」Iol
2021年末のドラマ「奪い愛、高校教師」のオープニングテーマ曲がlolの曲。lolの佐藤君もチェック。
クランクインの地点での萌え禿案件
ふこKiss 魅力と個性
テンポのいい1話から思わぬ萌えシーン投下!
時代を感じました。
先日タイBL「THE TUXEDO」のところでも触れたのですが、冒頭第一話から視聴者がついSNSで叫んでしまうような萌えシーンが投下されてしまう時代がやってきました😉
展開が早くないと、1週間後視聴者を引けないというリアル。
ここでエンディングテーマ曲のティーザーともっている第2予告編を。
ラストの数秒のそのあとがEP1ではやってきました。
え!? いきなり? ってなりました。
ふたりの関係がスピーディーに展開することを予期させるような1話でした。
唯一無二の関係、その功罪に悩むとき
直哉といれば、それだけで幸福に!
幸多は人生で初めて不幸を回避する方法を見つけました。
自分の生きづらさが解消できるという唯一無二の存在との出会いが、どれほど大きな意味を持っていたのか。
でもそれは、彼を利用すると言うことと背中合わせ。
相手を大事に思えば思うほど、自分が求める幸福が利己的なものに見えてくる幸多の苦悩もありました。
自分の幸せよりも相手の幸せを願った瞬間
相手の幸せを願う時、そこには愛が存在しますよね。
身近な相手であっても、推しであっても、幸せを願うところには愛が存在する。
幸多は直哉の誤解を利用して”恋人同士”という関係性を手に入れていたけれど、それは自分の都合でしかなく、罪悪感を抱き始める。
直哉から向けられる”恋人としての愛情”を、ついには求めるようになっていった時の葛藤がコメディたっぷりに描かれていました
つまりはラブコメ
幸多がドタバタと独り相撲を繰り返し続ける。
それを愛らしいと眺め、手を差し伸べ、強引だったかと反省する直哉の図。
シンプルにラブコメを楽しむタイプのドラマでした。
ふこキスとは
自分を幸せにしてくれる唯一無二の存在には
誰よりも幸せになってほしいと願う 愛らしいラブコメ
ハマリ度は
2
明るくコミカルでいて真摯な恋を、描いてくれそうで楽しみにしていました。
公式プロモーションはファンに届けようと頑張っておられましたよね~。
ドタバタラブコメが大好きな方や、重くなりすぎず、からりと笑えるシーンが多い作品が好みの方には楽しめるドラマだと思います。
私のハマリ度はあまり上がりませんでしたが、私がドラマに求めているものがそこではなかったという点だっただけですのでご了承ください。
ポチップ
habbit視点 ピリ辛考
否が応でも世界の土俵に乗せられる2022年のBLドラマ
第1話の好感触とは裏腹に、終わってみると私のハマリ度は2。
ドタバタシーンの尺、全体的な物語展開、予算の都合も感じさせられましたが、ワークショップ不足が否めない演技に話数が進むにつれてハマることはできませんでした。
演出がどういうシーンを撮りたいのかを明言でき、どう表現してほしいかを的確に伝えられることで俳優さんは自分のスキルレベルがどうあれ答えることは可能。
それを、最終的に撮影・映像で”演出・表現”することで完成するとすれば、やはりそこは総合力としてドラマが作られている必要があると思うんです。
日本では未熟さを愛する優しい風潮がありますが、今BLドラマを視聴している多くのファンは世界の作品に触れています。
否が応でも世界の土俵に乗せられ、その中の意欲の高い作品と比べられてしまいます。
日本の優しい風潮は、2022年、過渡期をわずかに抜け始めたこのジャンルではもはやプラスには働かないというシビアさを知っておくことで矢面に立つ俳優さんを守ることができると思います。
さいごに
ハマリ度が2を下回ってくるドラマは基本的に視聴を止めたり、そもそも感想を書かないこともあります。
どのドラマにもその作品を愛するファンがいるからなのですが、今回はBLドラマコンテンツ企画トゥンクの第一弾で、しかも地上波での放送作品でした。
今量産体制に入ってしまった日本BLドラマが向かおうとしている流れのひとつとして、この企画がどういう趣旨で何を目指しているのかを知りたかったこともあり最後まで見ました。
”サブカルチャーから勢いを増してきた個性的なファンのための特殊なジャンル”と見る向きもあるようですが、ひとときの消費で終わるようなドラマはもう求められていません。
敏い海外の企画会社は、BLドラマの市場が”世界”だと知っています。
海外作品も日本作品も、それらと並んだうえで評価される作品を作ろうとしているところが爪痕を残しています。
©「不幸くんはキスするしかない」制作委員会・MBS
画像出典:@tunk_shower / @gagaoolala
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